エミちゃんにオリジナルソングを贈り隊
「はぁぁああ〜ああああぁぁ〜はぁぁああん〜はぁぁああん」
「ドウシタンダヨ、トモチャン!タメイキナンカツイテ!」
とある休日、私達はマイハウスにいます。因みにエミちゃんはいません。一応来るように言ったのですが、親戚が来るからという嘘丸出しな方便で断られちゃいました。
「なぁ、森羅さんよ。私達がエミちゃん笑わせ隊を結成してからもう結構経つじゃありませんか」
「うん」
「いや、うん(真顔)ではなくてよぉ!ちったあ情けないとは思わないのかね!エミちゃんを未だにクスリとも笑わせてないんだよ!?その事に対して森羅はどう思ってんの!?」
「ちゃん考えてるよ。この前だってエミを笑わせる方法はないかと考えてたら、お腹減ってきちゃって。何かないかと台所にある棚を探したら賞味期限切れのマシュマロがあって、日付を見たらまだ3日過ぎてただけだったからさ、食べてやろうと思ったがやっぱり不安だから焼いて食べる事にしたの」
「で...?」
「やっぱり焼いても美味しかった!」
「何の話だよ!」
「マシュマロは賞味期限が過ぎても美味しいって話」
「もういいよ!てか、エミちゃんを笑わせる話何処へ行ったんだよ!」
「無論マシュマロを食べた後にちゃんと考えたよ」
「へ…?ちゃんと考えたの…?森羅が?」
「うん」
これは珍しい。いつも便乗するだけの森羅がエミちゃんを笑わせる方法を考えてたなんて驚きだ。腐っても笑わせ隊の一員、何だかんだで森羅もエミちゃんの事を考えてたのなぁ、見直したよ、森羅。
「ど、どうすればエミちゃんは笑ってくれると思うの!?」
「マシュマロパーティーをすればきっとエミも笑顔になるよ!!」
「却下。マシュマロ食べたいだけじゃん。もう一度言う。マシュマロ食べたいだけじゃん。外人の名前風に言う。マシュマロ・タベターイ・ダケ・ジャン」
森羅に少しでも期待した私がバカだった。基本的に森羅は周りへの関心があまりない子だ、そんな子が真剣に人を笑わす方法を考える筈が無かった。だが、勘違いしないであげて欲しい。それは決して森羅が薄情だからではないのです。世の中にはそういう人もいるのでしょう、他人にあまり興味が持てない子そんなマシュマロバカが。
「はぁ...そんな事だろうと思って私が今回も考えて来ただわさよ。名付けてオリジナルソングを作ってエミちゃんを笑わせよう大作戦!」
「おぉ…何か凄そう!友実詳細ブリーフ!」
「二人で曲を作ってエミちゃんに聞かせるんだよ。良い曲作ればエミちゃんきっと喜んで笑顔になってくれると思うんだぁ。なんで、森羅手伝いやがれぃ!」
「OK!……ってあれ?友実は曲作った事あったっけ?」
「ん〜ん、ないよぉ〜」
「そっかぁないのかぁ」
「うん」
「じゃあ、曲作れないしこの話はお終いにしよう」
「そだね〜」
「完」
「…いや、森羅そういうノリはツッコミが上手な人居る時だけやってくれるかな?ガチで一回終わっちゃったじゃ〜ん!」
こういう時にエミちゃんの重要性がよく分かる。森羅と二人きりの時は基本的に私がツッコミ役に回るが(森羅がツッコミない為)私もごくこぐたまにふざけるので、会話がグダグダになる事も珍しくない。なので、私と森羅にはエミちゃんが必要不可欠なのであった。
「ごめん、まさか本当に終わるとは思わなかったよ。今まで生きてきた中で一番ビックリした」
「貴様は今までどんだけビックリ体験してこなかったんじゃい。まぁ良いや、取り敢えず曲作りに取り掛かりまっしょい」
「分かった。手伝う。でも、どうやって曲作るの?友実作った事ないんでしょ?」
