表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女騎士の独り旅!  作者: 和泉發仙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

527/666

魔境国アリアンロッド・秘匿扉探索編 幕間:魔王会議(後編) 〜決戦宣言〜





魔王会議が終わり、各々の軍勢は黒鉄の門をくぐって散じていった。

冷たく澄んだ夜気の中、残ったのはルナと、その側近たち。


「ルナ様……よくぞ、あの場で退かなかった」

羅刹丸が腕を組み、朱鬼丸は尻尾をぱたぱたと揺らす。


「退けば、あそこで“終わり”だった。

 どれだけ罵られようと、わたしは立ち続けるしかないの」


ルナは吐息とともに夜空を仰いだ。星が冴え冴えと瞬いている。

その光の向こうに、仲間たち――アリア、ガレン、東堂の顔を思い浮かべる。



翌朝。

ルーンブルク。


報を受けたアリアたちは大広間に集まっていた。

愛菜が口をあけて呆然とした表情を浮かべる。


「ちょ、ちょっと待って……それって、まんま天下一武道会じゃん!?」


「まあ……呼び方はともかく」

アリアは苦笑し、杯を置いた。

「でも、魔王たちが正面から受け入れたなら、避けられない。

 むしろ好機かもしれないな」


「ふふ……血が騒ぐぜ」

ガレンが立ち上がり、拳を鳴らす。

「久々に“正面から”ぶつかれるってわけだな!」


「俺も参加する」

東堂も手を挙げた。

「向こうの世界じゃ柔術もMMAもやってた。こっちの魔王連中に通じるか、試してみたくてな」


「……まさかの参戦表明か」アリアは呆れつつも笑った。

「いいだろう、ならば全員で挑もう」



数日後。

ルーンブルク大広場。


旗が掲げられ、円形の闘技場が組まれ、観客席には魔族も人族も入り混じって座っていた。

ざわめきは期待と緊張の入り混じった熱。


「これが舞台か……」

ルナは深呼吸し、視線を巡らせた。

父の姿も、遠くに見える。

魔王たちは次々と現れ、己が側近を従え、広場へ降り立った。


「始めようではないか!」

「魔王の座にふさわしき者を決める戦を!」


歓声が天を突く。


その瞬間――。

「おっせぇぞ! 俺らも混ぜろ!」

空から轟音。

黒鉄の翼を背負ったオートマタ勢が舞い降り、フル装備の姿で整列した。


「え……あれは、なんだ……!?」

魔王たちは目を見張り、息を呑む。


「こ、これが……ルーンブルクの戦力……?」


その驚愕を背に、アリアは静かに剣を抜いた。

「――なら、示そう。わたしたちの道を」


魔王たちと、ルーンブルク勢。

二つの力が、いまぶつかり合おうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