表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

Oblivion Screen - 消失

これは『世界』に囚われた少年の意識きおくのカケラ───。

断片的に紡がれた映像きおく

忘却へと帰す画面きおく


おわりのはじまり。

 気が付けば、俺は『此処』にいた。


 天と地の境界も分からないしろいしろい白亜の世界。


 ───《世界》を取り戻せ。


 瞬きする度に頭痛を伴う様な一面『白』だけの世界でその『声』はした。

 もしかしたら脳に直接響いているのかもしれない。そんな感覚がしたけれど、それはどうでも良い事だ。

 ひょっとしたらただの錯覚だったのかもしれないのだから。


 突如として『白』の世界に風が吹く。

 正面から俺の身体を吹き飛ばしてしまうのではないかと畏怖する事を覚えた束の間、逆風はさらなる勢いを増す。

 身体が引き裂かれんばかりの暴風に曝された直後、俺は確かに目にした。


 『白』の世界はその姿、その景色いろを変え、流れていく───。


 ───常闇の静寂、原初の大海、暁の荒野、蒼穹の青、森羅万象の緑、異形の怪物……人の誕生、終末の『白』。


 =争い→創造=争い→繁栄=争い→崩壊≒争い→平和≠争い→争い→争い→争い→争い…………=蹂躙。


 流れていく歴史。争いの歴史。蹂躙される《世界》。

 流れていく、流れていく、俺の中に、《世界》が流れていく───これ以上はもう…………!!?




 ──────あああああああああああああああああぁぁぁぁぁ──────ッツ!!!!?





 気付けば、俺は『此処』にいて、意味の不明な涙が頬を濡らしている。


 ───在るべき《世界すがた》を取り戻せ。


 しろいしろい世界に巻き戻された俺の頭にその『声』は響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