第198話、将棋ラノベで、ロリときたら、次はおねショタかヤンデレだよね♡(その57)
ちょい悪巫女姫「──いやあ、すごかったですねえ、前回までの、『T−34』と落書きされたシロクマによる復讐物語! まさか異世界転生に、あんな活用の仕方があろうとは。さすがは、ドイツの科学は世界一いいいいいいいいい!(『搾○病棟』並み)ですねえ♡ そうは思いません? 日本将棋連盟奨励会三段の現役DSであられる、金大中小太さん」
ショタ王子「えっ、この【座談会】、まだ続けるんですか、我が国でも一二を争う名家のお嬢様JKにして、『過去詠みの巫女姫』でもあられる、明石月詠さん⁉」
ちょい悪巫女姫「あはは、何せ【特番】を三つも挟んでしまったことですし、いきなり本編を再開するのも何ですので、ここは無難にワンクッション置こうかと思いまして……」
ショタ王子「出たよ、『ワンクッション』! いやむしろ、こうして【特番】ばかり連発していたら、どんどんと本編に戻りづらくなるんじゃありませんか⁉」
ちょい悪巫女姫「その点は、大丈夫です! 実は今回は、本編のおさらいのようなものですから」
ショタ王子「おさらい、ですって?」
ちょい悪巫女姫「ほら、本編の最新話の第194話でも述べましたけど、本作の作者独特の持論である、『世界と言うものは、現在目の前にある現実世界ただ一つしか存在し得ない』について、ちゃんと論理的かつ学説的に、説明しておこうかと思いましてね」
ショタ王子「……ああ、いかにも当たり前のことを言っているだけのようだけど、これが絶対的に正しいとなると、作者自身の作品も含めた『異世界転生系Web小説』の全否定となってしまいかねないので、その辺の兼ね合いはどうなっているのか、きちんと知りたいところではありますね」
ちょい悪巫女姫「もちろん第194話においても、一応は説明を加えているのですけど、確かに『夢と現実との逆転現象』論は、リアリティ的には完璧な理論かと思いますが、何でもかんでも『夢オチ』的に解決してしまっては、創作者としてどうかと思いますので、ここはあえて現代物理学の中核をなす量子論に則って、学術的考察を加えようかと存じます」
ショタ王子「へえ、量子論とは、珍しいですねえ。最近の作者ときたら、『何はともあれ、集合的無意識と言っておけば、オールOK☆』って、感じだったのに」
ちょい悪巫女姫「本作は一応キャッチフレーズにおいても、『量子論と集合的無意識論によって、これまでの異世界転生作品の常識をすべて根底から覆す、革新的超問題作』と謳っておりますので、あまり集合的無意識にばかり偏重するのもアレですので、むしろ今回の『量子論age』は、いい機会かと思いますが?」
ショタ王子「……『age』てw 何で旧家のお嬢様が、いきなしネットスラングとか、使ったしwww」
ちょい悪巫女姫「いや、元王子様であるあなたのほうこそ、ネットスラングというか、現役JK的な口調に、なられておりますけど?」
ショタ王子「ま、まあそれはともかくとして、『量子論による学術的考察』というのは、具体的には、どういったことなんでしょうか?」
ちょい悪巫女姫「一言に申せば、量子論ならではの、『観測者理論』ですよ」
ショタ王子「観測者理論って言えば、量子論だとやはり、『シュレディンガーの猫』みたいなやつになるわけですか?」
ちょい悪巫女姫「そうそう、『シュレディンガーの猫』の思考実験を具体的な例として取り上げて、量子論における、コペンハーゲン解釈と多世界解釈との『違い』を中心に、述べていくつもりでございます」
ショタ王子「……またほんと、ガチで学術的になりそうだな、本当に読者の皆様はついてこれるのか? ──いや、待てよ、『多世界解釈』って、まさか⁉」
ちょい悪巫女姫「そうです、まさに、異世界転生系Web小説にとっての、最大の論理基盤そのものなのです」
ショタ王子「──っ」
ちょい悪巫女姫「でもですねえ、多世界解釈って別に、異世界とかパラレルワールド等の、『唯一絶対の現実世界以外の、あくまでも可能性上のみ存在し得る別の世界』──いわゆる、まさにこれぞ量子論で言うところの『多世界』なるものが、『絶対に存在するから、異世界系のWeb作家のみんなも、安心して好き放題作品づくりを行ってくれたまえ!』と言っているわけでは無く、実は同じ量子論における、あまりに抽象的すぎて難解なる『コペンハーゲン解釈』を、具体的に説明し直してわかりやすくしたものでしかないのです」
