#17 ー空中戦ー ドッグファイト
#17 ー空中戦ー ドッグファイト
「灼熱の海」上空
「おい!あれを見ろ!」
「アトロポス」に搭載されている汎用VTOL「雷光」の観測員が叫んだ。
パイロットが機体を少し傾けて左下方を見ると魔法の粒子の航跡を引いて火山島の間をゆっくりと航行する巨大な戦艦の姿が雲の隙間から見える。
「「アトロポス」に報告、敵は鳥籠の中にいる!」
「まずいぞ、連中が魔導機兵をACM装備(空中戦装備)で離艦させているのが見える!」
「よし、長居は無用だ、全速力で戻るぞ!」
雷光のノズルから甲高いエンジン音と共に魔力の粒子が吐き出される。
昶 Side
索敵の為に先行して発艦していた雷光から連絡が入った。
どうやら「トール」が灼熱の海を航行するタイミングで発見できたようだ。
後方の「アトロポス」からは搭載されている上陸用舟艇「アキレウス」が艦尾ウェルドックから発進したらしい。
あたしと亜耶は飛行ユニットであるランドウイングを装着した複座機の紫電で飛行していた。
あたしは紫電のパイロットとして搭乗するにあたって魔導機兵のパイロット向けの軍服とゴーグルに、亜耶は頭に魔法を制御するヘッドギアを装着している以外はいつもの衣装のままである。
『敵魔導機兵を発見!10時方向だ!・・・トパーズ1、予定通りやってくれ!』
隊長機から無線が入った。
「トパーズ1了解・・・・・敵を狙い撃つ!」
・・・・長距離狙撃の得意なあたしとしてはこのセリフ一度言ってみたかったんだよね。
トパーズ1のコールサインを持ったあたし達の機体は火器管制システムを起動して紫電にオプション装備させた長距離ライフルを構えさせた。
亜耶は照準がブレないように紫電を真っ直ぐに飛行させる。
コクピットの後部座席のあたしの前に望遠で拡大された「トール」艦載機の魔導機兵「フェンリル」がホログラフに拡大されて映し出される。どうやら全機発艦させたらしく3機編隊が8つの合計24機が確認できた。
まずはそれぞれの編隊の先頭の隊長機に照準を合わせる。
ホログラフに拡大された敵隊長機の腹部に照準が重なるとそれが赤く点滅し「Fire!」の音声合成が流れる。ゆっくりと息を吐きながら引き金を引いた。
ドォン!という大きな発射音と共に紫電が両手で構えた120mm長距離ライフルから弾丸が発射された。
そのまま続けて次の編隊の隊長機に照準を合わせて再び引き金を絞るように引く。
「初弾の着弾まであと5秒・・・4、3、2、弾着、今!」
亜耶の冷静な声が聞こえた。
パッと赤い火が先頭の「フェンリル」から上がった。次の瞬間には腹部から二つに折れて「フェンリル」が墜落して行く。
「初弾命中!次弾、続いて着弾します」
更に各隊長機が次々に胴体が折れたり肩のハードポイントからランドウイングが吹き飛ばされたり、胸部を貫通したりして墜落していく。
長距離ライフルに対艦用の徹甲弾を装填しておいたのだ。魔導機兵が喰らったら一撃でバラバラになる。
1・2・3・・・・4機撃墜した所で敵「フェンリル」は左にブレーク、急旋回した。
それにしても4機も長距離狙撃で撃ち落とされるなんて練度が低くないか。
「この後は亜耶の間合いだから操縦を変わるよ」
「はい! You have Control!」
「I have Control!」
操縦を変わる宣言と同時に操縦桿を握りしめる。
練習機も兼ねた複座機だからお互いに操縦を必要に応じて交代できるのがこの機体の利点でもありあたし達二人の戦い方の肝でもある。
「亜耶、上手く制御出来そう?」
「大丈夫、問題ありません」
「こっちも大丈夫、魔力増幅器は問題なく稼働中!」
亜耶は目を閉じて精神集中をし始めた。