「ふん、耳の穴をかっぽじってよく...あ、やっぱり汚いか良いや。森羅よく聞きな!曲なんてもんはなぁ、楽器や機材が無くても魂さえあれば作れんだよ!それがROCKってもんじゃろがい!」
「んー、違うと思う」
「えー、ノリ悪」
「でもでも確かに楽器や機材がなくても曲は作れるか。実際に鼻歌から曲作る人もいるみたいだし」
「みたいだね〜」
「じゃあ、鼻歌から曲を作ってみようぞ」
「分かった。じゃあ私から先に歌うから森羅は後からノッてきて」
「は〜い」
「じゃ、いくよ!フフン〜〜フフン〜フン〜〜フフン〜フフン〜フンフン〜」
「イーヤーサーサー」
「フフン〜フフン〜フンフン〜〜フフン〜」
「アーイーヤ」
「ちょ、ちょっと待って!森羅!ストップ!」
「チョチョチョッチュネ〜」
「待ってって森羅。な、何で沖縄民謡チョイスしたの?しかも最後グーシィさん入ってるし、あれ相槌じゃなくてただの口癖だよ!?」
「分かってるよ。こういうのも良いかなと思って入れてみたんだ。だって、音楽にこれはダメなんて決まりはないでしょ?」
「決まりは無いけど、森羅今回の主旨分かってる...?エミちゃんを喜ばせなきゃいけないんだよ!?グーシィで誰が喜ぶんだよ!!!」
「近所の浅川さん」
「誰だよ!もう良いよ!森羅とはやっていけない。急で申し訳ないけど、森羅…笑わせ隊は本日をもって解散しよう」
「ガーン!ま、まさか笑わせ隊が音楽性の違いで解散になるとは…無念なり…」
残念だが森羅これは譲れないんだ。エミちゃん贈る初めておくる曲にグーシィを入れるなんて事は、ロックに命をたまに捧げてきた私が許すなんて事は出来ない。
「友実分かった。そこまで言うならグーシィは諦めるよ。だから解散は取り消してくれ」
「ふ…森羅ならそう言ってくれると思ったぜ。OK農場、共にエミちゃんを笑わせようぞ」
「友実…ありがとう」
「じゃあ、早速仕切り直しだね。次は詞から作ってみようと思うんだけど、どうかな?」
「うん、良いと思う」
「では、ノートとシャーペンを持って来て…よし、書きます!」
「いっけー!友実!エミへの熱い気持ちをそのノートにぶち込んでやれい!」
「えーエミちゃんへ告ぐ、いつも隣にいてくれてマジ感謝!君が側に……側……くぅ〜ヤバイイイイイイイイ!森羅これめちゃくちゃ恥ずかしいよ!ラブレター書く並に恥ずかしい。いや、書いた事ないけどさ」
ミュージシャンの人はこんな事を平然とやってのけているのか。しかも書いた歌詞を世に放つんだもんなぁ凄いなぁ。心臓のボーボーじゃん。改めてミュージシャンの偉大さがよく分かりました。
「友実大袈裟過ぎるよ。歌詞を書く程度で照れちゃってどうすんの。この後エミの前で歌はないといけないのに」
「うぅ…じゃあ代わりに森羅が書いてよ」
「しょうがないなぁ。エミ、君がいてくれれホゲエエエエエエ!なに書いてんだ...あたし…恥ずかしい…穴があったら入ると見せかけたい気分だよぉ」
「思ってたよりも歌詞を書くのは難しいね。でも、ここは避けては通れぬ道!羞恥心を捨ててエミちゃんへの熱い想いを歌詞にして届けてやるんじゃあああああい!うおおおおおおお!」
「す、凄い…友実が誰かに取り憑かれたの様に白目で歌詞を書いてる…。こりゃもしかしたらとても良い歌詞が仕上がるかも知れない」
「私はミスチル。私はミスチル。私はミスチル。私はミスチル。私はミスチル。私はミスチル。私は…ミスチル。私は…チル。私は…バタンキュー」
「あぁ!友実があまりの恥ずかしさに力尽きてしもうた!でも、友実よく頑張ったよ。後はあたしに任せんしゃい!完璧な歌詞に仕上げちゃる!行くぞおおおおおおおお!」