ショタ王子「えっ、コペンハーゲン解釈を、具体的にわかりやすくしたものですって⁉ …………あ、いや、そもそもコペンハーゲン解釈って、何なのですか?」
ちょい悪巫女姫「確かに、そこから説明しなければ、なりませんよねえ。『多世界解釈』とか聞いたら、何となく『平行世界』的なものがイメージできて、異世界系Web作家の皆様にとっても、結構なじみ深いものでしょうけど、コペンハーゲン解釈のほうは、よほどの『量子論通』でないと、ピンとこないでしょうからねえ。まあ誤解を恐れずにざっくり申しますと、一般の方が想像する『量子論』こそが、コペンハーゲン解釈だと思ってくださって結構です」
ショタ王子「……えっと、それって、コペンハーゲン解釈のほうが、量子論としては、『スタンダード』って、ことですか?」
ちょい悪巫女姫「だって、『抽象的すぎて難解』って、量子論そのものと思いません?」
ショタ王子「──た、確かに!」
ちょい悪巫女姫「この作者って、馬鹿の一つ覚え的に、『この世の森羅万象を構成する物理量の最小単位である量子は、「形なき波」と「形ある粒子」という相反する性質を同時に有するので、文字通りの微細世界であるミクロレベルにおいて、「形なき波」の状態の際には、現実世界であるマクロレベルにおける自分自身である、「形ある粒子」となった際の、形態と位置の可能性が無限に重なり合った状態──いわゆる量子ならではの「重ね合わせ」状態にあり、この万物の基礎である量子にとっての「未来の無限の可能性の集合体」こそが、ユング心理学で言うところの、あらゆる世界のあらゆる時代のあらゆる存在の叡知の結晶である、「集合的無意識」そのものなのであり、かの人類の希望たる「量子コンピュータ」の作動原理でもあるのだ』とか何とか言っているけど、結局量子とは一体何なのか、何で波でもあり粒子でもあったら、可能性が無限に重なり合っていて、集合的無意識とか量子コンピュータとかと結びつくのか、あまりにも抽象的過ぎて、ちゃんと理解して完全に納得することができないとは、思いません?」
ショタ王子「……あ、うん、正直申せば、そんなふうに思わなくも無かったんだけど、作者のやつがいかにも自信満々に言うものだから、ここは突っ込んではいけないんじゃないかと思って、スルーしていたんですよ」
ちょい悪巫女姫「まあ、思いやり深いお方ですこと。おそらく読者の皆様の大半も、『量子論』とかもっともらしいことを持ち出されたために、『何を言っているのかよくわからないけど、そのようにちゃんとした学説に基づいているのなら、文句を言うのもためらわれるよな』てな感じで、流されていたものと思いますわ」
ショタ王子「……つまり、実はこの世界は、『優しさ』で、できていたと?」
ちょい悪巫女姫「例えば、さっきも名前が挙がった『シュレディンガーの猫』の思考実験で言うと、一般的な量子論であるコペンハーゲン解釈においては、『箱の中に猫と毒ガス発生装置とを入れて密閉した場合、猫が毒ガスで死んだかどうかは実際に観測するまではわからないから、量子論においては箱の中には、「生きた猫」と「死んだ猫」とが重なり合って存在していて、箱を開けて誰かが観測して始めて、猫が生きていたらその事実が確定されて、「死んだ猫」は最初からいなかったものとなる』とするのですけど、何ですか、生きた猫と死んだ猫が重なり合って存在しているって、どんな怪奇現象なのですか? それに、誰かが観測して始めて、猫の生死が確定するって、何をボケたことを言っているのですか? 誰が観測しようがしまいが、猫の生死は猫が死んでしまったその時点で確定するに決まっているでしょうが? そもそも『観測者』って、誰を指すのですか? 誰か一人でもいいのですか? それとも世界中の存在が観測しないと、生死は確定しないのですか? ……どうしてこのような、『難癖』みたいなことを申しているかと言うと、誰か一人でも観測すればいいことになると、閉じ込められた猫自身が観測していればいいことになるし、『いやいや密閉された空間の外側にいる、客観的な存在が観測しなければならないのだ』とか言い張るのなら、この実験が行われている部屋の外の人物が観測するまでは、猫の生死が決定しないことになり、これを延々と繰り返すと、やはり全人類が観測しないと、猫の生死が確定しないことになるのですが、お偉い量子力学の先生方は、それでよろしいのですかあwww」
ショタ王子「──ほんとにただの、『難癖』じゃん⁉ それに、台詞が長い!」
※字数がかなりオーバーしてしまいましたので、以下については次話に続きます。




