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記録…Ⅱ
あれから数年後の高校生。
彼のおかげで少しは普通に話せるようになった頃。ある日、葉木 柚子と長月 紫苑に聞かれた。
「もしかしてさ…アンタ…」
「?」
「貴方と彼、付き合ってるの?」
彼を指さしながら聞いてきた。
「つきあって…る?」
私には、その言葉の意味が分からなかった。隣に座っていた双子の姉、真琴が呆れたように言った。
「…いわゆる交際ってことよ」
「ああ!…って、えぇ!? ち、ちがうよっ!?」
「あんたさぁ…普段あんなのとしか話してないし、しかも一緒に帰ってるなんてしたら…そりゃ誤解されるに決ってるわよ」
「まこちゃーん、貶し過ぎだよー…」
そんな真琴を光明寺 桜がなだめた。
「いいのいいの。あんな奴、あたしの可愛い妹と付き合うなんて、親が許してもあたしが許さん」
「…全部聞こえてるぞ…」
思わず、笑いがおこった。
とても…楽しかった…