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第313話、【長崎原爆忌】戦争をせずに勝てる、たった一つのさえたやり方(前編)

のゲン「──読者の皆様、こんにちは。本編のクライマックスにおいて突然、大日本帝国海軍の誇る大戦艦『武蔵むさし』となってしまった、本作のメインヒロインの『キヨ』でございます!」


異世界提督「……え、まさにその、『クライマックス』真っ最中だったというのに、何でいきなり【座談会】なんて、始めているの?」




のゲン「それはもちろん、本日が75年目の、『長崎原爆忌』だからですよ!」




異世界提督「そ、そうか、今日は8月9日だったな。時間が来たら、ちゃんと黙祷を捧げなければ」


のゲン「それは、日本人として、見上げた心意気ですわ」


異世界提督「──いや、僕は日本人じゃないよ! こうしてHN(ハンドルネーム)にも記してある通り、異世界の召喚術士兼錬金術師だよ! 大体が、異世界を舞台にしている本作と、『長崎原爆忌』とが、一体どんな関係があるって言うのさ⁉」




のゲン「実は、『現在の私』の前世である、戦艦武蔵が建造されたのが、三菱重工長崎造船所だったのですよ」




異世界提督「──ッ。そ、それって……」




のゲン「ええ、武蔵わたし自体は、すでにロールアウトしておりましたが、私の建造に関わってくださった、工員や動員学徒の皆様が、多数被爆なされて、お亡くなりになったり、深刻な後遺症を負われてしまったのです!」




異世界提督「くっ、そうだった、のか……」


のゲン「もちろん武蔵わたしもその時点で、とうに轟沈していたのですが、もしも自慢の46サンチ主砲を、対空砲火として使っていれば、B29の二機や三機、撃墜して見せたのに」


異世界提督「……ああ、長崎には、原爆搭載機の『ボックスカー』の他にも、観測機の『グレート・アーティスト』と、先行機パスファインダーの『エノラ・ゲイ』も、随行していたんだっけ」


のゲン「実はもう一機、写真撮影担当の『ビッグ・スティンク』も用意されていたんですが、日本上空での合流に失敗したとのことです」


異世界提督「……広島の時にも思ったんだけど、護衛の戦闘機もついていないB29に、白昼堂々と本土を爆撃させるなんて、陸軍航空部隊は、一体何をやっていたんだ?」


のゲン「第一目標の小倉上空に差しかかった際には、激しい高射砲の集中砲火と、戦闘機部隊の迎撃を受けそうになって、慌てて空域を離脱したそうですけどね」


異世界提督「──だったら、なぜその時、撃墜しなかったんだ⁉」




のゲン「超高高度爆撃機であるB29に、高度1万メートル以上の高空に逃げられたら、当時エンジン技術が劣っていた日本機では、追いつくことができなかったのですよ。しかも航空機燃料も底をついている状況では、何千キロと航行できるB29に、追尾し続けることさえも不可能でしたからね」




異世界提督「……つまり、戦争末期においては、本土上空においても、アメリカ軍の為すがままだったってわけかよ」


のゲン「それでも、一応爆撃機を追い払うことができて、一安心していたところに、まさか目標を長崎市に変えて、先の広島市同様に、新型爆弾である原爆を投下するとは、夢にも思わなかったんでしょうね」


異世界提督「……まあ、絶対に失敗を許されない、文字通りの『必勝兵器』だからな。本来なら、小倉における投下が失敗した段階で、作戦そのものを終了したものと見なしても無理は無いわな」


のゲン「実際アメリカ側も、残存燃料が尽きかけたこともあって、原爆を太平洋に投棄することも考慮したものの、最終的には長崎に投下することを決定し、出発地のテニアンでは無く、すでに占領済みの沖縄に帰投することにしたわけなのです」


異世界提督「……いろいろな条件が重なった結果、結局長崎に投下されたってことか。これじゃ犠牲者の皆様も、浮かばれないよな」


のゲン「しかも事もあろうに投下地点が、キリスト教徒の聖地である、浦上天主堂のほとんど真上であり、更には長崎には大規模な連合軍兵士の捕虜収容所があったので、アメ公のやつらは、まさしく宗教的にも人種的にも『同胞』たちを、大量殺戮したって次第なのですよ。さすがは当時、大統領を始めとして、政府ホワイトハウスアジア対策セクションが、コミュニズムで真っ赤に染まっていたことだけありますわね!」


異世界提督「……キリスト教徒を始めとして、何万人も一度に虐殺するなんて、ナチス以上のホロコーストぶりじゃないか⁉」


のゲン「歴代のローマ法王聖下が、御来日の折必ずと言っていいほど、長崎を訪れて原爆の被害者への哀悼のお言葉を述べられるのは、何よりも全世界のカトリック信者のトップでもあられるからなのですわ」


異世界提督「キリスト教の教会を、平気で燃やし尽くすことができるとは、さすがに『信仰の敵』の『コミー』だよな」


のゲン「アメリカの大統領のくせに、『ニューディール政策』などと言う、共産主義そのものの手法を断行した時点で、おかしいと思ったのですよ。……やはり『コミー』こそは、人類の敵なのです! 今すぐにでも、この地上から滅ぼし尽くさなければ……ッ」




異世界提督「戦後、いきなり中国に赤化革命が起こって、朝鮮で北のコミー軍が侵略戦争を起こして、さすがにおかしいと思ったトルーマンが調査させたら、アジア太平洋局を始めとする政府ホワイトハウス内を始め、産業界、マスコミ、教育界、労働組合、果ては映画産業と、合衆国のほとんどすべての組織に、コミー分子どもが蔓延っているといった始末。これでは中国や朝鮮半島等の、東アジアの情報が正確に首脳部に届くはずが無く、すべてが後手後手に回り、完全にコミーどもにしてやられて、本来アメリカ資本に支配されるはずだった、中国大陸や朝鮮半島の大部分を、旧ソビエトや中共等のコミー陣営に奪われたってわけか」




のゲン「そりゃあ、そうでしょう。戦前東アジアにおいて、欧米諸国と共に世界の統治を担うことのできる資本主義側の列強は、大日本帝国しかいなかったというのに、むざむざ自分たちの手で潰してしまって、コミー陣営に『漁夫の利』を与えたのですからね」


異世界提督「……そのとどめが、長崎と広島への『原爆投下』か」


のゲン「そのくせ今頃になって、中共や北朝鮮や韓国の本性を思い知って、東アジアにおける日本のリーダーシップの重要性に気づくなんて、手遅れにも程があるってもんですよ」


異世界提督「日本としても、今更『魑魅魍魎』の巣窟となっている、東アジアの統治を任されても、困るだけだしな。まあ、『こちとら平和憲法と専守防衛のもと、高みの見物をさせてもらいますか』って、ところだろう」




のゲン「ふふふ、全世界でも十位以内に数えられる、練度の高い兵力を『防衛に全振り』している、独立した島国を攻めようなんて国は、よほどのバカが指導者で無い限り、あり得るはずはございませんしね」




異世界提督「……まさに、どこかのシモ半島国家が、なんかヤバそうだけどね」




のゲン「その場合も、向こうが痛い目を見るだけですよ。──かつての『バトル・オブ・ブリテン』の、ドイツ軍みたいにね。現在どこの国が、『日本海』の制海権&制空権を握っているのか、少しは考えてから、大口叩きやがれって感じですよ。てめえらが軍港を船出した途端、火だるまにして差し上げますよw」




(※以下後編に続く)

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