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神様の異世界転移観察  作者: 土人形
7/7

二周目

よろしくおねがいします。


@月 皆既日(唱曜日)


「是も全てはアイリス様のお力に拠るもの。魔が立ち、神が堕ち、人が窮する時現れる。やはり予言は本物であった!」


そうそうこんな感じで始まっていたような・・・王様、エルフになってますね。

広間の中も色々な種族の見本市みたいです。霊体種(ゴースト)もいますけどこれ有名なバグを仕様に組み込んだ一例なんですよね。死んだことになっているのに処理から抜けてしまって結果死んでいるけどステータスが残っていて生きていて、ステータスがもう一度消えることで死亡処理が通るって言う。

くだらない王の話は聞き流しておいて全種族無事みたいですね。一回で確認できてよかった。

耐性を見える形でスキルと称したせいか室内信者率は9割ですね。結構ですが1割はあの男神(アルバーム)の信者なんですね。


勇者は王から渡された宝箱を開け剣、兜、鎧、靴と装備していく。

やや戸惑いを感じるもおそらく出発前の緊張だろうと見た。まぁまったく違っていたのだけど。

もう何度目かの広間見渡しを終えたところで一応持っていた通信器具が反応する。あまり神友(しんゆう)を持たない私の通信が鳴るのは当然一つを意味する。


「一時停止しましたが何か?」

「さっきまでナルビア平原で話をしていたと思うんだがどういう事だ。」

「まさか種族間が噛み合わずほぼ絶滅しているとは思っていませんでしたので要望通りスキルを加えて()スタートさせました。」

「シルヴィは!?」

「この世界の森人種(エルフ)のシルヴィでしたら迫害を受けず婚約者とそのままゴール、一児の母です。」

「うぐっ、・・・幸せならいい。ナタリーは!?」

狐尾種(きつねび)のナタリーは変わらずニニキ山で暮らしていますが3日後には誘拐されます。」

「ニニキ山で3日・・・ぎりぎり間に合うな。」

「他には?」

「今後もこまめに聞きたいから同行できないか?先ほどまでのアルバームから受けた頭の侵食がようやく剥がれたんだ。今回もああにはなりたくない。」


やはり記憶の引継ぎが行われていますね。前世界では見事に掛かっていた洗脳は引き継がずに解けています。リスタートは不思議なものです、未だにどういった効果が出るか分かりません。

ほらそこ、実験数が足りないとか言わない。


「同行するのは構いませんが妖精種として同行させていただきます。」


妖精種は神の成り損ないだ。元は小間使いとして使う為のスケールダウンした自分の分身を指していたのだが種族として面白そうだから交配できたりするように色々と組み込んでみた、スターターにはなかった申し訳程度のオリジナルである。

勿論今回の妖精は種族としてなるのではなくただ単に小さく見える私(分身)で本体は自室にいるだけだが。

一般的女児程度まで小さくなったところでちらりと見ると手を差し出してきた。


「今度こそ敵を間違えない為に、協力よろしくお願いします。」

「側で見物させてもらいます。」


握手したところでカチリと時を流す。

何歩分か一瞬で動いた為数名は驚いていたが、小さくなった私と勇者が握手している姿を見て胸をなでおろす者のほうが多い。

突然現れた私そっくりの妖精種が握手していればまあそう言う事(保護者同伴)だと認識できただろう。これで世界の平和は約束されたよ。やったね。


「では広場に向かいましょうか、同行者が待っています。」

「あいつらを拾う前に山に行きたいのですが。」

「わかりました。ナビゲートは不要ですね?」

「ええ。道は分かりますから。」


彼は気付いていないようだ、記憶は引き継いでいるが能力は戻っていることを。前回の時は中盤以降ステータス自体を見ないように訓練していた割に体の変化に気付かないのだろうか。

まぁ、多少の騒動はいいスパイスですよね。黙っていましょう。死なない程度に。


王城から出た勇者達に管楽器の響く高音が押し支えるように鳴る。

門から出、扉も閉じたところで向かうは前回と異なるニニキ山。

二周目勇者と新人神は今日も行く。


ありがとうございました。

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