「神秘の力よ、我が名は亜耶、12人の兄弟の光を持って破壊の力と成せ!」
使用する魔力の量が大きいために普段は呪文を使わない亜耶が珍しく呪文詠唱をする。それだけ破壊力が大きいという事だ。
背後の魔力増幅器からヴイイイインとハム音がし始めた。それと同時に亜耶の身体の周りが魔力の粒子でぼうっと光り始め、銀色の髪がふわりと広がる。
するとあたし達の紫電の周囲に直径3m程の魔法陣が12個出現した。
12個の魔法陣は手裏剣のように回転しながら前方へと弾かれたような猛加速で飛び出して行く。
魔法陣は敵「フェンリル」まで飛んで行くとその周囲で敵機に向きを正対させる。
「当たれーッ!!」
亜耶の声と同時魔法陣が一瞬輝くとあらゆる方向から次々と「フェンリル」へと魔弾を発射し撃ち込む。
連続して発射される魔弾を回避しきれない「フェンリル」は何発も被弾して部品を撒き散らしながらバラバラになって墜落していく。
いわば魔法を利用したファ◯ネルだ。
想像以上に威力がある。
あたしは魔導機兵に魔力増幅器がオプション装備出来ると聞いた時に亜耶の魔力とその精密な魔法制御の能力なら威力を増幅したビットの攻撃魔法で魔導機兵を撃墜することが可能になるかもしれないと考えたのだがどうやら大正解だったようだ。
敵「フェンリル」の部隊はパニックに陥って狂ったように回避運動をするが亜耶の放つビットにまた1機また1機と撃ち落とされていく。
『こちらガーネットリーダー、よくやったトパーズ1、ガーネットリーダーより各機へ、この後は乱戦になる、みんな撃ち負けるなよ!全機かかれ!』
魔導機兵第一飛行隊の隊長ルスター大尉からの通信が入った。
「トール」の周辺空域は魔導機兵同士の乱戦になっていた。
乱戦となった空中戦を繰り広げているうちにどんどん高度が下がってきた。
通常の航空機と違って空力性能が絶望的に悪い魔導機兵は空戦機動をしていると航空機以上にその大きな空気抵抗で速度は低下しそれに伴って高度も下がっていく。
最初に隊長機に狙撃を行った時には3000mあった高度は既に1000mを割り込んでいた。
この空中戦のステージは既に高度が下がりきって火山島の山々の間の険しい谷間、巨大な渓谷へと3000mの上空から乱戦に伴って場所が移っていた。
「亜耶、ビットを使うには距離が近すぎる、操縦変わるよ、 You have Control!」
「了解しました、I have Control!」
今度は亜耶がパイロットであたしが砲手である。亜耶が紫電の右手の剣で斬りかかるのと同時にあたしが左手のライフルで撃つ連携攻撃をする。
操縦を交替すると亜耶は紫電のスロットルレバーを押し込んで出力を上げる。
もっとも谷間は狭く、その崖や密林に激突しないように注意しながら敵機や味方との空中衝突もしないように気を付けなければいけないからかなり神経を擦り減らす。
熱帯の湿気の高い空気も相まって敵も味方もこの狭い谷間で激しい戦闘機動をしているためにどの機体もランドウイングの翼端から見事なヴェイパー(飛行機雲)とエンジンノズルからの魔力粒子の輝く航跡を曳きながら空中に沢山の白いリングを描いている。
しかもこの狭い谷間で敵味方合わせて40機近い数の機体が乱戦とも言える空中戦を繰り広げているものだから迂闊に入り込むと敵味方の流れ弾を避けつつ文字通り崖っぷちの曲芸飛行をする羽目になりかねない状況だ。
ふと周囲を見回すと息を飲む光景が繰り広げられていた。
既に魔法炉に被弾して数十mの炎と煙を吐きながら狂ったように急旋回をして回避運動をしている機体がいる。
渓谷の崖ギリギリを掠めるように飛んでいるフェンリルを追いかけながら射撃を繰り返している紫電が更にその後ろに食いついたフェンリルに胴体を撃ち抜かれて崖に激突し爆発した所にそのフェンリルが避けきれずに突っ込んで爆発するのが見えた。
