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第228話、デストロイヤー転生、これぞ駆逐艦『娘』、最強伝説だ⁉(その21)

「──先ほど魔王さんが『全次元消去オールキャンセル』を使われた際、確かに私は一度、消滅してしまったでしょう?」


「あれこそは、私が再三申している、『神の御業』──すなわち、私のようなショゴスならではの、『対象を構成するすべての量子の情報の書き換え』なのですよ」


「つまり私はあの時、『全次元消去オールキャンセル』によって、肉体を構成する量子をすべて、『形なき波』の状態に書き換えられたために、()()()消滅してしまったのです」


「──ほら、ここまでお聞きになっただけで、まさしく『神スキル』と言っても過言で無いくらい、突拍子もない必殺技でしょう?」


「おそらくは魔王さんは、『変身能力』や『ほぼ完璧なる不老不死能力』等の、ご自分の量子情報を書き換えるスキルのほうはお持ちではなく、『他者を強制的に集合的無意識にアクセスさせて、身体を構成する量子をすべて形なき波の状態にする』能力に、特化されておられるのでしょう」


「それはそれですごいスキルなのですが、だからこそご自分の力を、『全次元において、狙った相手を、完全に消去できる』と、()()()()しまわれたのです」


「それと言うのも、これは別に『完全なる消滅』なぞでは無く、実際に私がやって見せたように、魔王さんと同等(以上)の力を使うことによって、『形なき波』となってしまった量子を、元通りの身体構成となるように、再び『形ある粒子』の状態に書き換えることさえできれば、十分復活可能なのです」


「とはいえ、自分自身が『形なき波』状態になってしまいながら、集合的無意識にアクセスして、自分自身の量子情報を書き換えることなんて、本来ならできっこないでしょう。私自身は『軍艦擬人化少女』という至極特殊なる存在だから、反則技的に為し得たことについては、すでに述べた通りですが、これはあくまでも例外中の例外なのです」


「もし、可能であるとすれば、先ほど提督アドミラルご自身も試みられたように、元々現代日本からの転生物である私を、もう一度この世界へと召喚させるといった、これまた反則技的方法が考えられます」


「例えば、前回召喚した時点よりも前の現代日本から召喚すると言った、アクロバッティングなやり方なぞが考えられましょう」


「一応これは、毎度お馴染みの『タイムパラドックス』等々の問題を解決しなければならなくなりますが、『集合的無意識とのアクセス』方式であれば、十分クリアできます」


「詳しくは、本作『なろうの女神が支配する』第108話からの作中作シリーズ、『魔王と勇者のロンド』(全4話)をご覧ください(ダイマ)」


「逆に言えば、『集合的無意識との自由自在なアクセス能力』といった、ある意味『神様』レベルの力を有しないと不可能なわけで、普通レベルの召喚術士では再召喚の成功率はかなり低く、おそらく魔王さんの『全次元消去オールキャンセル』に対して、一度消滅させられた対象を復活させた例は、これまで皆無であったと思われます」


「これだと一見、召喚術の対象となる『あらゆる異世界』から、対象が消滅してしまったかのようにも思えますので、魔王さんがご自分のスキルを『対象を全次元から消し去るスキル』と思い込まれたのも、ある意味仕方ないことではないでしょうか」


「すなわち、自分は集合的無意識という、情報体そのものの『記述』を、書き換えてしまったのだと」


「しかし残念ながら、量子論や集合的無意識論に則れば、いかなるスキルもその世界の中でしか影響を及ぼすことはできず、仮にどのような力を有していようが、現代日本に存在している駆逐艦としての清霜わたしの『概念』を消し去ることなぞ、断じて不可能なのです」


「──ていうかそもそも、集合的無意識とは、ありとあらゆる世界のありとあらゆる時代のありとあらゆる存在の『記憶と知識』が、最初から全部揃っていて、未来永劫増えもしなければ減りもせず、当然のごとく何者であろうと変更を加えることはできないのです」


「なぜなら、誰かが変更しようとした『情報キオクトチシキ』も、()()()()()()()()()()のですから、変更を加える意味が無いのです」


「よって、魔王さんはあくまでも、この世界内において一時的に、私の肉体を構成する量子を『形なき波』の状態にしただけで、けして『全次元で存在そのものを消し去った』わけでは無いのです」


「……え? だったら、この世界においては間違いなく、完全に『形なき波の状態』となってしまった私が、どうして元の状態に復活することができたかですって?」




「──もう、提督アドミラルったら、すでに申したではありませんか? すべては私と提督との、『絆』のお陰ですと♡」




「うふふふ、これについては、次回において微に入り細に入り徹底的に、ご説明することといたしましょう」

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