アリアンロッド発展の章 第十六階層編 第4話:闇を統べるもの
闇の玉座
奥の扉を抜けると、そこは広間だった。
天井のランプは落ち、無数の松明が逆さに燃えるように壁に浮かんでいる。
中央に鎮座する影の玉座。そこから立ち上がる、漆黒の鎧をまとった巨人――「影王」。
「ここが……支配者の間か」オリビエが剣を正眼に構えた。
「まるで“影”そのものが王座についているようですね」シャルルが低く呟く。
影王の眼がぎらりと赤く光ると、床から無数の影兵が再び這い出してきた。
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連携の開幕
「フェルナ、援護を!」
「了解!」
矢が二本同時に放たれ、影兵の額を正確に撃ち抜く。だが霧散したと思えば、また別の影が浮かぶ。
「切りがないな……!」ヨハネスが低い声で剣を振るい、迫る一体を斬り裂いた。
「……まだまだだ……ヒソヒソ」
その背後で、エリオットが手をかざす。
「――骸骨兵団、召喚」
床を揺るがす音とともに、スケルトンたちが立ち上がる。白骨と影が衝突し、戦場が混沌に包まれた。
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アリアの投げ
「影王――!」
アリアが前に出て、突進する影王の剛腕を掴む。
「入り身投げッ!」
ドンッ――!
巨体が宙を舞い、床を割る衝撃が広間を駆け抜けた。
「馬鹿な……!」シャルルが息を呑む。
「また……触れている……」
アリアは息を吐きつつ、手首の腕輪を確かめる。
「エリオットの腕輪、ありがたく使わせてもらう!」
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決戦の技
シルが影兵の群れに飛び込み、短剣を交差させた。
「ダブルスラッシュ!」
流星のような二連撃が闇を裂く。
フェルナは詠唱を終え、矢を放つ。
「――燕返し!」
弾かれた矢が二度、三度と影兵を撃ち抜いた。
ヨハネスが低く唸りながら一閃。
「……良い剣さばきだ……ヒソヒソ」
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影王の最期
戦場の中央で、アリアと影王が真正面からぶつかり合う。
剣と拳が衝突し、火花が散る。
「オリビエ、今だ!」
「うむッ!」
老騎士の剣が横から走り、影王の胴を裂いた。
その瞬間、エリオットのリッチが呪詛を放つ。
「――終わりだ」
影王の体が揺らぎ、音を立てて崩壊した。
闇が晴れ、広間に静寂が訪れる。
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宝箱
玉座の後ろ、壁が音を立てて開き、重厚な宝箱が姿を現した。
「……出たな」バロスが目を輝かせる。
中には、
•闇を祓う指輪(霊体ダメージ軽減+干渉可能)
•魔導の巻物(高位の封印魔術)
•大量の金貨と宝石
仲間たちは歓声を上げた。
「これは大収穫だな」オリビエが笑みを浮かべる。
「……ふふふ、商売の匂いがしますねぇ」マリーヌが目を細める。
「ちょっと、最後は私の取り分だからな!」ルラが抗議し、皆が笑った。
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締め
勝利の余韻を胸に、彼らは再び出口へと歩き出す。
待ち受けるは次の階層、さらなる試練。
だが仲間と共にある限り、恐れるものはない――。




