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#39 ミスティックシャドウvsセンシングホーク

 #39 ミスティックシャドウvsセンシングホーク


 13号浮遊島地下通路


 アトロポス陸戦隊は一緒に大型ジェネレーターが設置されている地下施設へとドッキングポートから伸びている地下通路を通って向かっていた。


 「・・・ん?大尉、ちょっと待って」

 「どうしました昶姐さん」

 「妙な音しなかった?何か機械的なのが接近してくるような」

 「この通路の広さとここの守備用に配備された戦闘用のオートマタかもしれませんぜ」

 「・・・どうやらそうみたいね」

 

 昶はそのオートマタを見るなり先頭をきって走り出した。

 

 「ちょっと少佐・・・!」

 「昶姐さん・・・・・相当腹に据えかねてるな」

 「邪魔するなーっ!!!!」


 昶は自動小銃に装着したグレネードランチャーで蹴散らし、破壊しつつそれが放つ攻撃魔法を全て回避しつつ戦闘用オートマタを全滅させてしまった。


 「うわあ・・・身も蓋も無いって言うかなんていうか・・・」

 「・・・・俺達の出番無かったな」

 「ありゃあコーネウス准将見つけたら即座に半殺しにしそうだな・・・・・」

 「聞こえてるよ、大尉」

 「し、失礼しましたっ!!」


 昶のドスの利いた声に思わずビクッとするカールス。

 

 「・・・まあ半殺し程度じゃ済まさないんだけどね」


 ニヤリと笑う昶。しかしその目は全く笑っていない。


 「ひええええええ・・・・・」


 怯えて思わずひしっと抱き合うカールスと陸戦隊員。


 


 亜耶Side


 「何処にいる・・・センシングホーク!」

 

 沿岸砲台が次々に撃ち上げてくる。


 『ああ、もう鬱陶しい奴ら!』


 リトラのヴァイスカノーネが眼下の沿岸砲台を1基また1基と魔導粒子砲で潰していくのが見える。

 制空権は既にこちらの物となっているから敵の機影は無い。


 「空に上ってくるのは考えづらいか・・・・リトラ!」

 『何?』

 「ちょっと降下してみるからエアカバーをお願いします」

 『・・・そうね、もう空の敵はいないようだしいいわよ』

 「任せます」


 私はミスティックシャドウを螺旋降下させつつ戦闘機形態から人型形態に変形させそのままホバー走行へと移行する。

 この浮遊島には大型ジェネレーター直上に伸びる中央部シャフトの超大型の立坑とそれにつながる魔導機兵も通れる大きさの通路があった筈だ。


 「ん?」


 一瞬何かが陽光に反射してキラリと光ったように見えた。


 「まずい!!」


 私は反射的に2本のスティックを倒してスティックの親指が当たる部分にあるブーストボタンを弾くように押した・・・・・昶が言うには魔導機兵の操縦系統はゲーセンに昔よく設置してあった前半はゲームを装ったシミュレーターで後半は月という設定のあの有名なリアルロボットで対戦する大型筐体の某ゲームに近いのだそうだ。


 ともあれミスティックシャドウは背中のエンジンのブーストが瞬間的にかかりえらい勢いでダッシュ移動した。


 この機体はランドウイングを必要としない分、軽量化がされていて少しブーストをかけるだけで過敏に反応しやすい。

 自分が一瞬前にいた地点に盛大に爆発が起きる。

 

 「あっぶな・・・」

 『・・・運のいい事だわね』


 ホログラフにコルディアが映った。


 「これでも悪運は強いので」

 『へえ・・・・でもその悪運もここまでにしてあげる』


 なんだその悪役が負ける時のフラグみたいなセリフ。


 「・・・・・私の勝ち、確定ですね」

 『はぁ?何言ってんのよ』

 「こっちの話です」

 『まあいいわ、ミスティックシャドウにこのセンシングホークの捕捉は不可能だから」


 ホログラフに映っていたセンシングホークがすぅっと消えたように見えた。

 レイ・リフレクター、あの機体にも装備してあったのか。

 

