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記録…Ⅴ
──数分後。
ドアの向こうから、話し声が聞こえた。
懐かしい声。
そして、病室にあの子たちが入ってきた。
「父さん、お母さんは──」
私を見て、驚いた顔を見せた。
夕陽の背後から、ヒョコっと暁美が顔をのぞかせた。
「…兄ちゃん? 何で泣いてるんだ?」
「な…泣いてなんか…ない…」
「嘘だな」
「父さんまでー…」
目をこすって涙をごまかしてる。
私は笑って、言った。
「…大きくなったね。夕陽、暁美」
「えへへ…ありがと」
「…」
暁美は素直に言って、夕陽はそっけなく言ったけど…
本当は照れてるんだよね。
「ねぇ、パパ、ママ。私と兄ちゃん、たくさんなかまができたよ!」
「まぁ。聞かせてくれる?」
「うん! あのね…」
私が眠っていた十数年間で、みんな成長していた。
でもね、一度繋がった絆はね…変わらないよ。