いってらっしゃい
よろしくおねがいします。
△月 円日 (縁日曜日)
神行時間を過ぎたので一時停止をかけて離れましたがどこからでしたっけ。
座っている彼からもう一度言わせるのもめんどうなので少し時間を戻しますか。
「なんで就職面接みたいなんですかね。」
そういえばそんなことを言われたような気もします。
「目に付いたのを拾っただけでしたので一応面接をしようかと。様式は貴方の精神的負担の少なくなるように貴方の記憶から作成しました。他にはありますか?」
返事をしたところで彼はようやく顔を上げたので、じいっと彼の目を見つめると何故か数秒も持たずに目を動かし視線を外してきました。一体どういうことでしょうか、確か面接の際には目を合わせないと減点になると記憶にはあったのですが彼はここから印象を悪くしていきたいとでも?
別に見る必要は無いのですが視覚に強く反応する人間に分からせるようにさらに目に力を込めて視線を送ると白状するかのように呟いた。
「す、すみません。こんなに綺麗な女神様に見つめられると少し恥ずかしくなりまして。他に質問はありません。」
女神?一体・・・。
自分の今の状態を確認すると性別が女性で固定になっていることに気づきました。
創造神やりだした頃から両性だったのですが、分け身が失敗しているのが原因でしょうか。
まぁだからどうしたと言う話なんですがね。
「そうですか、では良き人生を。」
演出のために手を翳しこの間描いた魔法陣の様な光る物を浮かび上がらせ、ちょちょいと人界に創った白一色の空間に転移させ空間ごと時間を止める。
そうあくまで魔法陣は演出だ。
続いて王女のもとに転移する。幸い昼頃だったので食事をとっており主要人物もしっかり揃っていた。
「昨日振りですね。」
「貴様!何者だ!」
それはそうか。この間顔を合わせたのは王女だけで他の者からしたら突如現れた得体の知れない何かだ。
特に声をあげた兵士と思わしき者は困惑と恐怖に駆られている。挙動一つで引き抜き向けている剣で私を貫かん勢いだ。
最も貫いたところでどうもしないのだが。
「お邪魔の様ですので要件だけ伝える。今すぐ行動に移しなさい。」
お邪魔の辺りで刺されましたがそのままの体で受けると兵士の腕の方が心配になりますから、そのまま剣を透過させ体を抜ける様にし、伝えたいことを伝えさっさと元の観測場所に戻りました。
さて、起動を待ちますか。
ありがとうございました。