第204話、【クリスマス特別編】何と勇者として召喚されたのが、軍艦擬人化美少女だったりして⁉
おねショタ令嬢「今回は、【クリスマス&連載200回突破記念】として、特別編を開催いたしますので、これまでの本編を振り返って、何かご疑問の点がございましたら、どしどしご質問なさってください!」
ホモマゾ竜王「……あの」
おねショタ令嬢「何でしょう、『ホモマゾ竜王』さん?」
ホモマゾ竜王「うん、このHNについても、言いたいことが山ほどあるんだが、それはおいといて、前から疑問に思ってたんだけど、君たちは前世の異世界における龍王城攻略の際に、当時の私の最高幹部たちをどうやって倒したのかね? 彼らは彼らで、そうも易々と人間の勇者パーティなんぞに後れを取ることなぞあり得ない、それなりの実力者揃いだったはずだぞ?」
おねショタ令嬢「それに関しては、ほぼすべて、アユミちゃんのお陰です」
ホモマゾ竜王「アユミちゃんの? 勇者である小太ではなくて?」
おねショタ令嬢「もちろんヒットシー王子も、リーダーとして大活躍なされましたけど、四天王等の大幹部をことごとく無力化させた──と言うかズバリ、自ら降伏を言い出させたのは、何よりもアユミちゃんの功績でした」
ホモマゾ竜王「はあ? 龍王軍最強にして、誰よりもプライドの高い四天王が、自ら勇者パーティに降ったって⁉」
おねショタ令嬢「そこら辺については、回想シーンにて、詳しく見てまいりましょう」
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「……くくく、たかが人間ごときが、龍王城の最深部までたどり着いたことは誉めてやろう。──しかし、お前たちの運命もこれまでだ。この龍王四天王が一人、絶対防御のマジノ様にかかれば、どんな攻撃も無効化されるのだからな!」
「──くっ、確かに、まさか僕の聖剣の聖なる力が、まったく通用しないなんて!」
「時系列的にアレだけど、聖なる聖剣どころか、大妖怪の九尾の狐の力を秘めている、魔剣の類いのくせに」
「うるさいよ、オードリー、そんなこと言っている場合じゃないだろう⁉」
「私が、どうにかしましょう」
「うおっ、いつかは言ってみたい、宮○アニメのベストワードを、いともあっさりと⁉」
「……シスターさんも、黙っていてくれないかなあ? ──それで、マリオン、どうするつもりなの? あの女魔族の『マジカルシールド』とやらの、絶対的な防御力を見せつけられた今となっては、たとえ聖レーン転生教団が極秘に開発に成功した、龍王や魔王等のラスボス退治に特化した、究極の人造人間である君とはいえ、通常の手段では、敵いっこないと思うんだけど?」
「通常の手段で駄目であれば、『反則技』を使うまでです」
「は、反則技って?」
「──最近『あちらの世界』で大流行りの、軍艦擬人化美少女になるのです」
「は?……………………って、またそれかよ⁉ しかも自分で、『美少女』とか言っているし!」
「(無視)集合定期無意識との、緊急アクセスを申請します。インストールデータは、旧大日本帝国海軍特型2型駆逐艦『綾波』──すなわち、『ソロモンの鬼神』の艦歴を!」
「き、鬼神って⁉」
「ま、まさか、『3人目の綾波』に、なるつもりなんか⁉」
「はいはい、アニオタシスターさんは、黙っていてくださらない?」
「3人目じゃ、どこかのアニメの綾波が無かったことになるじゃん⁉ これもクリスマスイヴの生放送にて、『び○く』のアニメ化が突然発表されたせい?」
「「いや、王子までボケずに、ちゃんと突っ込んでくださいよ⁉」」
「……この『性なる六時間』の真っ最中に、『突っ込んでください』などとは、大国の公爵令嬢とシスターともあろう者が、はしたない」
「「「龍王四天王のあんたまで、いきなりボケに参加するんじゃないよ⁉」」」
敵味方入り乱れての阿呆どもが、馬鹿げたことを言っている間にも、マリオンの不定形暗黒生物『ショゴス』によって構成されている肉体においては、劇的な変化が現れ始めていた。
「……主砲、50口径127ミリ砲、発射準備!」
みるみるうちに、軍艦の砲身そのままにメタモルフォーゼしていく、人造人間の右腕。
「──ちょっ、何だ、それは⁉ いかん、マジカルシールド、展開!」
「主砲、発射!」
「──ひぐぇっ⁉」
どうにか絶大なる魔導力による障壁により、砲弾自体は弾き返したものの、勢いまでは殺すことはできず、そのまま吹っ飛び、全面石造りの龍王城の廊下の壁面に、しこたま叩きつけられる四天王さん。
「な、何だ、今のは⁉」
「え、ただの、駆逐艦の主砲ですけど?」
「──何? 駆逐艦て、何のことなの⁉」
「ええと、私もあまり、存じ上げないのですが…………集合的無意識とアクセス、必要データ、インストール完了。ああ、あちらの世界の軍艦の一種で、敵国においては『デストロイヤー』──すなわち、『破壊屋』と呼ばれている艦種です」
「何その、物騒な名前⁉」
『艦む○』では、幼くて可愛い子ばかりなのにねえw
「これでも、むしろ下位の軍艦なのですよ?」
「それのどこが、下位だよ⁉」
「問答無用! ──主砲、発射! 発射! 発射! 発射! 発射!」
「──やめてやめてやめてやめて、もうやめてええええええ!!!」
「やめても構いませんけど、降伏してくださいます?」
「するするする、いますぐ、降伏させていただきます!」
「うわっ、この四天王、あっさりと降参しやがった⁉」
「一応マジカル何ちゃらで、マリオンさんの攻撃を防げているのだから、もう少し粘ればよろしいのに……」
「根性無いなあ? 魔法が物理に負けてどないするんや! 同じく魔法を武器にする者として、恥ずかしいわ!」
「──外野どもが、やかましい! たとえ防げていても、至近距離からあんなごっつい砲撃受けたら、むちゃくちゃ怖いのよ⁉ 精神的に耐えきれるものですか! そもそもその軍艦擬人化とかって、陸上の特にこんな屋内における、対人戦で使うようなものじゃ無いんでしょうが⁉」
「ナンセンス、敵を叩き潰すのに、その物語のシチュエーションに合わせて、『出し惜しみ』するほうが、どう考えてもおかしいと思う」
「「「「うっ⁉」」」」
とんでもない、『ド正論』が、飛び出しやがった!
