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第七話 俺の戦い

コ、コル

コルル、コル


知識というのは本や話で知るのと実際に体験するのとでは大違いだ。

前世でも嫌というほど体験し理解していた、その筈だった。


まったく、この数日だけで自分の慢心を痛いほど感じるな。

この世界にきてから守られる存在として、ぬるま湯につかりすぎた。

作られた平和だけがこの世界だと勘違いしていた。


きゅ~(lll´+д+)


セイももう限界が近いようだ。

だが、次から次に来るイモムシの魔物を相手に戦い続けてきたんだ。


「少し休め。俺が代わりに戦うから」


きゅ!(๑و•̀ω•́)و


「お前が俺のために頑張ってくれているのは分かる。でも、まだ朝は来ない。まだ戦わないといけないんだ」


(´・д・)


「それに、セイが頑張ってくれたように、俺も頑張りたいんだ」


これでも最低限頑張ってきたつもりだ。

騎士たちの訓練を見よう見まねで真似て鍛えてきた。

剣術も本で知識はある。

それに、セイと契約してスキルも手に入れた。

戦う力はあるんだ。


「それに、セイが俺を大切に思ってくれているように、俺にとってお前はかけがえのない存在なんだ」


きゅ~(≧∀≦)


セイが体を俺に摺り寄せる。

全く、甘えん坊だな。

本当はもっと可愛がってあげたいのだが、そうも言ってられないか。


「アリアナを近くで守ってくれ」


きゅ!(^^ゞ


コルル

コルル、コル


イモムシの魔物が俺たちの潜んでいる草むらに入り込んできた。

背負っていた荷物を下ろし、剣は無いのでナイフを構える。


大丈夫。

スキルは体が理解している。


コ、コルル、コ


やはりでかい。

虫なんて通常サイズでも苦手なのに、それが人の赤ん坊並みの大きさだ。

しかも、セイや他のポーレルみたいにデフォルメされた可愛らしさはかけらもなく、本当に虫だ。

テカテカした表面も、微妙にふさふさした毛も、何本もあるあの足も、噛まれたら痛そうなあの顎も、カラフルな色も全部嫌い。

何より、なんで襲ってくるんだよ。


「クソ!」


ザッ


振り上げたナイフを下ろすと思いの外簡単に魔物に当たった。

セイが戦っているのを見ていたが、イモムシの魔物は思ったよりも遅いようだ。

だが、セイが簡単に倒す様子から弱いと錯覚していたようだ。


コルル!


ナイフはイモムシの魔物に小さな切り傷を付けただけだった。

刃こぼれ無い。

単純に俺の力不足か。


「もっと強化しないと」


だが、舞っている時間は。

舞いながら、戦うことは、出来るか?


コルルルルル!


イモムシの魔物が怒りで興奮している。

悩んでいる暇はないか。


コル!


イモムシが体当たりをしてくる。

これもセイが戦っているのを見て知っている。

この魔物の攻撃パターンは二つ。

体当たりと、べたべたの糸を吐く攻撃してこないのだ。

鎌のような顎を付けている割にそれは使わないようだ。

しかも、直線的な攻撃が多い。

今は避けながら舞ってステータスの上昇を優先させよう。

それとこの舞は止められると継続効果としてのステータス上昇はリセットされてしまう。


避けながら、舞って、攻撃する。

言うのは簡単の典型例だな。

だが、成功させなければ死ぬ。


「もっと、平和な世界に生まれたかったよ」


数分も避けていると力が徐々にわいてくるのが分かる。

もうそろそろ、いけるか。


シュッ


空を切るナイフの刃は魔物の肉体に深く傷を作る。

まだ切断まではできないようだ。

しかし、体液をまき散らしながらもだえるイモムシの魔物は数秒もしないうちに息絶えたのだった。


コルル

コルル、コル


「休ませてはくれないのか」


もう、新手が来てしまったようだ。

しかも、二匹もだ。

セイは各個撃破していた。

今は舞で能力も上昇しているから、大丈夫だ。

一匹増えただけだ。


「大丈夫だ」


イモムシが動くより先に動く。


「大丈夫だ」


ナイフを振り落とす。

イモムシの一体に攻撃が当たるが、俺に気づいたのか体を動かして避け傷は浅かった。


「まだ、大丈夫だ」


舞い動きにより一度距離をとり、今度は突き刺す。

手負いのイモムシにナイフが刺さる。


「後一匹だ (コルルルル!


無傷のイモムシが糸を吐いてきたのだ。

避けようとするが刺さったナイフを抜くのに一瞬遅れる。


「クソッ!」


べとべとした糸が体に絡まると体が動きずらくなる。

でも、生命線である舞を止めることはできない。


「まだ」


すぐに反撃に入るが、うまく動けないせいで避けられて攻撃が浅くなってしまう。


「まだだ」


すぐに次の攻撃に仕掛けるが、イモムシの身体がそこまで来ていた。

避けないと。


コルル! (ガタ!)


「あ、ああ」


残念なことにイモムシの体当たりは父からの荷物に当たって激しく地面を転がってしまった。

もし、命で失敗した罪を雪げと言われたらどうするか。

考えるだけ無駄だな。


「生きて帰れるかも微妙だしな」


だが、荷物が思いの外硬かったのか体当たりしたイモムシの魔物は身もだえている。

生きて帰れたら、逃げるしかないな。


グシュ


イモムシの魔物をナイフで深く切る。

焦っていたせいか大きな血管まで切ってしまったようだ。

多量の魔物の血をかぶってしまう。


これではセイを臭いだ何だと言えないな。


「え」


道の遥か向こうが薄っすらと明るくなる。


「そうか、朝が(ピルルルル


反対側から聞きなれない音が聞こえる。

嫌な予感に背筋が凍るように血の気が引いていく。

ゆっくりと振り返る。


これはまずい。


そこには大きな蝶の魔物がいたのだ。


「は、ははっ」


乾いた笑いがこみ上げる。

これは勝てない。


ピルル?


だが、蝶の魔物は俺に目もくれず飛んでいく。

そこには。


「セイ! アリアナ!」


俺は蝶の魔物を切りかかる。

だが、急に動きが悪くなる。

スキルの効果が無くなったわけではない。


「何が」


ピルルルル!


蝶の魔物が俺に気づき目が合う。


ああ、終わった。

ここで死ぬんだ。


きゅ~~~~~~~~~( ◣д◢)


俺に近づく蝶の魔物を何かが叩き落したのだ。

それはセイで。

でも、セイではなかった。


遅くなってすみません。

もうちょっと戦い編が続きます。

仕事やゲームの合間に書いているので遅くなりがちですが、飽きずに呼んでくれると嬉しいです。

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