第331話、【連載100回突破記念】武蔵×金剛、戦艦娘座談会♡(前編)
金剛姫「──さて、今回は作中作『デストロイヤー転生、これぞ駆逐艦「娘」、最強伝説だ⁉』の連載100回突破を記念して、特別座談会を行います! 司会は私、大日本帝国海軍が誇る高速戦艦『金剛』の擬人化少女、HN『金剛姫』と、同じく帝国海軍きっての最強戦艦『大和』型二番艦『武蔵』の擬人化少女、HN『武蔵野百合庵』さんとの二人で行って参ります!」
武蔵野百合庵「……どうも、『武蔵野百合庵』です」
金剛姫「あらまあ、何だかお元気がありませんこと。もっと(大潮ちゃんみたいに)テンションアゲアゲで、参りましょうYO!」
武蔵野百合庵「──『テンションアゲアゲ』とか『YO!』とかって、実際に言うやつ、初めて見たよ⁉…………いや、こんなところにいきなり連れてこられて、どうテンションを上げろと言うんだ?」
金剛姫「うふふ、読者の皆さん、こんなことおっしゃっておりますが、武蔵さんの本日の装いは、上半身裸にサラシだけを巻いていると言った、例のお馴染みのセクシー路線なんですよ? イラストが無くて、残念ですね♡」
武蔵野百合庵「嘘をつくな! それは件の『艦隊ゲーム』の中限定の話だろうが⁉」
金剛姫「ちなみに私のほうは、紅白の巫女服ファンションですの。金髪碧眼にはミスマッチですわね☆」
武蔵野百合庵「──著作権! おまえ、いい加減にしろよ⁉」
金剛姫「大丈夫デース! 私が『デース』とか『マース』とか言い始めたら、『赤信号』ですけど」
武蔵野百合庵「言っているじゃないか⁉」
金剛姫「──それでは、正直に申しましょう! 武蔵さんたらやたらと粗暴な男言葉を使っていらっしゃいますが、本当に本当の本日の装いは、麦わら帽子に純白のワンピースという、いかにも『夏のお嬢さん』といった感じだったりします! まさしくこれぞ、『ギャップ萌え』の極みですわね♫」
武蔵野百合庵「──なっ⁉」
金剛姫「考えてみれば武蔵さんは、旧大日本帝国きっての大財閥、『滅星重工』(仮称)の秘蔵っ子──すなわち、『箱入り娘』。そのやんごとなきご養育のために、かの『グラバー庭』まで買い与えたほどであり、そんじょそこらの御令嬢とは、格が違いますわ♡」
武蔵野百合庵「お、おいっ! あれはあくまでも高台にあるグラバー庭から、武蔵の建造現場が丸見えだったので、軍事機密の保持の観点からの、やむを得ない仕儀だろうが⁉」
金剛姫「それにしても、意外でしたわね」
武蔵野百合庵「……何がだよ?」
金剛姫「武蔵さんのそのルックスですわ。ストレートの長い髪の毛と白磁の肌に黒曜石の瞳って、それこそ完全無欠な『和風美人』で、イメージとは大違いですわ」
武蔵野百合庵「おまえ、私に、どんなイメージを抱いていたんだ⁉」
金剛姫「そりゃあもちろん、褐色の肌と、色素の薄い髪の毛に、眼鏡の奥の鋭い目つきと言った、いかにも『大戦艦の擬人化少女』って感じかと?」
武蔵野百合庵「それだと著作権的に、完全にアウトだろうが⁉」
金剛姫「そのように和風なところは姉君の大和さんとご一緒ですが、彼女が完全に『ロリキャラ』なのに対して、武蔵さんのほうが見かけ十五、六歳くらいのお年頃なのは、なぜでしょうか? もしかして、あなたのほうがお姉さんとか?」
武蔵野百合庵「『ロリキャラ』って…………いや、普通に大和のほうが姉貴だが? 私たち軍艦擬人化少女にとって、外見年齢なんて、さほど意味は無いだろうが?」
金剛姫「ほうほう、お姉さんのほうが『ロリ』で、妹さんのほうが『お姉さん』に見えるという、これはまた斬新な『おねロリ』ですなあ♡」
武蔵野百合庵「やかましい、年齢のことを言えば、おまえなんて、外見も『BBA』でないと、おかしいんじゃないのか?」
金剛姫「──何だと、てめえ! たかが開戦ギリギリにどうにか進水式にこぎ着けた、小娘風情が、太え口を叩くじゃないか⁉ まさか、私と長門と天龍と神風には、年齢の話は禁句だと言うことを、知らないわけじゃ無いろうな!」