『トパーズ1、6時方向に敵機がいるぞ!』
「まずい!」
無線機のルスター大尉の声に後方を見ると1機のフェンリルが射撃位置につこうとしていた。
フェンリルの右手に握られたライフルからパッ、パッと数回の発射炎が紫電の全天周ホログラフに映し出された。
「撃ってきた!」
「くっ!」
紫電が左に横滑りするとその弾丸は真横を通過していった。亜耶が反射的に左フットペダルを踏んで射線から回避したのだ。
「あいつ!」
あたしは自分がやるように右腕を肩越しに後ろに向けて魔導機兵用の大型オートマチック拳銃、76mmオートカノンを何発か撃つが全て回避されてしまった。練度が低いと思っていた敵機にもどうやら上手い奴がいるらしい。
再びフェンリルのライフルに発射炎が数回見えた。
亜耶は紫電を横転させつつ垂直旋回をかけた。
敵機は追随してくる。
こんどはその逆方向に亜耶が切り返す。
彼我の針路がジグザグに交差する。
互いにロールシザーズと呼ばれる空戦機動を繰り返す。
ふと前方を見るとその先には狭い谷間が見えた。
「亜耶、12時方向の谷間!」
「わかりました、あそこで振り切ります!」
亜耶は紫電の機首を下げてランドウイングの翼の迎え角をゼロにする。戦闘機だとアンロード(機種下げ)と呼ばれる姿勢だ。
こうなると単なる自由落下だから上下のGがなくなってあたしと亜耶は一瞬無重力状態になった。
亜耶はスロットルを全開にしてスパイラルダイブさせつつ谷間へと紫電を入り込ませた。
複雑に蛇行する谷間を気狂いじみた超高速で紫電とフェンリルが駆け抜ける。
フェンリルは何度も撃ってくるがこの谷間の狭さとS字やヘアピンカーブが混ざるように蛇行する谷間と崖に照準を乱されて何度も外していた。
急カーブを垂直旋回で崖ギリギリに飛ぶ紫電を掠めるようにフェンリルの射撃がすぐ脇の崖に何度も着弾して土煙をあげる。
「あれは・・・!」
あたしは紫電の前方、谷間を跨ぐというかちょうど橋がかかっているような感じになっている大きな岩が見えた。
「亜耶!あいつを激突させてやる!あの岩の真下を全開で抜けて!」
「はい、行きます!」
亜耶はスロットルを全開し、更にオーバーブーストに入れた。オーバーブーストと言うのは短時間のエンジン出力の制限解除で当然制限時間を越えて使用するとエンジンがオーバーヒートで焼き付いて墜落する羽目になるのでいざという時にしか使えない。
背面のメインエンジンが一段と轟音を上げて機体がビリビリと振動する。
紫電は狂ったような猛加速で大岩、というか巨石に突進し始めた。
あたしはホログラフを拡大して例の巨石に長距離ライフルの照準を付け、引き金を絞った。
「崩れろっ!」
長距離ライフルの発射音と反動で機体が揺れる。
その弾丸はものの見事に巨石の中心に当たった。
まるでスローモーションを見るように谷間を跨ぐ巨石が割れて崩れ始める。
巨石が落下する直前にその真下をあたし達の紫電は駆け抜けていく。
慌てたのはぴったり紫電を追尾していたフェンリルだ。
あたし達がギリギリでくぐり抜けた巨石が目の前で崩れたのだ。
フェンリルは咄嗟に回避しようとして右横の崖に接触してバランスを崩し、何度かもんどり打つように激しく回転しながら崩れ落ちた巨石に激突し爆発、四散した。
「た、助かった・・・・」
「昶、一旦高度を取り直して戻りましょう・・・・・それにしてもよく当てられましたね」
「ふふん♪射撃なら負けないよあたしは♪」
紫電は谷間から抜けて上昇し始めた。
亜耶Side
取り敢えず高度を取り直した私達は元の空域に一旦戻った。
