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エミちゃんに報告し隊


キーンコーンカーンコーン


「あ、もうこんな時間か。よし、じゃあ今日はここで終わり。貴様ら無事に帰れよ。ティーチャーはいつでも貴様らを思っている。アディオス!」


「ハァ・・・」


今日も教師の退屈な話が終わった。他の人ならここで少し気が安らぐであろう。でも私は違う。何故なら私の戦いはここから始まるからだ。


「エミちゃああああああああん!」


「きたッ!」


宿敵が来る!私は腹筋に力を入れ、臨戦態勢に入った。


「エミちゃん見て見て~。掃除がてらにパンスト被ってみた」


何をどうしたら掃除がてらにパンストを被る事があるのか。てか、この子は掃除以降ずっと被っていたのか


「そう。よく似合ってるじゃない」


「えへへ、ありがとう。お礼にエミちゃんにパンストあげる」


「遠慮しとくわ」


このパンストを被りながら話してるアホの子は街村友実まちむらともみ。やたら私に絡んでくる幼なじみだ。


「エミ」


「あ、森羅。今すぐ友実をどっか連れ・・・って何で森羅もパンスト被ってんのよ」


「花粉対策」


「マスク着けなさいよ!」


この子は友沢森羅ともざわしんら。何考えてるのかよく分からない子で、たまに意表を突いてくる要注意人物だ。


「うぬ~・・・パンスト被ってもダメかぁ。私だけならともかく、森羅とのパンスト二段構えはいけると思ったんだけどなぁ」


「まぁ何かして来るのは分かってたからね」


「だからあたしは友実は網タイツの方が良いって言った」


「バッキャロイ!網タイツなんか邪道じゃろがい!森羅は神聖なパンスト被りを何だと思ってんの!?」


「おふざけ」


「せやな」


「HAHAHAHA」


「ふっふっふっ」


「ねぇ、私もう帰って良いかな?」



帰り道。私は一人優雅に帰る事が


「プリンに醤油かけるとウニの味がするんだって」


「なぁにぃ?プリンさんに醤油をかけんじゃねぇ!プリンさんに失礼じゃろがい!」


「友実、それは失礼しました」


「まぁでも、そんなチャレンジャーな奴はアタイ嫌いじゃないゼ。割とライクだゼ」


出来なかった。


「ねぇ、エミちゃんはプリンに醤油をかける派かけない派?」


「そんな事どっちでも良いでしょ」


「もう釣れないなぁ、そんな反応ばっかりだと私浮気しちゃうぞ!」


「それはやだ」


「えっ?ちょっとやだなぁ~笑美ちゃんそんなストレートにぃ~恥ずかしいよぉ~」


顔が真っ赤だ。友実はこういうのに弱いのだ。幼なじみだけあってツボが何処なのか私はよく知っている。


「まぁどうしてもって言うなら、しないでもないけどぉ~友実ちゃんチラリンコ」


「じゃあ、ここでお別れだから。アディオス」


「ちょっとちょっと待ってよ、笑美ちゃん!」


「何?」


「実はここでエミちゃんに一つご報告があったのです。森羅」


「うん」


「実は私達・・・」


「あんたらが何?」


「エミちゃんを笑わさせ隊を結成する事にしました!ドドン!」


森羅が横で紙吹雪を撒いている。わざわざ作って来たのか、この暇人共は。


「ふ~ん、そう」


「リアクション薄っ!二人の乙女が笑美ちゃんを笑わせる為に青春を捧げようとしてるのに、そのリアクション。流石エミちゃんだゼ。それでこそ笑わせ甲斐があるってもんよ」


「勝手にすれば良いわ。私はどんな事があっても絶対に笑わないから!ババン」


「うわっ笑美、そのポーズかっこいい」


絶対に。特にアンタの前では死んでも。


「ふふ~ん、エミちゃん言ったね。中学の時は私の完全敗北だったけど、今は私には森羅がいる。後で吠え面かいでも知らないだわさよ!ボボン!」


「うわっ友実、そのポーズかっこ悪い」


「いつでも挑戦してきなさい。受けて立つわ」


「うん。いつでも挑戦してやるわ、例えエミちゃんが魚肉ソーセージを食べてる最中でもな!」


「じゃ、今度こそ本当にさようなら。あっそうだ、魚肉ソーセージ買って帰ろ」


「フッ、エミちゃんさんよ・・・今日は休戦しよう。そして着いて行って良かですか?」


「エミ、私も」


「勝手にしなさい」


こうして私の戦いが始まった。絶対に笑ってはいけない戦いが。


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