第174話、将棋ラノベで、ロリときたら、次はおねショタかヤンデレだよね♡(その39)
──さあ、ここまで来れば、そろそろうちの『一人蘊蓄解説コーナー』も、大詰めやでえ!
……つうことで、ここでもう一度、このコーナーで最終的に導き出すべき、『テーマ』というものを再確認しておこうか?
一つは、……まあこれは、ほんまのテーマの解説の途中で派生的に生まれた、『オマケ』みたいなものやが、実は『いかにもテンプレな「なろう系」作品を作成するほどに、小説家としての成長を促すことになる』という、驚愕の事実の解明であり、
もう一つの(まさにこちらこそが)『真の最重要テーマ』とは、ほんまに現実的かつ理想的な『死に戻り』というものは、『ゲームのセーブシステム』とか『世界そのものの繰り返し』などといった、非現実的な超常現象なぞ必要とはせず、何と人間の脳みそだけで実現できるということや!
──それじゃあ、これからどんどんと、『ラストスパート』をかけていくでえ!
さて、前回までの(中間的)結論として、「まさに機械のように杓子定規なんかでは無い、人間──特に小説家の脳みそによって、過去や未来の世界や異世界が妄想されたからこそ、事実上『現実世界以外のその他の世界』の、『存在可能性』が生じることになったんや!」ということについて、事細かに実証していったわけなんやが、
──ここで、もう一度、『基本中の基本』の大前提に、戻ってみようか?
それは言うまでも無く、普通(特に異世界系の)Web小説に登場するような『超常現象』の類いは、ほぼすべて『集合的無意識』とのアクセスによって、真に現実的かつ理想的に、実現できるちゅうこっちゃ。
本作を始めとして、これまで作者の緒作品の中で何度も何度も述べてきたように、『あくまでも異世界の、本好きの女の子』の例を取り上げるまでもなく、あくまでも異世界人が、あくまでも異世界において、あくまでも異世界にとって何らかの進化を促進するために、(活版印刷技術の発明等の)これまでに無い大それたことを成し遂げようとして、努力して努力して努力した結果たどり着く、『何かを成し遂げようとする真の天才』のみがアクセスすることのできる、『(エジソン等の言うところの)閃きの境地』たる、集合的無意識とのアクセスを果たし、そこに存在している(同じく『本マニア』の)『現代日本人の記憶と知識』を己の脳みそにインストールすることによって、現代日本の最先端の科学技術の知識を我が物として(こうして『事実上の異世界転生』を実現することによって)、ついに己の長年を夢を叶えるとともに、異世界そのものの発展に多大なる寄与をすることになったんや。
──そしてもちろん、本作の最大のテーマである、『死に戻り』についても、集合的無意識とのアクセスによって実現できるということこそが、最終的結論になるわけや!
……いや、ちょっと待ちいや。
ここで、最終的結論を、いきなり暴露してしまうのも、すごい暴論やけど、それはともかくとして。
ついさっき、真に理想的な『死に戻り』は、人間の脳みそ一つで実現することができると言ったばかりなのに、今度は『集合的無意識』とのアクセスによってこそ実現できるって。
そんな、阿呆な。
──これじゃまるで、『人間個人の脳みそ=集合的無意識』、みたいやないか?
……あはは、そんなわけ、あるか。
集合的無意識と言うたら、ありとあらゆる世界のありとあらゆる時代のありとあらゆる人間(その他)の『記憶と知識』が集まってきとる、提唱者であるユング大先生の言うところの、『超自我的領域』なんやで? たかが一個人のちっぽけな脳みそごときが、比べものになるもんかい!
──そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。(作者談)
……まあ、前回までの解説をお読みいただいた方には、ご理解いただけるかと思うけど、実は量子コンピュータ以上のフレキシブルな思考を実現することのできる人間の脳みそは、集合的無意識と同等か、下手したらそれ以上の、『まったく新しい世界(=情報や知識の集合体)』を生み出す能力を持っていると言っても、過言では無いのや!
普通やったら、人間の脳みそなんか、古今東西の知識の宝庫のインターネットの、未来の情報をも有する『完璧版』である、集合的無意識と比べれば、収容されている知識量なんか全然足りず、適宜集合的無意識とアクセスさせて、せっせと情報を供給してやる必要があると思われがちやけど、実はこれは根本的に間違いやったんや。
何と脳みそには最初から、すべての知識や情報(の素)が揃っていて、後必要になるのは、いわゆる『考え方』という『テンプレ』だけなのであって、むしろ集合無意識は、人間の脳みそに『テンプレ』を授けることこそに、存在意義があるんや!
わかりやすく将棋にたとえると、現行の超高性能コンピュータに、過去の名勝負の棋譜をほぼすべて入力することによって、人工的に『無敵の最強棋士(中二並み)』を仕立て上げて、イキっているIT系の大企業が、良く話題になっているけど、これは根本的に誤りなのであって、もしも人間並みの思考計算能力を有している量子コンピュータが存在していたら、『駒の動かし方』等の基本中の基本のみを覚えさせておけば、後は将棋界で言うところの『テンプレ』である、代表的な『定跡』をほぼすべて入力するだけで、それから先は量子コンピュータ自身が自己学習を重ねて、(最強(w)かどうかは別にして)真に人間同等のフレキシブルな思考能力を有する、(本作で言えば『アユミちゃん』そのままの)『AI棋士』を生み出すことができるんや。
──なぜなら、人間の脳みそも、量子コンピュータも、『単なる情報』だけやったら、自前でいくらでも調達することができるからなんや。
しかし、『テンプレ』となると、そういうわけにはいかん。
特に、『将棋のテンプレ』や『異世界転生系のWeb小説のテンプレ』とかいった、『専門的なテンプレ』となると、たとえ東大卒の知識量を有しておっても、一朝一夕にマスターするのは無理な話やろう。
よって、まさしくエジソンの言うところの『閃き』そのものである、集合的無意識は、『知識の宝庫』と言うよりもむしろ、『テンプレの宝庫』とでも言うべきなんや。
実は人間の脳みそなんて、容量的に個人差はほとんど無いのであって、知識量の差なんぞ、たかが知れとる。『世紀の大発明』を成し遂げるために必要なのは、知識や情報なんかよりも、いわゆる『裏技』や『豆知識』等の、真にためになる『テンプレ』のほうなんや!
これはまさに、あらゆるジャンルの無数の小説が存在している、『小説家になろう』のような小説創作サイトも同様で、それこそ『小説界における集合的無意識』とも呼び得て、(特に『なろう系』と呼ばれる異世界系の)小説に関する『テンプレ』をすべて内包していると言っても、けして過言では無いやろう。
そう、すべての『明日の小説家』たちは、『小説家になろう』に触れることによってこそ、小説家になるための『テンプレ』を手にすることができているわけで、『テンプレ』こそは『真の小説家』に至るための唯一の道しるべなのであり、けしてネット上で揶揄されているような、『馬鹿の一つ覚え』や『ステレオタイプ』を意味するものなんかじゃ無いんや!
──なぜなら、小説を創るための知識や情報くらいなら、最初から一個人の脳みその中に、すべて含まれているんやしな。