さっきまでの彼我入り乱れた大空中戦は終息しつつあった。
その時、私は妙な違和感を覚えた。
一瞬背筋に冷たいものが走るのを感じたのだ。
「ッ!!」
私は本能的に危険を感じると同時に左のフットペダルを蹴飛ばし操縦桿を目一杯左に倒した。
紫電が急激に左へ横滑りしつつ急横転する。
すると紫電のすぐ右横を凶悪な破壊の光芒が掠めた。
もし咄嗟にいまの回避行動をしなかったら一撃で私達の紫電はバラバラになっていたに違いない。
「亜耶!太陽の方向!」
昶の声にホログラフを見上げると太陽を背にして1機のフェンリルが剣を構えて急降下して来るのが見えた。
右腕の剣を抜いてフェンリルの剣を受ける。
ガァン!と凄まじい音と衝撃で機体が揺れる。
紫電の右足で敵の胴体を蹴飛ばして離れるのと同時に昶が頭部20mm機関砲と左手に構えた近接戦用の76mmオートカノンを3点バースト射撃で牽制する。
『ほう、よく今の一撃をすべて避けられたものだ』
「・・・・・その声は!」
無線機のスピーカーから聞こえてきたのは聞き覚えのある声だった。
「アフィッド大佐・・・・そう言えば「トール」の記念式典で魔導機兵に乗ってたっけ」
昶ののんびりした声に返事が来た。
『なるほど、君たちなら必ず来るだろうと思っていたよ・・・・だがここまでだ!』
大佐の機体が魔導ライフルを連射してくる。
魔導ライフルはそのパイロットの魔力の強さによってある程度性能が上下する。
これだけ連射が効くのは彼の魔力がそれだけ強い事に他ならない。
下方では相変わらず魔導機兵同士の乱戦が続いている。
「こいつ!」
昶がオートカノンを撃つがそれを巧みに回避した大佐の機体が肩から機体をぶつけて紫電のバランスを崩した。
続けて大佐の機体が撃った魔導ライフルの魔弾が紫電のハードポイントに戻していた長距離ライフルの魔力エネルギーパックに命中して爆発を起こした。
「きゃあっ!」
魔力エネルギーパックの爆発でバランスを崩した所に長距離ライフルという重量物を失ってスピンに陥った紫電は一気に高度を下げていく。
航空機と違って強大なエンジン推力に頼って飛行する魔導機兵は飛行機やヘリコプターみたいに揚力に頼れない分だけ飛行バランスを崩しやすい。
なんだかんだ言ってもまだまだ飛行時間の少ない私達はこういう時の対応で「アトロポス」のベテランパイロット達に及ばない。
くるくると回転しながら墜ちていく機体をやっとの思いで立て直した時には再び深い渓谷での乱戦の只中にまで高度は落ちていた。
『墜ちろ!』
大佐の機体が急降下しつつ連射してくるのを機体を捻ってかわすと右手の剣で大佐の機体の右足を斬り払う。
そのまま剣で切り結ぶ格闘戦にもつれ込むのを回避するために一旦距離を取る。
そして昶と再び操縦を交代する。
「この距離なら!」
『距離を取った所で君らに勝ち目は無い!』
「それはどうかしら・・・・・この距離は私の間合いだ!!」
私はあの攻撃魔法の呪文詠唱を始めた。
魔力を帯びた私の身体がふたたびその粒子で淡く輝く。
「神秘の力よ、我が名は亜耶、12人の兄弟の光を持って破壊の力と成せ!・・・・・ビットよ、かの機体を斬り刻め!!」
紫電の機体の周囲に発動した12個の魔法陣が大佐の機体に飛びあらゆる方向から魔弾を発射する。
『くそっ!増幅したビットとはタチの悪い真似を!!』
最初の数発は回避したものの周囲の魔法陣から次々に発射される魔弾にフェンリルは左腕と右脚、頭部センサーポッドを破壊された。
『うおおっ!やってくれる!』
「このおっ!墜ちろ蚊トンボ!」
何処かで聞いたようなセリフを叫びつつ昶は76mmオートカノンを次々に発射する。
激しい発射音がコクピットを包む。
『まだだっ!』
