チュートリアル
よろしくおねがいします
○月 刺客日 (三日月曜日)
一時停止をかけたままの新しい世界の神界の中に少し空きを創り部屋を創る。
一応面接をしたほうがいいかと思ったのだが、さすがに神界を見渡せるわけにはいかないので壁を生やし窓のように見える大きな画面にそれっぽい背景を映させて、元の世界の様式で整える。
家具はパイプ椅子と机だけでいいかな。
面接会場の準備は出来たので机側のパイプ椅子に着席し、持ってきた魂をとりあえず椅子の前に漂わせて肉体の希望を聞いてみる。
「今、貴方の肉体を創りますがどのように致しますか?」
「うわっ!なんだこれ!・・・誰だあんた!俺は・・・何が・・・。」
「貴方の肉体を創りますがどのように致しますか?」
「肉体!?一体どうなってるんだ!?あの時・・・トラックで・・・。」
「どのように致しますか?」
わざわざ二度説明をするのも面倒なので押し切ろうと思いましたがなかなか言ってもらえないので適当に創りましょう。これの元のデータ、元のデータ。
ふよふよとした光の靄にそのまま肉を被せる。演出として骨からの再生にさせてもよかったのですがぱっぱと始めたいですからね。
元通りの姿にし、用意したパイプ椅子に座る形で出現させる。
「仮の肉体をあげますので、次からは質問に答えてください。」
「元通りになった!・・・ってあなたは一体。」
「はぁ、では説明を先にしますか。」
説明と言っても口ですると理解できない場合や曲解されると困るので記憶を直接植えつけた。
内容的にはここが剣と魔法の世界で、私は死んだ貴方を拾った創造神です。
魔族が侵略中、分け身が暴走中。
今この世界に転生させなんとかしてくれるであろう貴方の願いを一つ。頑張ってなんとかしてくれればもう一つ願いを叶えましょう。
今のそれは仮の肉体だから肉体の初回エディットはこれからするよ。希望があったら言ってね。と言ったところかな。
ギリギリまで情報量を詰めないと破裂しそうだったから危なかったけどなんとか入れられたな。
「もう一度聞きます、どのように致しますか?」
「チ」
「ち?」
「チートフル装備でお願いします。」
一度に頭に詰められた彼は混乱したみたいですが理解力はある様です。
頭を抱え下げたままひねり出す様に言った内容がまさか話に聞いた通りに言うとは思いませんでした。
自重しないフル装備にさせると負の感情を抱いただけで世界崩壊までいけますけど。
それだといつ崩壊するかのドキドキはするけど観察が面白くなさそう。
とすると器の成長率をぶっ飛んだ比率にして毒や怪我への保護で良いでしょう。
相互で連絡を取れる様にもしましょう。念のため。
「わかりました、容姿や身長も選べますがどうでしょう。」
「今住んでいる人と大きく異ならないならこのままでお願いします。」
確かに生活する上で悪く浮くのは辛いらしいですからね。やや上方修正しておきましょう。
「では以上で面接を終えたいと思いますが他に何かご質問などございますか?」
悩んだ体勢を崩さずに間を開けた彼は呟く。
「なんで就職面接みたいなんですかね。」
ありがとうございました