裁判の話
台詞のみです。小説的な描写は一切ないです。それでもいいって方はどうぞ。
「ところで私、裁判に興味がありまして」
「裁判ですか。裁判所に行ってみてはどうでしょう」
「佐渡島ですか」
「遠いわ!島流しでもされるのか!?」
「嫌ですねー。このご時世、流石に島流しはされませんよ。で、裁判の話なんですが」
「はいはい。それで?」
「今ここで裁判を始めたいと思います!」
「いやさせないよ!大体、罪人は何処ですか!裁判長も弁護士も検事もいないじゃないですか!」
「罪人と検事ならそこにいるじゃないですか」
「そこに……っていや私は違いますよ!大体罪人と検事で一人二役っておかしいでしょ!」
「やかましい!」
「お前だよ!ええい、もう黙っとれ!」
「ちなみに私は裁判長と弁護士でございます」
「イメージのいい方取ってんじゃない!あと原告がいないこの事実!」
「そんなのどうでもいいじゃありんせんか」
「しばくぞこの裁判長!」
「えー、被告人の罪状を、検事」
「勝手に話進めないでよ!私はやるって言ってないからね」
「罪状、殺人罪、死体遺棄罪、強盗殺人罪、爆発物使用」
「それ全部死刑のやつじゃないの!?あと配役変わってる!」
「細かい事は気にするな。ついでにわめくな罪人が」
「既に有罪扱いされてる!しかも今ついでって言ったろお前!」
「判決!無罪!」
「まだ何もやってない!」
「なんだ、嬉しくないんですか?」
「いや、そうじゃなくて……無罪なのは嬉しいんだけど、こんなの裁判じゃないやいっ!」
「いいえ。私の中では、裁判とは適当に無罪か有罪って言えばいいものなんです」
「真面目な顔して言うな!私気紛れで死刑になるとこだったの!?ていうか、そんなんでよく興味あるとか言えたな!謝れ!法廷の偉い人とかに謝れ!」
「いやあ、お目通りする機会なんてないですしい」
「うっわむかつく!」
「まあそんなわけで、さよーならー」
「締めるなー!!!」