表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/352

第339話、デストロイヤー転生、これぞ駆逐艦『娘』、最強伝説だ⁉(その106)

 ──『無限の猿定理』という、『思考実験』がある。




 普通に猿にワープロを打たせても、意味のある文章を作成するのは不可能のはずなのだが、現実的な時間の制約を取っ払って、無限にキーボードを打ち続けることができると仮定したら、あくまでも『偶然に』シェークスピアの戯曲を書き上げることも、可能性の上では十分あり得るという説でございます。


 一つの戯曲という膨大な文章を、一語一句完璧に再現するなんて、普通だったら「そんなこと、できっこないだろう⁉」と言いたくなるところでしょうが、『無限』とは文字通り『無限』なのですから、『まったくのランダムタイピングによって、偶然にシェイクスピアの戯曲を書き上げる』ことも、()()()()絶対に不可能とは言えないのです。




 ──と言うのが、世の『オリコウさん』たちの言い分ですが、あえて言わせてもらいましょう!




「そんなわけ、あるか!!!」、と。




 ……そもそも、前提条件からして、おかしいのですよ、


 何ですか、『時間の制約を取っ払う』って。


 そんな『現実世界における絶対条件的な制約』を取っ払ってしまったんじゃ、文字通り『何でもアリ』になってしまうでしょうが?


 それによって導き出される『結論』に、何の説得性があると言うのです?


 ……まったく、自称『オリコウさん』に限って、頭が悪いのだから。


『思考実験』と『机上の空論』との違いくらい、把握していろって言うんですよ。




 ……とはいえ、


 馬鹿どもによるまったく根拠無しの『確率論』とかでは無く、『猿をシェークスピア』にする方法が、全然あり得ないかと言うと、さに非ず。


 自他共に認める『凡人』である、本作の作者がちょっと考えるだけでも、少なくとも二つはあります。


 極論すれば、問題は『時間』だけなのだから、この点を解決すれば、万事OKなのです。


 ……そもそもですねえ、まったくの確率論的偶然ランダムタイピングだけで、猿がシェークスピアになれるわけが無いのですよ。


 もっとちゃんと、『猿』自身についての、『存在意義』を与えてあげましょうよ?


 例えば、猿自身が本気で、「絶対にシェークスピアの戯曲を創り上げたい!」と、熱望していたとしたら、どうでしょう?


 たったそれだけでも、状況は一変するのです。


 本人にやる気があれば、たとえ有限の時間であろうと、全力で『試行錯誤』に努めると思われ、不可能を可能とすることも、けしてあり得ないと言えないでしょう。


 ──もちろん、いくら本人にやる気があろうが、少々時間が有ろうが、猿がシェークスピアの戯曲をしたためることなぞ、ほぼ不可能かと思われます。


 そこで、まさしく『キーワード』となるのが、『試行錯誤』なのです!


 もしも、『無限の試行錯誤』が可能だとしたら、どんな超難問であろうが、必ず解決することができるでしょう!


 例えば、




 絶対に死ぬ運命にある幼なじみの女の子を、世界線そのものを移動することによって、運命すらも打破して、救うことさえも。


 絶対に死ぬ運命にある魔法少女を、何とか生き延びさせて、『円○の理』を司る女神様にすることさえも。


 何の特殊能力も無く、裸一貫で異世界に来た男子高校生が、心から好きになった女の子を、一国の女王にすることさえも。


 すぐに『雛○沢症候群』とかいった謎の伝染病を発症して、凶暴化する友人たちという、むちゃくちゃ危険な爆弾を抱えながら、いまだ小学生でしか無い身で、自らの死の運命に抗うことさえも。


 超絶ブラコンの妹という、むちゃくちゃ危険な爆弾を抱えながら、転校先のど田舎の美少女たちを、オールコンプーリトすることさえも。




 ──けして、不可能では無くなるのです!




 それでは、『無限の試行錯誤』が可能となるのは、どのような状況かと言えば、


 すでに前回、答えが出ていましたね?


