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第6話 祈りの意味

朝の鐘が鳴る。


教会の裏庭。


祈りの時間。


並ぶのは二人だけ。


リリンとセレナ。


リリンは静かに目を閉じる。


『祈りなさい』


神様の声は、今日も聞こえている。


安心する声だ。


隣を見る。


セレナも祈っている。


ただ、少しだけ。


眉が寄っていた。


祈りが終わる。


セレナが小さく息を吐いた。


「ねえ、リリン」


「はい?」


セレナは少し迷ってから言った。


「祈りってさ」


「意味あるのかな」


リリンは首をかしげる。


「意味?」


「うん」


セレナは地面を見る。


「神様が言うから祈るじゃん」


「でも」


「それって何か変じゃない?」


リリンは少し考える。


そして言った。


「神様のお告げですから」


「従うのは当然です」


セレナは苦笑する。


「やっぱりそう言うよね」


リリンは不思議そうに言う。


「セレナは違うのですか?」


セレナは空を見上げた。


青い空。


静かな町。


「……ちょっと考えただけ」


「神様ってさ」


「なんで祈れって言うんだろうって」


リリンは首を振る。


「理由は必要ありません」


「神様ですから」


セレナはそれ以上言わなかった。



次の朝。


鐘が鳴る。


祈りの時間。


二人は並んで立つ。


リリンは目を閉じる。


『祈りなさい』


いつもの声。


隣を見る。


セレナは目を閉じている。


しばらくして。


セレナが目を開けた。


「……あれ」


小さな声だった。


リリンが振り向く。


「どうしました?」


セレナは少し笑う。


「ううん」


「なんでもない」


リリンは首をかしげる。


「お告げ、聞こえませんでした?」


セレナは答えなかった。


ただ。


ほんの少しだけ。


空を見上げていた。


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