エミちゃんを守り隊
・エミちゃんを守り隊
チミはもしタイムマスィ~ンがあったならいつどこへ行きますか?私は出来れば小学生の時に戻りたいです。
友達が笑わなくなったあの日。後悔してもしきれないあの忌々しい日。あの日を変えれるなら私は何だってする。悪魔にだってなる。道化、いや、ピエロにだってなる。そう思えちゃう程に私はあの日の事を現在も後悔しています。
「なんでとりあえずピエロになってみた」
「なんでやねん」
「いや~エミちゃんへの自責の念にかられて」
「だからなんでやねん。てか、それピエロというかベニーワイズじゃんか」
「うん、ついでにエミちゃんを笑わせようと思って」
「貴様本当に反省しているのか?」
「じゃ、森羅。私はこれからエミちゃんを笑わせる為に、排水溝で待機しに行ってきまする」
「おう、決して捕まるなよ」
エミちゃんはあの日以来笑わなくなりました。笑わなくなった原因は間違いなく私だろう。なら、私が笑わせるしかないじゃないか。それが筋ってもんじゃろがい。
「やあ、エ~ミィ。風船はいるかい?」
「・・・・・・あんたマジでこんな所で何やってんの・・・」
「エ~ミィを笑わせる為にやって来たんだよ~」
「いや、それは痛過ぎて笑えないわ。しかもあんた10mぐらい先から丸見えだったわよ。そのネタやるなら驚かせなきゃダメでしょ」
「ん~良い所なくてね~。排水溝に埋まるしか方法がなかったよ」
「もう良いからさっさと出なさいよ。私まで恥ずかしいじゃない」
「見てあの人達、クスクス」
「ほ、ほらもう出なさい」
「は~い」
エミちゃんはこういう所もある。クールなタイプではあるが、周りに気を使うタイプでもあるのです。
「ねぇ、あれそうじゃないの?」
「あぁ同じクラスの確か名前はエミだったかな?やたら無口な奴で、全然笑わないらしい」
「え~うっそ~。暗過ぎだろそれ~周りにいたら1番シラケる奴だわ」
「それね~はっはっは」
「ねぇ!聞こえてるんだけど!聞こえる様に言ってるの?もしそうなら喧嘩売ってるんだよね?する?喧嘩?」
「ちょ、ちょっと友実!」
「はぁ?何こいつ?」
「ほら、あいつだよ。B組の街村友実。色々ヤバいって噂になってる奴」
「こいつが!?」
「ねぇどうするの?やる?」
「ふ、ふんっ!今日はやらないわよ」
「覚えときなさい!」
「覚えときなさいだと・・・それは私にずっと覚えておいて貰って、いつか一緒になろうと言う事か!?ごめん、ヤンキーちゃん。私にはエミちゃんという心に決めた人が・・・」
「何言ってんのよ」
「あいた!何~エミちゃん。もしかして照れてんの~?」
「照れてない。てか、そんな事はどうでも良いの。あんたあんな喧嘩売る様な事して大丈夫なの?」
「ん~良いよ~それよりもエミちゃんが悪く言われる方が嫌だし」
「友実・・・」
「あっ!エミちゃん照れてる照れてる~。顔赤い~」
「照れてない!・・・でも友実」
「ん?」
「ありがとう」
「ふふ~ん、どう致しまして」
「クッソ~街村め~。絶対に許さん」
「いやだから、街村には手は出さない方が良いって。あいつ昔ヤンキー5人を千年殺しで全員倒したらしいぞ」
「な~に、バレずに嫌がらせをすれば良いのさ、バレずにね」
「そっか。バレなきゃ良いな、グフフグフフフ」
「えっ?エミなら先に出ちゃったわよ。友ちゃん一緒に行く約束してなかったの?」
「あれ?して無いけど・・・何で先に行っちゃったんだろ?」
エミちゃんはいつも決めた時間に家を出ます。だから、私はエミちゃんが出る時間に合わせてここにやって来る事が多い。だけど今日はいない・・・何かあったのだろうか?ちょっと胸騒ぎがします。
「どうやらあの子、友ちゃんに何も伝えずに行っちゃったみたいね~。ゴメンね、友ちゃん」
「ううん、良いの。たまには一人で行くのも良いかなって思ってるし」
「そっか。悪いけど明日も来てあげてちょうだいね」
「うん。それじゃあ、おばちゃん行って来ます!」
「生きて帰ってこいよ」
「アイアイサー!」
「友実~」
「あっ、森羅。グッドモンゴリアンチョップ」
「あぶなっ!仕返しグッドモミモミアタック!モミモミモミモミ」
「いやん」
「で、あれ?友実、エミは今日どうしたの?サボり?とうとう盗んだバイクで走り出した?」