……また、この作者ときたら、古今東西のすべての異能バトル作品の存在意義を、一気にぶっ壊そうとでもしているんじゃないのか?
「……前から思っていたのです、異世界などといった異常極まりない場所において、自衛隊なんかのごく平凡な兵力を使うくらいなら、あえて陸戦にて最新鋭の軍艦の主砲をぶっ放せば、一気に勝負がつくではありませんか? なぜWeb作家の皆様は、軍艦を異世界転移させて、陸戦で闘わせようとしないのですか?」
「だからそのように、他のミリタリィ系Web作家の皆様が、全員『考え足らず』であるかのように、言わないでちょうだい! ──ほ、ほら、『列車砲』なんか、登場させている作家さんも、いることだし」
「鉄道用のレールの上でしか使用できない列車砲なんて、使い勝手が非常に悪いではありませんか?」
「ぐ、軍艦の砲門レベルの主砲を備えた、『ラーテ』とかを登場させている作品も、あるかも知れないじゃない?」
「ラーテなんて妄想的超重量戦車なんて、ほとんど身動きを取ることができないので、航空兵力からすれば、単なる『的』でしょうが?」
「それってまさに、『おまゆう』じゃん! だったらそもそも軍艦が、陸上で動き回ったりできないだろうが⁉」
「──だからそのためにこそ、私たち『軍艦擬人化美少女』が、いるのではないですか?」
「「「「あ」」」」
「小柄な少女の肉体に、軍艦そのものの攻撃力と防御力とを有する、軍艦擬人化美少女は、さながら『歩く要塞』であり、海戦にて集団戦で使用するよりも、むしろ陸戦において単独で行動させたほうが、『対人』はもとより『対戦車』等に至るまで、すべての陸上兵器に対して、圧倒的に優位性を誇り、陸戦における最大の天敵たる航空兵器に対しても、サイズが小さいので身を隠しやすく、そもそも外見上はただの女の子だから、標的として認識されにくく、それでいて己のほうは対空機銃でいつでも撃墜可能という、文字通りに無敵の存在と言えるでしょう」
「「「「本当だ、どうしてこれまでのゲームは、軍艦擬人化美少女たちを、海上の集団戦なんかで、無駄に使っていたのだろう⁉」」」」
──まさに今、ゲーム界における一大ムーブメントに対して、致命的な欠陥が明らかにされたのであった!
「ゲーム業界なんて、どうでもいいのですよ。真の問題は、特に自衛隊や現代兵器転移を始めとする、ミリタリィ系異世界転移作品のほうなのです。もうそろそろ各Web作家の皆様は、ただ単純に現代兵器を異世界に投入して、物理的に大暴れさせれば無双できるなんて、『考え足らずの妄想』はおやめくださいませんか? 基本的に異世界は、『剣と魔法のファンタジーワールド』なのですよ? 普通に考えれば、『物理』よりも何でもアリの『魔法』のほうが、勝つに決まっているではありませんか? 何をそれぞれの作品において『俺ルール』を勝手にでっち上げて、無理やり現代兵器を無双させているのです。基本的に現代兵器なんて、異世界の魔法の力に敵うわけがないのです。──しかしだからこそ、軍艦擬人化美少女こそが、最強の存在になれるのです! 何せ軍艦擬人化美少女は、ミリタリィ系Web作家の皆様の妄想の具現的な、『物理攻撃』の権化でありながら、更に同時に、『魔法的な存在』でもあるのですから!」
「「「「ええっ、軍艦擬人化美少女が、魔法的存在だってえ⁉」」」」
「そりゃそうでしょう? 見かけ上ただの女の子に、軍艦そのものの力が備わっているのですよ? これが魔法等の超常現象で無かったら、一体何だと言うのです」
「「「「おおおっ! い、言われてみれば!!!」」」」
「実は何と、すべてのミリタリィ系Web作家の皆様はもちろん、大本の軍艦擬人化美少女ゲームの制作者様や、その熱心なプレイヤーの皆様までもが、こんな極当たり前のことにまったく気づかず、『艦○れ』や『アズ○ン』を、単なる『育成型ギャルゲ系艦隊ゲーム』としてのみ楽しんでいるという、目も当てられない体たらくなわけなのですよ。──むしろ、『物理』と『魔法』の両方を、高い次元で兼ね備えている軍艦擬人化美少女こそは、単独で異世界転生させるだけで、剣と魔法のファンタジーワールドにおいても、文字通り『最強の存在』になることができるのです」
※次回からはいよいよ、旧大日本帝国海軍駆逐艦の『清霜』が、幼い女の子に転生して、異世界で大活躍する新シリーズが始まるので、どうぞよろしくお願いいたします。
(今回はあえてそのプロトタイプを作成して、本格的な連載開始を前にして、慎重を期することにいたしました)




