創ってみた
よろしくおねがいします。
○月 罰日 (月曜日)
創造主の神格に成り早・・・どれくらい経ったか。
なにぶん初めての世界創造だったわけだが、先輩である地球神の真似をしてそれなりに上手くいっている様で大きな滅亡も私への叛乱もなく、品評会でそれなりの評価を受ける世界にはなった。
しかし最近の流行だか知らないが集会とかで名前も知らん神たちが話題に出して盛り上がっている異世界転生が気になってしまった。話を聞いているだけで少し楽しそうだと思ってしまい今日手を出してみようかと思う。
思い立ったらすぐ行動。自室でアカシックペディアを開き召喚先の世界を創る事にした。
世界を創るといっても何も難しいことをしているわけではない。
まず世界の理を創り、原理パラメーターを振り分け、事象テストを数度繰り返しバグの確認。確認できたら起動して最初にひとかき混ぜするだけだ。
今あるオーソドックスな宇宙系球体型惑星製の科学的世界から移すならやっぱり単体系箱庭型多層製の魔法的世界だよなぁ。
声のでかい創造神も「やっぱ今の流行は魔法っしょ!」って言ってたしな。何事も挑戦は大切だ。
もやもやとした曖昧な形から徐々に形が作られてくる。今回は3層製に落ち着いたようで3枚の大地が浮いており、上から神界・人界・魔界になったようだ。見た目的にはおおよそ変わりは無いが神界はやや明るく、魔界はやや暗くしてある。
さて、気候も安定してきたようなので適当に各層へ様々なものを入れるわけだが。
最初は多様性を重視したほうがいいのは何処も一緒のようでとりあえず人界には【初心者用・最初の一歩】を入れていく。
初心者用と笑うことなかれ、あの地球を創ったと言われている地球神の伝説の調合比率を完全再現した下手な調合に懲りだす頃の中級者泣かせの一品、まず間違いは無いというのは素晴らしい。それにまだ中級者用や上級者用が買えるほどGPもないしな。
魔界には少しだけ操作して獣と混ぜたような状態にするか。神界は私の分け身と補佐を数名入れておこう。
できた新しい世界に早送りをかけ、中の時間的には1500年ほど経過しただろうか。
些事は全て神界に置いた分け身に任せてみたがいつの間にか分け身自身と連絡が取れなくなっていた。
よーく眺めると完全に神界を私物化し女天使やら女神やらを創っては囲わせ一部の業務をサボタージュしているようだ。一体何がしたいんだ。やろうと思えばこの世界はなかったことに出来るし、それがまったく痛くないのをおそらくこの分け身も知っているだろうに。というか女を囲っているってことはこの分け身の私は男神になったのか。
両性の私をそっくりに分けたはずだったが微妙に手元が狂ってしまったみたいだ。やはり普段しないことは数度試したほうがいいな。
そして男神の放置&暴政に呼応するかのように魔界も人界への進出を図りだしたようで見る見る内に人界を飲み込みだした。私としては何も図っていないのに舞台は整ってしまった。
あちらの世界も成熟したとはいえ、やはり100年に1度ぐらいは様子をしっかりと見て神として介入することにしましょう。手入れをしないとここまで荒れることもあると分かったのは大変有意義です。
もっとも栄えている国の城一室で熱心に天界に降ろした失敗作を祈っている少女をそそのかすとあっさりと承諾し、国王含め説き伏せたので魔方陣を設置させてもらった。
何故か国中の男神像も撤去する話になっていたけど、信仰心が微塵もなくなるほどに酷いことをしていたのか。
とりあえず新しい世界は一時停止をかけて前に創った世界を見渡すと丁度トラックに轢かれて死んだ性格のよさげな奴がいたので魂を摘み上げる。
さて、管理者権限で肉体をいじってから人界に転生・転移させますか。
ありがとうございました。