XXX
「あたしはグレイ。あたしはグレイ。あたしはグレイ。あたしはグレイ。あたしはグレイ。あたしはグレイ。あたしは…レイ。あたしは…バタンキュー」
「ハッ!いけない!歌詞を書いてる途中で気を失ってしまった。早く完成させないと前に進めない…進めなきゃ、無理してでもってあれ?…出来てる…」
「zzz…」
「そっか、森羅がやってくれたんだ。ありがとう森羅」
「どういたしまして…むにゃむにゃ…」
「フフ、起きてるのか寝てるのかどっちなんだよ〜。さて、歌詞は完成したから後は曲だね、とりあえず明日あそこをあたってみるか。よーし、やったるぞ〜!」
XXX
「たのも〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「うわっ!なんだお前ら!」
私と森羅が放課後ダッシュで向かった場所は軽音部が活動している音楽室だった。ここなら曲作りのいろはを教えてくれる人がいるかも知れないと思ったからですぅ〜。
「どうも通りすがりのエミちゃんを笑わせたい者達です」
「いや、どんな通りすがりだよ…てかエミって誰だよ…」
「今日は軽音部の皆さんにお願いがあって来ました」
「お願いって何?ライブブッキングなら他所あたってくれよ。私達のバンドはスケジュールはもうパンパンなんだ」
「お願いはライブブッキングではないです。私達に曲の作り方を教えて欲しいのです」
「はい?何で私達がお前らに曲作りの方法を教えなきゃいけねぇんだよ。私達は忙しいんだ、他所へ行きな」
「そこをなんとか!自分達で曲作りやってみたのですが、全然ダメだったんです!友達を喜ばしたいんです!だから、どうか宜しくお願いします!」
ここで私と森羅は最終奥義の土下寝をかました。これをやられたらお願いされた方は断りきれないだろう。まさに一撃必殺なのだ。
「いや、土下座されても無理だから。もう帰りな」
「そこを何とか!お願いします!」
「莉っちゃんそこまでお願いしてるんだから聞いてあげたら?」
「そうだよ、莉緒。後輩が可哀想だろ」
「莉っちゃん、私達も手伝うから一緒に曲作りしてあげようよ〜」
ヤンキー丸出しの部員の後ろから出て来たのは、ヤンキー部員とは正反対の人達でした。何でこんな人達がこんなヤンキー丸出しの人とバンド組んでんだろう…不思議だ。
「優、零、つむじ…分かった。お前らがそこまで言うなら手伝ってやるか。後輩覚悟しろよ、私は厳しいぞ!真剣にやらなかったらぶっ飛ばすかんな」
「はい!宜しくお願いします!」
XXX
「このマイクの前で何でも良いから歌ってみて」
「チョチョチョッチュネ〜〜」
「ハイ、OK。で、これをこうすれば…」
「す、凄い。チョチョチョッチュネ〜〜が音になってる。これがDTMが成せる技か…科学の力半端ねぇ」
「これがあれば簡単に曲が作れちゃうんだよ」
「簡単な様には見えませんが…」
「ま、まぁ、とにかくこれで歌詞に合わせた曲を作っていきましょう。大丈夫、零ちゃんもいるしきっと良い曲が出来るから!!」
「よろしくな、後輩」
「はい、不束者ものですが末永くよろしくお願いします」
「なんだよお前、プロポーズ受けたのかよ」
「HAHAHAHAHA」
「あっち凄い楽しそう…」
「んだよ、こっちは楽しくないっていうのかよ」
「だって…さっきから反復練習ばっかりで楽しくないです」
歌を贈るならギター弾けた方が良いだろ。そう言った莉先輩は私にギターを渡して来た。なぜ森羅じゃなくて私なのかと聞いたら、なんとなくと言われたので、私もなんとなくやる事にしたが、これが思いのほか難しい。おのれFめ。
