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「約束の剣(つるぎ)」

掲載日:2025/10/22

この世界には、剣と魔法が生きている。

大地には古の竜が眠り、空には魔導士の塔がそびえ立つ。

人々は戦い、笑い、そして絆を紡いで生きている。


だが、力には代償がある。

魔法を使う者には、魔力を失う危険が常に付きまとう。

剣を振るう者には、友情や信頼の重さが試される瞬間が訪れる。


ここに、二人の少年がいる。

金色の剣士——レオン。

黒髪の魔導士——ノア。


彼らの出会いは偶然だった。

しかし、それは運命の始まりでもあった。


世界を覆う闇と、未来への希望。

仲間との別れと再会。

剣と魔法に導かれた、友情の物語——


これは、約束を交わした二人の冒険の記録である。


風が、荒野を渡っていた。

夕陽が赤く染める空の下、二人の少年が立っていた。


ひとりは金髪の剣士——レオン。

もうひとりは黒髪の魔導士——ノア。


二人は旅の終わりにいた。

魔王を討つための長い旅。その最終戦を前にして。


「なぁレオン、もし俺がこの戦いで——」

「やめろよ、縁起でもねぇ」

レオンは笑ったが、握る剣が震えていた。


ノアは微笑む。

「俺の魔力、もう長くもたない。けど、お前と一緒にここまで来れた。それだけで十分だよ」


風が吹く。

砂塵の中に、遠く魔王城の黒い影が見えた。


「バカ言うな。まだ終わってねぇ」

レオンはノアの肩をつかんだ。

「お前が倒れたら、俺はどうすりゃいいんだよ」


ノアは少しだけ笑って、手の中に青い魔法石を取り出した。

「これ、俺の魔力の一部を封じた石だ。

もし俺がいなくなっても、これを剣に宿せば……俺はお前の剣として、戦える」


レオンは唇を噛んだ。

「そんなの、いらねぇよ。お前が生きててくれた方が——」


ノアはその言葉を遮って言った。

「生きることができなくても、“共に戦う”ことはできる。俺たちは、そういう仲間だろ?」


沈黙ののち、レオンはうなずいた。

「……わかった。絶対に魔王を倒す。お前と一緒に」


——そして、決戦の日。

黒い塔の上で、雷鳴が響いた。


レオンの剣が光り、青い魔法石が強く輝いた。

その声が、剣の中から聞こえた。


『レオン、今だ!』


光が走り、闇が砕けた。


すべてが終わったあと、レオンは静かな丘に剣を立てた。

風が吹き、空は穏やかに晴れていた。


「なぁ、ノア。お前の魔法、ちゃんと見えたよ。

……最高だったぜ」


青い石が、かすかに光を放った。

それはまるで、友の笑顔がそこにあるかのようだった。


あれから一年。

荒野に立つ丘の上で、レオンは剣を握りしめていた。

青い魔法石は今も輝き、かすかに温かい光を放つ。


「……ノア、どこにいるんだ?」

独り言のように呟く声に、風だけが応えた。


その時、石が強く光った。

剣から光の柱が立ち、空気がざわめく。

そして、微かに、人の声。


『レオン……久しぶりだな』


振り向くと、そこには黒髪の少年の姿。

体からは魔力のオーラがほとばしり、まるで生きているかのようだ。


「ノア……!?」

レオンは剣を握る手が震えた。


『俺だ。肉体はまだ完全じゃないけど……お前の力で戻ってこれた』

ノアの目は、以前より少し大人びて、そして力強く光っていた。


「信じられねぇ……でも……本当に戻ったのか」

レオンの胸に込み上げる感情。

あの日、戦場で別れた痛みが、今、喜びに変わった。


二人は抱き合った後、丘を下りる。

「これで、もう一度一緒に戦えるな」

『ああ、次はもっと厄介な敵が待ってるらしいぜ』


彼らの前には、新たな冒険の地図が広がる。

ドラゴンの棲む火山、魔導士の失われた都市、そして、世界を覆う闇の魔法——


『友情は、剣よりも強い魔法だ』

レオンは剣を握り直し、微笑む。

「なら、俺たちは無敵だな」


夕陽の下、二つの影が長く伸びる。

友情の光は、再び彼らの道を照らしていた。


物語を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


レオンとノアの旅は、剣や魔法だけでなく、友情と信頼の力によって成り立っていました。

彼らの戦いも、別れも、再会も――すべては、互いを思う気持ちから生まれる魔法のようなものです。


異世界という舞台にしましたが、描きたかったのは「どんな困難も、信頼する仲間となら乗り越えられる」という普遍的なテーマです。

この物語を通して、読者の皆さんも自分の周りの大切な人との絆を、少しでも思い返してもらえたら嬉しいです。


最後に、レオンとノアにもう一度。

君たちの友情の光は、読む人の心にも届いたはずです。

どうか、この先の冒険でも、互いを信じ、光を失わないでほしい。


――ありがとうございました。

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