 「なるほど、ステルス機のようなものですか」

 『ステルスが何かはわからないけど・・・・さあ、当てられるもんなら当ててみなさいよカテゴリーⅡ!!』

 「うあっ!!」


 ドカンと強い衝撃が来て機体が弾き飛ばされた。よろける機体を立て直す。


 「何処にいる・・・!」

 『さあ何処かしら、残念だわねえ』


 射撃音がした。ホバー出力を上げてのダッシュでなんとか回避する。

 高速でホバー移動するミスティックシャドウのすぐ真後ろの地面に連続して着弾の土煙が上がった。


 「始末の悪い!!きゃあっ!」

 

 センシングホークがタックルしてきたらしく機体が弾き飛ばされ、転倒する。

 

 「う・・・」

 『いいざまだわねえ!!なぶり殺してあげる!!』


 更に大きな衝撃で全身が激しく揺さぶられる。


 「ああっ!!」

 『ほらほらどうしたカテゴリーⅡ!!すこしは抵抗してみなさいよ!!』


 ミスティックシャドウはいいようにセンシングホークに弄ばれる。

 いや、感知は出来るはずだ・・・・・今の私なら。


 「粒子ビット!」

 『有視界でしか戦闘できないのに無駄な事を!!』


 最初の一撃は外れたらしい。

 でも着弾地点とセンシングホークが近いのは見当がつく。


 「油断大敵ですよ!・・・・当たれ!!」

 『何ッ!?』


 粒子ビットのうち何発かが何もない空間にぶつかるみたいに命中した。

 やはりね。

 ミスティックシャドウに回避運動を取らせつつ更に集中してみる。


 『偶然よ!ちょっとあたったくらいで!!』

 「偶然じゃありませんよ・・・・・いえ、貴女のおかげと言うべきでしょうか」

 『・・・何を意味のわからない事を!』

 「ではもう一度やってみましょうか?もっと精度高く当てられますよ?」


 もう一度・・・身体の芯に魔力を集めるイメージで更に集中してみる。


 私の身体の奥深く、心の奥底で光が弾ける感覚。


 魔力が集まり、その全てが自分の物になって周囲の全てが見渡せる不思議な感覚。


 思った通り、これならいけそうだ。


 「当たれ!!粒子ビット!!」


 今度は狙い通りにセンシングホークに次々に命中しているっぽい。ビットが飛んでいった周辺から派手に土煙が上がった。


 『嘘よ!!こんな事・・・何故見える!!!』

 「言ったでしょう、貴女のおかげで機体の位置が見当つくんですよ」

 『・・・・・その紅の瞳・・・まだ制御コードが残って・・・!』

 「違いますよ、私は正気です・・・・どうやら精神介入の後遺症で貴女に無理やり増幅させられた魔力とその制御能力を自在に操れるようになったみたいですね」

 『・・・・・・・!!』

 「勝ち目が無いのは貴女です!!」


 私はミスティックシャドウの剣を抜くと目の前の少し歪んだ空間に向けて全力でジグザグにホバー走行をさせ、センシングホークの魔力を感じる空間をすれ違いざまに斬り裂く。


 『うわあっ!!!』

 「覚悟はいいですね、コーネウス准将!!」

 『嘘だ、嘘だ、嘘だああああ!!!・・・・・レイ・リフレクターが!!!』


 どうやらレイ・リフレクター発生器を破壊したらしい。


 ミスティックシャドウを鋭角的にターンさせて今度は姿をあらわしたセンシングホークの両腕を斬り飛ばし、右手の90mmSMGが右腕ごと落下する。


 更に頭部機関砲で武装と各種センサーを沈黙させる。センシングホークに装備されているロケット弾ポッドが誘爆した。耳障りな金属音が悲鳴のように響く。


 『なんで、なんでこの地で産まれたわけでもない奴が!!』

 「・・・・・・・・」

 『私は、まだやる事が・・・・私はこんな所で死んでいい人間じゃないのよ!!』

 「・・・・・・・・」

 『私にはこの世界を、この世界の人間の物にするための役目が!!私はこの世界に必要なのよ!!』

 「・・・・往生際の悪い!!」


 そのままミスティックシャドウの剣が胴体を貫き爆発し、センシングホークは完全に沈黙した。

 さて、次は昶達の陸戦隊による大型ジェネレーターの破壊と帝国軍揚陸艦陸戦隊の司令室の占拠だ。


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よろしくお願い致しますヽ(´▽`)/!

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