「バッキャロイ。楽器の練習は大事なんだよ、しっかりとやんねぇと絶対上手くなんねぇぞ」
「そうだよ、友ちゃん!ギターはね〜。指が痛くなるぐらい練習して、豆が出来るぐらい練習しなくちゃいけないんだよ〜」
「いや、優先輩の指プニプニじゃないですか」
「イヤン、触らないで〜」
「とりあえずCFGCこのコード進行を弾けるようになりな」
「う〜ん、Fが難しいなぁ。抑えるコツとか無いんですか?」
「こうブシーっと押さえるんだよ〜。指をこうブシーっと」
「ブシー!ダメだ、まずブシーがよく分かりませ〜ん」
「え〜嘘〜」
「優衣…ちょっと黙っといてくれます…練習が進まない。えー、コードは慣れだからな、何回か押さえてるうちに、自然と楽に押さえる様になるから」
「本当に…?はぁ練習あるのみという事かぁ…でもエミちゃんの為なら私頑張る!やるぞおおおお!」
「おし、その心意気だ!友実頑張れ!」
「友ちゃん頑張って〜」
いきなり押しかけてきた私を応援してくれている。なんて良い先輩達なんだろう。期待に応えたい。このエミちゃんへ贈る曲は絶対に良い物にしてやる。
「いたっ!…ギターの弦が切れた…不吉だなぁ」
XXX
「よし、準備は整ったな」
「はい、後はエミちゃんがここに来るのを待つだけです」
「この一週間くらいやれるだけの事はやったし、曲も良いのが出来た。なんで、自信を持ってやれば良いからな」
「はい、莉先輩ありがとうございます」
思えばこの一週間とても苦しかった。練習してはティータイム、練習してはティータイムの繰り返し、時々練習しないでティータイムなんて事もありました。おかげで森羅と私はちょっと太りました。ダイエットせねば。
「そのエミって子はちゃんと来てくれるのか?」
「はい、必ず来てくれます。放課後ここに来る様に伝えましたし、彼女は約束を破る子ではありませんから」
まぁエミちゃん全然乗り気では無かったけどね。凄い警戒もしてたけど、私に根負けして来てくれる事は約束してくれました。
「すみませ〜ん」
「噂をすればなんとやらだな、お前ら気合い入れろよ」
「はい!」「はい!」
「あ、すみません、ここに変な二人組は来て来ませんか?私は彼女らにここへ来る様に言われて来たのですが…」
「ああ、あんたがエミって子か。友実と森羅なら中にいるよ、入りな」
「はい、失礼します」
エミちゃんがやって来た。エミちゃんはギターを持っている私と森羅を見てキョトンとした後、不安そうに周りを見渡した。どうやら私達よりも軽音部の人達の方が気になるらしい。
「やあやあエミちゃん、調子はどうだい?」
「あんた達こんな所に呼び出して一体どういう事よ」
「えー、エミちゃん分からないのぉ?こんな分かりやすくヒントを出してあげてるのに〜」
「エミ、勿体ぶらないで答え言っちゃいなよユー」
「まさかあんた達これから歌でも歌うの?私を笑わせる為に?」
「そのまさかだよ〜。エミちゃんの為に一生懸命作ったんだよ〜」
「エミ、苦労の連続でしたよ」
「…私帰るわ」
「えっ!?」
「ごめん、どうせ私を笑わせる為のしょうもない曲なんでしょ?そんなの聞きたくないし、そんな曲を歌う為にこの音楽室を使うなんて迷惑過ぎるよ。軽音部の人達私達のせいで練習出来ないじゃん」
「いや、軽音部の人達にはちゃんと了承を得てるし、作った曲は結構マジなヤツだから、エミちゃん聞いて行ってよ!」
「そうだよ、エミ!今回は悪ふざけではないよ!」
「例えそうでも人に迷惑かけてまで私を笑わせに来るのは良くない。私には迷惑かけても良いけど、他の人たちに迷惑かけるのだけは辞めて欲しい」