武蔵野百合庵「す、すみません、金剛大先輩! 口が過ぎました!」
金剛姫「『大先輩』は、余計ですわ!」
武蔵野百合庵「……いやもう、さっさと本題に入ろうや? さっきから随分と、字数を無駄にしてからに」
金剛姫「むう、まさか武蔵さんから、このような手痛いしっぺ返しを食らうとは、思ってもいませんでしたわ」
武蔵野百合庵「と言うかさあ、確かに【連載100回突破】を記念しようとする気持ちもわからないでもないが、もうすぐこの作中作自体が終了しようというのに、作品を振り返る趣旨で【座談会】を催すなんて、時宜的にどうなんだ? むしろ全編が終了してからのほうがいいんじゃないのか?」
金剛姫「もしも作品全体を振り返る座談会を催すとしたら、本編終了後において改めて、行うこともあるかも知れませんが、今回はそれとは違って、あくまでも限定的なテーマを扱う予定なのです」
武蔵野百合庵「……限界的なテーマ、とは?」
金剛姫「それはもちろん、私たち『懲罰艦』たる金剛四姉妹と、念願叶って『大戦艦武蔵』となってからの清霜さんとの、『激闘シーン』についてですよ!」
武蔵野百合庵「──!」
金剛姫「これで、栄えある【連載100突破記念】の座談会だと言うのに、司会が主人公コンビである提督さんと清霜さんでは無く、脇役に過ぎない私たち二人である理由が、おわかりになったでしょ?」
武蔵野百合庵「……ああ、まあな。あれはある意味、『私たちの戦い』のようなものでもあったからな」
金剛姫「もっとも、『本物のあなた』がご登場なされたわけでも、ありませんけどね」
武蔵野百合庵「いまだすべてが終了したわけでは無いが、確かにあの戦いは、現時点においても、特筆すべき点が目白押しだよな」
金剛姫「そもそも『駆逐艦清霜が大戦艦武蔵となって暴れ回る』というネタは、作者の別作品である『わたくし、悪役令嬢ですの!』の第338話から第359話までの作中作シリーズである、『わたくし、軍艦擬人化美少女の、真の恐ろしさを痛感いたしましたの』において、すでに(たっぷりと字数をかけて)行っていましたので、『差別化』を図らなければならず、その点も頭の痛いところでした。何せあちらさんのほうが、予想外に『意欲作』となってしまったことで、乗り越える『ハードル』がかなり高いものとなりましたし」
武蔵野百合庵「『巨大艦む○VS魔法少女』とか、反則技もいいところだろう」
金剛姫「こちらとしては初期案の段階では、せいぜい私たち金剛四姉妹が合体して、同じく『大戦艦大和』へと変化して、武蔵さんとがぶり四つでバトルするというアイディアくらいでしたし」
武蔵野百合庵「おいおい、それって単なる、『姉妹ゲンカ』じゃないか?」
金剛姫「はあまあ、作者自身も『インパクト不足』だと自覚していたようで、なかなかプロットがまとまらなかったのですが、そんな折に『天の助け』が舞い降りたのです!」
武蔵野百合庵「へ? 天の助け、って……」
金剛姫「作者の創作意欲をてきめんに刺激するような、奇跡的な出来事が、いくつも続いて起こったのですわ!」
武蔵野百合庵「奇跡が何度も続いたって、そんな馬鹿な⁉」
金剛姫「だって、事実ですもの。──まず最初は、かの超傑作魔法少女アニメ『ま○か☆マギカ』の、全12話一気無料配信でした!」
武蔵野百合庵「『ま○か☆マギカ』って、あんな有名な作品を今更見て、何を刺激されたと言うんだ?」
金剛姫「実は作者自身としては『初見』だったこともあって、特に刺激を受けたのは、『魔法少女になると、魂がソウルジ○ムへと移されて、肉体そのものはゾ○ビ化してしまう』ってところですわ」
武蔵野百合庵「それってむしろ、基本中の基本じゃ無いのか?」
金剛姫「それでも『初見』の作者にとっては新鮮に映り、お陰様で画期的なアイディアが浮かんだのです。──せっかくゾ○ビ化して肉体的には『不死身』になったと言うのなら、魔法少女自身を『兵器』として、自爆攻撃とかに使えばいいじゃないか──と」
武蔵野百合庵「──ッ」
(※後編に続きます)




