表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女騎士の独り旅!  作者: 和泉發仙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

430/666

アリアンロッド発展の章 第十六階層編 第4話:闇を統べるもの

闇の玉座


 奥の扉を抜けると、そこは広間だった。

 天井のランプは落ち、無数の松明が逆さに燃えるように壁に浮かんでいる。

 中央に鎮座する影の玉座。そこから立ち上がる、漆黒の鎧をまとった巨人――「影王」。


「ここが……支配者の間か」オリビエが剣を正眼に構えた。

「まるで“影”そのものが王座についているようですね」シャルルが低く呟く。


 影王の眼がぎらりと赤く光ると、床から無数の影兵が再び這い出してきた。



連携の開幕


「フェルナ、援護を!」

「了解!」


 矢が二本同時に放たれ、影兵の額を正確に撃ち抜く。だが霧散したと思えば、また別の影が浮かぶ。


「切りがないな……!」ヨハネスが低い声で剣を振るい、迫る一体を斬り裂いた。

「……まだまだだ……ヒソヒソ」


 その背後で、エリオットが手をかざす。

「――骸骨兵団、召喚」


 床を揺るがす音とともに、スケルトンたちが立ち上がる。白骨と影が衝突し、戦場が混沌に包まれた。



アリアの投げ


「影王――!」

 アリアが前に出て、突進する影王の剛腕を掴む。

「入り身投げッ!」


 ドンッ――!

 巨体が宙を舞い、床を割る衝撃が広間を駆け抜けた。


「馬鹿な……!」シャルルが息を呑む。

「また……触れている……」


 アリアは息を吐きつつ、手首の腕輪を確かめる。

「エリオットの腕輪、ありがたく使わせてもらう!」



決戦の技


 シルが影兵の群れに飛び込み、短剣を交差させた。

「ダブルスラッシュ!」

 流星のような二連撃が闇を裂く。


 フェルナは詠唱を終え、矢を放つ。

「――燕返し!」

 弾かれた矢が二度、三度と影兵を撃ち抜いた。


 ヨハネスが低く唸りながら一閃。

「……良い剣さばきだ……ヒソヒソ」



影王の最期


 戦場の中央で、アリアと影王が真正面からぶつかり合う。

 剣と拳が衝突し、火花が散る。


「オリビエ、今だ!」

「うむッ!」


 老騎士の剣が横から走り、影王の胴を裂いた。

 その瞬間、エリオットのリッチが呪詛を放つ。

「――終わりだ」


 影王の体が揺らぎ、音を立てて崩壊した。

 闇が晴れ、広間に静寂が訪れる。



宝箱


 玉座の後ろ、壁が音を立てて開き、重厚な宝箱が姿を現した。

「……出たな」バロスが目を輝かせる。


 中には、

•闇を祓う指輪(霊体ダメージ軽減+干渉可能)

•魔導の巻物(高位の封印魔術)

•大量の金貨と宝石


 仲間たちは歓声を上げた。


「これは大収穫だな」オリビエが笑みを浮かべる。

「……ふふふ、商売の匂いがしますねぇ」マリーヌが目を細める。

「ちょっと、最後は私の取り分だからな!」ルラが抗議し、皆が笑った。



締め


 勝利の余韻を胸に、彼らは再び出口へと歩き出す。

 待ち受けるは次の階層、さらなる試練。

 だが仲間と共にある限り、恐れるものはない――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