第172話、将棋ラノベで、ロリときたら、次はおねショタかヤンデレだよね♡(その37)
……何か、話が随分と飛んでしまったように思われるかも知れんけど、そんなことは無いでえ?
前回冒頭おいて、ラノベやらWeb小説やらに盛んに登場している、『過去や未来の世界』や『異世界』などといった、『その他の世界』は、本来の唯一絶対の現実世界とは、いわゆる『平行世界』同士の関係にあり、未来永劫けして交わることがないので、その存在を実証することは不可能であると述べたけど、実は何と、『唯一のアクセス方法』があるんや。
──まさにそれこそが、量子コンピュータによる『無限の世界のパターンのシミュレーション』であり、『なろう系』Web小説家等の創作者による、『無限の異世界の妄想力』なのだ!
言うなれば、たとえ永遠に交わることが無く、絶対にその存在を確認することのできないはずの、『平行世界』であろうとも、妄想するだけやったら、タダっちゅうことや。
しかも、この蘊蓄解説コーナーですでに述べた通り、Web作家の妄想上の異世界であろうとも、妄想した途端、『存在(可能性)が確定する』のだから、立派に『その他の世界の実在』を証明しているようなものやしな。
……考えてみれば、人間が妄想していない『その他の世界』なんて、存在しないも同然なんだし、Web作家の妄想力こそが、『その他の世界』を生み出していると言っても、過言では無いかもね。
そして更にこれを論理的に──特に量子物理学的に、根拠付けを行っているのが、量子コンピュータなんや!
量子コンピュータならではの、『未来の無限の可能性の予測計算』とは、ある意味近い将来起こり得る出来事のパターンを、無限の『平行世界』という形を与えて、場合分けをしているようなもので、結果的には未来は一つに決定するけど、「可能性的には、まさしく平行世界そのままに、無限の未来のパターンがあり得る」ことを、物理学的に実証しているわけなんや。
……こんなふうに言うと、科学的な量子コンピュータの計算能力と、Web作家等の人間の妄想力とでは、(計算能力のレベル的にも)まるっきし別物なのではないのかと、思われる方もおるやろうが、言っとくけど、むしろ人間の脳みそのほうが、よっぽど『上等』なんやでえ?
コンピュータとか言うたところで、『計算機』であることに変わりはせんのや、そんな『機械』をいくら人間に近づけようと思ったところで、『論理的な思考』をやらせるのが関の山で、人間(の脳みそ)ならではの、『不条理な思考』なんて基本的に不可能や。
──しかし、現在の人間主体の世の中で、超高性能コンピュータが『不条理な思考』ができなければ、何の役にも立たんやろ。
(『論理的な思考』で十分対応可能な)『気象シミュレーション』くらいならまだがいいが、超高性能コンピュータにとっての最重要計算対象とも言える、『商業や軍事』の分野ともなると、文字通り『魑魅魍魎』の坩堝や。『商売敵』や『敵国』がいつ何時、どんな奇抜かつ姑息な手を使ってくるか、わかったものじゃないし、将棋や碁やチェスみたいに『過去の勝負のデータ』を参照したところであまり意味が無く、結局のところ当然のごとく、コンピュータ自体にも『不条理な思考』の実現が求められることになるんや。
さっきも言うたけど、一見『杓子定規な計算処理』しかできないコンピュータには、『不条理な思考』なんてどだい無理な話かと思われるところやが、それを可能にすると期待されているのが他でもなく、量子コンピュータなんや。
──量子コンピュータの最大の強みは、大昔の『勘違いSF小説』時代から、人類より求められてきた、『たった一つの正解』を導き出すのではなく、『間違った答え』も算出することなんや!
……うん? 「『間違った答え』なんか算出して、何の意味があるかのか? コンピュータならやはり、『正解』を導き出すべきではないのか?」やて?
何を、時代から取り残された、現在のプロのSF小説家みたいなことを言っとるんや、そんなことやと、このIT社会で生きていけへんで!
あのなあ、『カーナビ』って最近のやつは、ほとんど正確に自車の位置を示してくれるけど、昔のやつとか安物とか、結構不正確なものもあるやん、あれって別に最新の高級品が、100%正確な位置情報を算出できる、ごっつう高性能なコンピュータを内蔵しているわけでも無いんやでえ?
たぶんどの製品も──というか、カーナビという商品自体の限界として、位置情報の正確性って、的中率60〜70%あたりが限界ではないんじゃないかと思うんや。(※あくまでも個人的予想です)
──それでなあ、高級品においては、このような『カーナビの限界』というものをきちんと把握していて、位置情報が『外れてしまうこと』を最初から念頭に置いて、自車の位置が外れるごとに修正するように、いろいろと補正処理を施していて、常時100%正確な位置情報になるように取り繕っておると思われるんや。