「エミちゃんはそんな事しないよ~。何か多分用事があって先に行っちゃったんだと思うよ」
「そうなんだ。エミが何も言わずに先に行くなんて珍しいね」
「だよね~」
森羅にも何も伝えずか。私はともかく森羅にまで何も言わないってどういう事なんだろう。もしかして遂に笑わせ隊に付き合いきれなくちゃったのかな。
「でさぁ、明智光秀が」
「あっ、いたいた!街村さん、急いで来て!エミが大変なの!」
「あ、貴方は!エミちゃんのクラスメイトでバレー部所属。そして見た目は163cmぐらいで、皆に優しいと評判の皆口さんではないか!」
「誰に説明してんの?って、もうそんな事はどうでも良いから早く来て!」
「う、うん、分かった」
「エミちゃんに何かあったの?」
「何があったかよく分かんないんだけど、C組の佐田さんと山根さんと揉めてる」
「う~ん、知らない二人だなぁ特徴は?」
「二人ともヤンキーっぽい」
「あぁ、あの子らか~」
って事は昨日の件の復讐でもしに来たのかな?でも、何でエミちゃんと揉めてるんだろうか。昨日エミちゃんは何もしてないのにな。やるなら私にでしょうよん。
「こっちこっち、今はあの校舎裏に三人ともいるから」
「了解!所で皆口さん、先生は?」
「エミが面倒ごとが増えそうだから呼ばないでって」
「なるほどエミちゃんらしいね」
「だから何もしてないって言ってんじゃん!」
「あっモブヤンキーの声だ」
「いや、私は見てた。あんた達が友実の机にイタズラしようとしてたの。朝早く来て見張ってた甲斐があったわ」
「だから何だつーんだよぉ!お前には関係ないだろぉ!」
「ある。私が原因であんた達を怒らせたのだから」
「なら、お前が謝罪しろよ」
「それはイヤ。あんた達に謝る筋合いはない」
「あぁん!そもそもお前あんな奴庇う必要あんのかよ!お前も実はあいつの事ウザいとか思ってんじゃねぇの?」
「・・・」
「エミちゃん・・・」
確かにそうだ。エミちゃんが私を庇う必要なんて何処にも無い。日頃からちょっかいかけてばっかりだし、何よりもエミちゃんが笑えなくなったのは私のせいだ。なのに、どうしてエミちゃんは・・・。
「ほんとにね。何かある度に私の元へ来て笑わせに来るし、朝起きたらもうすでにそばにいるし、ウザいったらありゃしない」
「だったら何でなんだよ!!」
「大切な友達が傷つくのを黙って見てられる訳ないじゃない!」
「なっ!」
「友達が何かされそうになったら助ける!そんなの当たり前でしょ!」
「エ、エミちゃ~ん」
「うわっ!友実!?見、見てたの?」
「エミちゃ~ん、私エミちゃん大好きだよぉ!ずっと友達だよぉ!ありがとね~ありがとね~」
「ちょちょ、あんた鼻水が。あぁポケットに着いたぁ」
「フフッ、お前ら何だよ、それ。フフフフッ」
「智美?」
「何じゃ~い!エミちゃんを笑うなんて許さないぞ!」
「いや、違うよ。バカにしてるんじゃない。むしろ尊敬すらしてんだ。友達の為に必死になるお前らにな」
「うん、ウチもちょっと感動したよ」
「二人とも」
「何?」
「ん~?」
「悪かった。机にイタズラしようとして」
「ウチも悪かった」
「いや、全然良いよ~エミちゃん無事だったし。そんな事よりもチミ達もエミちゃんを笑わせ隊に加入しないかい?」
「それは遠慮しとく」
「ウチも」
「じゃ、私達はもう行くわ。エミと街村、笑わせ隊とやらには入らないけど、友達ぐらいならなってやっても良いぞ」
「フッ、遠慮しとくわ」
「じゃあ、私も~」
「クッソ、振られっちゃったか」
「残念。でもヒカルにはウチがいるじゃん」
「だな」
「行ったね」
「うん」
「これにて一件落着!」
「森羅も来てたのね」
「うん、邪魔になりそうだったからすっごい遠くから見てた」
「はぁ・・・しっかし、エミちゃんが何もされ無くて本当に良かったよ」
一発でも叩かれてたらおばちゃんに顔向け出来なくなってた。過去の過ちもあるし、私はエミちゃんを守らないといけないのです。もう二度とエミちゃんを傷つけたくないし。
「エミ、あたしも心配したよ」
「そう。それは悪かったわね」
「エミちゃん今度何かあったら、まずは私に相談して欲しいな。一人で解決しようとしないで。それと」
「・・・努力するわ。後一つは何?」
「ありがとう」
「・・・どう致しまして」
エミちゃんを笑わせ隊 対戦成績 0勝3敗