大佐のフェンリルは昶の射撃を全て回避しつつ残った右手でライフルを撃つ。
「きゃああっ!」
『そう簡単に墜とされはせんよ!!』
その弾丸は紫電の右肩に命中し激しくコクピットが揺れた。
大佐のフェンリルは煙を吐いて急激に高度を下げて行きそのまま降下する速度も利用して増速すると逃げ去った。
「機体右肩のダメージによる影響は装甲が吹き飛ばされた以外には無し・・・・・何とかこの乱戦は乗り切れたみたいね、周囲に敵影は無し、味方機が排除に成功したみたい」
昶の声に周囲を見回すとあれだけいた敵機はすっかりいなくなり谷間の密林の所々から炎と煙が上がっている。
どうやら私達がアフィッド大佐の機体を追い払ったのを最後にこの空中戦は終わったらしい。
私達は「アトロポス」及び「トール」の周辺空域での制空権を確保する事に成功した。
『ガーネットリーダーより各機へ、これより作戦は次の段階に移行する』
ルスター大尉の声が無線から聞こえた。次は「トール」の各種兵装の無力化と「アトロポス」から発進した上陸用舟艇「アキレウス」の接舷とそれに伴う白兵戦によるドリスコフの身柄確保が作戦目的となる。
敵魔導機兵を殲滅した私達は編隊を組んで超低空に降りて全速力で「トール」へと向かった。
程なくして火山島の噴煙の合間を魔力粒子の航跡を空中に曳きながら航行する超弩級戦艦の艦影が見えた。
対艦ライフル装備の僚機と防衛線を抜いて「トール」に対して左舷から肉薄した。
対空砲の弾幕が来るが回避運動をしつつ接近する。
味方機が次々と射撃と剣で対空砲を潰していく。
程なくして 「トール」の全ての砲塔が自分達の方向、左舷方向に向いた。
・・・・・戦艦大和の最期を本や映画でとはいえ知っている身としてはなんか複雑だな。
「戦艦は艦載機の攻撃に弱い」という事実を自ら実践する事になろうとは。
『今です、隊長!』
『もらったぞ!』
裂帛の気合と共にルスター大尉達3機の魔導機兵が「トール」の直上から急降下してくる。全部の砲塔が左舷に向いているから直上からの急降下する魔導機兵を撃ち落とすことはできない。
ルスター大尉の機体が標準装備の魔導ライフルの下部に装着されたグレネードランチャーを「トール」の煙突内に撃ち込みながら艦橋上部の測距儀を剣で斬り落とした。
「測距儀」とは砲撃をする際に彼我の距離を測定する光学機器である。
その構造は一対のプリズム及びミラーを使用して三角測量によって敵目標物との距離を測定する。
かの戦艦大和は艦橋の上部に15mの巨大な測距儀を搭載し40kmの彼方にある敵艦を照準する事ができたという。
ちなみにこの15m測距儀を製造したのは当時の日本光学、つまり現在のカメラメーカーであるニコンだというのはカメラ好きの間では有名なエピソードなのだとこの作戦の説明を受けた後に昶から聞いた。
ともあれこれで「トール」自慢の主砲は遠距離での光学照準による砲戦能力を失った。
ルスター大尉の率いる残りの2機は艦橋の前に降りると主砲や副砲本体の測距儀に魔導ライフルを突っ込み撃って破壊する。
すると各砲塔は照準が付けられなくなって動きを停めた。もう「トール」は精密な砲撃戦を行う事は出来ない。
ドーンと大きな音がして「トール」の煙突から派手な煙が出た。さっきルスター大尉が煙突内部に射撃した時に機関の一部を破壊するのに成功したのだろう。
速力が下がるのがわかる。
さあ、準備はできた。
あとは「トール」に乗り込んでドリスコフの身柄の確保だ。
・・・・・・ずっとやってみたかったんですよね。
リアルロボットの戦闘シーン。
やはりアニメってすごい・・・・・。
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