 ──そう、『ループ』なのでございます!


 事実、上に挙げた例はすべて、超傑作『ループ系アニメ』ばかりですしね。


 ……え、最後のだけは、ちょっと違うんじゃないかって?


 いえいえ、本作の作者の弁では、『ギャルゲこそ、ループというものを、非常にわかりやすく、現実化したもの』、だそうですよ?


 それはともかくとして、『ループ』であれば、それぞれのループの周回の中においては、『現実的な時間』の範疇でありながら、ループ全体では無限の時間を活用できるので、まさしく『無限の試行錯誤』が可能になるというわけなのです。


 特に『猿』自身に、ループの記憶が継承されているとすれば、前回の失敗を糧にしながら、新たな周回で再びトライすることができるので、上記の各『傑作ループ系アニメ』の主人公たち同様に、いつかは不可能を可能とすることさえも、大いに期待できるでしょう。




 ──ただし、『無限の時間』というものがあり得ないのと同様に、『ループ』なぞあり得ないと思われることこそが、最大のネックではありますが。




「「「駄目じゃん⁉」」」




 おや、何かパソコンのディスプレイの向こうから、幻聴が聞こえたような気がしますが、心配ご無用。


 本作の作者におきましては、すでにこれまで、『現実的なループの実現方法』について、ちゃんと明示してきておりますから。




 ……そもそもですねえ、ただループしただけでは、猿がシェークスピアになれたりはしないし、雛○沢村の悲劇を食い止めることはできないのですよ。


 本人がやる気を持って、自ら試行錯誤に取り組まなければ、たとえ無限にループしようが、猿は猿のままだし、ポンコツJS巫女ちゃまはポンコツJS巫女ちゃまのままなのです。(※『ひぐ○しのなく頃に業』第7話参照)


 それに、『無限の時間』を経たり『無限のループ』を繰り返したりしているのに、『ランダムタイピングの内容』や『雛○沢村の状況』といった、『目的』のほうばかりの変化を期待しておいて、どうして『猿』や『ポンコツJS巫女ちゃま』のほうには、まったく変化が無いと決めつけるのですか?


 そんなに永い時間を体験しているのならば、当人にも変化──すなわち、『進化』や『成長』があっても、いいではないですか?


 例えば、




 ただの猿が無限の時間を経ることによって、シェークスピア本人に『進化』して、当然のごとく、シェークスピアならではの戯曲を創作したり、


 ただのJSであった梨○ちゃまが、無限のループの因果に囚われて、『ま○マギ』のま○かちゃんばりに、『奇跡の魔女』である『べるんカス』になってしまったり、




 ──といったことだって、十分あり得るのでは?




 そうなのです、『無限の時間』や『ループ』と言うものを、『並行世界』として考え直せば、すべて解決するのです!




 つまり、この現実世界とは別の、無限の並行世界の中には、『シェークスピアの戯曲を創れる猿』もいるわけで、




 その『猿』こそが、他でも無く、猿から進化した、『シェークスピア』御自身と言うことなのですよ。




 言ったでしょ? 『猿』が作成する文章が、シェークスピアの戯曲へと変化するのなら、猿自身も進化しても、おかしくは無いだろうって?


 それに何よりも、自称『オリコウさん』の馬鹿どもが、あれこれへ理屈をこねるよりも、『シェークスピア自身なんだから、シェークスピア原作の戯曲を創れて当たり前』といった結論のほうが、よほど腑に落ちるでしょう?




 そして実はこれこそは、現在における最大の課題テーマである、『人魚姫の救済』についても、しっかりと当てはまるのです!




 ──なぜなら、無数の『人魚姫の物語』には、それに対応する無数の並行世界が存在することが、現代物理学の根本論理である、量子論の多世界解釈によって保証されており、




 その無数の並行世界の中には、『人魚姫が見事に、王子様の愛を手に入れた』物語セカイも、十分にあり得るのですから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