「エミちゃん…」
「じゃ教室に戻るから」
「あっ…」
確かにそうだよ。エミちゃんを笑わせる為に軽音部の先輩達を巻き込んでしまった、こんなことで人を巻き込んで良い筈が無かった。他の人よりも周りに気を使うエミちゃんはこういうのを凄く嫌がる。何で幼馴染のくせしてなんでそんな事に気付かなかったんだろう。私幼馴染失格だなぁ。
「ちょっと待ちな!」
「…はい?」
「勝手に迷惑だなんて決めつけないでくれるか?」
「……」
「私達はこいつらが来て迷惑だなんて思っちゃいないよ。まぁ最初はちょっとだけ思ったけどな。でもこいつらと一緒に過ごして楽しかったし、そもそも軽音部は音楽を愛する奴は誰でも歓迎するよ」
「莉先輩…」
「それにな、ど素人が人を喜ばす為に一曲作るなんてそうそう出来る事じゃないよ。後輩ちゃんよ、その努力は認めてやって良いんじゃねぇんか?」
「そうだよ〜。友ちゃんも森ちゃんも練習すっごい頑張ったんだよ〜。友ちゃんなんて手が豆だらけなんだよ〜後で見てあげてね〜」
「森羅ちゃんは納得いくまで何度も何度も曲を作り直していたよ」
「私達がお茶飲んでる間も二人共頑張ってたよな」
「先輩方…」
「だから、ちょっとだけでも良いから聞いてやってくれないか?こいつらが一生懸命作った曲を」
「……分かりました。先輩達がそこまで言うのなら聞きましょう」
「エミちゃんありがとう〜!!!」
「優離れろ…」
「なんでお前が先に抱きつくんだよ」
「へへ…なんかテンション上がっちゃって〜」
「ふぅ…」
なんとか先輩達のお陰でエミちゃんを止まらせることが出来たか。しかも優衣先輩のお陰で場の空気も少し和んだし、先輩達何から何までほんとお世話なってます。これが終わったら絶対に森羅とお礼しに行こう。勿論茶菓子を持ってね。
「では、気を取り直して!エミちゃん聞いてください」
「……はい」
「タイトルは…笑顔を見せて」
XXX
「ヒックヒック」
「エミちゃんどうだった?」
「え…と、とんでもなく下手くそな曲だったわ!歌詞間違えるし、ギターは大事な所でミスするし、あんた達ちゃんと練習したんでしょうね!?」
「したよ〜ミスしてもエミちゃんを泣かせる程にね」
「エミ素直になれ」
「泣いてない!でも、良い曲だったのは認めてあげるわ。よ、よく頑張ったじゃない、褒めてあげる」
エミちゃんはさっきからこっちを見ずに後ろ向きで話している。きっと泣いてる顔を見られたくないのだろう。ほんと意地っ張りなんだから〜。
「じゃ、私はもう行くから」
「あ、エミちゃん!」
「何?」
「来てくれてありがとうね」
「うん…」
そう言うとエミちゃんは振り向きもせずに足早に音楽室から出て行った。最後に振り向いて笑顔の一つでも返してくれるかと少し期待したが、やはりそう上手くはいかなかったか。
「結局エミを笑わす事は出来なかったね」
「う〜ん、まぁ今回は別に良いかな」
「何で?」
「楽しかったから!森羅またやろうね!」
「確かに軽音部の先輩と過ごした日は楽しかった。だが、断るーん!」
「何で!?」
「この音楽に費やした時間のせいでマシュマロタイムが削られたから」
「えー、私と過ごす時間よりもマシュマロ優先にするの〜!?」
「うん」
「森羅最低!もう靴箱に行くまで絶交だ!…でもまぁそれも森羅らしくて良いかぁ〜」
結果は良くなかったけど、新たに好きなモノが増えた。好きな人達も増えた。人生こうやって好きなモンが増えて行くのだろうと思うと、何だか素敵な気持ちになった夕暮れの放課後でした。
エミちゃんを笑わせ隊 対戦成績 0勝8敗