旅立ちの時、そして新たな誓い
- 旅立ちの朝 -
激戦から一夜明け、街は静けさを取り戻していた。アリアたちは、冒険者ギルドで正式に依頼達成を報告し、グィネスバルト支部のギルド長クラウスと副長エレナから感謝の言葉を受け取った。
「君たちのおかげで、街は救われた。本当にありがとう」
クラウスは涙ぐみながら、頼りなげに頭を下げた。横に立つエレナは、しっかりとした眼差しでアリアたちを見つめ、深々と頭を下げた。
「皆さんの勇気ある行動に、心から感謝します。この恩は、一生忘れません」
ギルドの職員たちも、他の冒険者たちも、アリアたちに惜しみない拍手を送った。中には、「アルベドルフたちのせいで迷惑をかけられたが、あんたたちのおかげでスッキリしたぜ！」と叫ぶ者もいた。アルベドルフたちはすでに捕らえられ、厳重な処罰を受けることになっている。アリアは、みんなの笑顔を見て、心から安堵した。
そして、別れの時が来た。
「アリアさん、本当にありがとうニャ！ またいつか、月夜亭に帰ってきてほしいニャ！」
ミャオは、そう言ってアリアに抱きついた。
「もちろんだとも、ミャオ！ きっとまた、みんなの顔を見に来るから」
アリアはミャオの頭を優しく撫でた。
「アリアちゃん、お前と出会えて、俺は最高の気分だったぜ！ うひょー！」
イザベラは、相変わらずのハイテンションでアリアに抱きついた。
「ヒソヒソ…アリア…また会う日まで…ヒソヒソ…」
ヨハネスは、いつものように小声でつぶやきながら、静かに頭を下げた。
マキシとカテリーナも、アリアとの再会を喜び、そして別れを惜しんだ。
「アリアさん！ また会おうね！ その時は、もっと強くなっておくから！」
カテリーナは、目を輝かせながら言った。
「ああ。また、どこかでな、アリア」
マキシは力強くアリアの肩を叩いた。
そして、エリオット。彼は、アリアに深々と頭を下げた。
「アリアさん…本当に…ありがとう。僕、アリアさんと出会えて、たくさんのことを学んだよ。ありがとう！」
エリオットの目に、うっすらと涙が浮かんでいる。
「エリオット…！」
アリアは、エリオットを抱きしめた。
「エリオット…あなたと出会えて、私もたくさんのことを学んだわ。ネクロマンサーの魔法は、決して悪いものじゃないって。いつか、本当に困っている人を助けられる、立派なネクロマンサーになってね」
アリアの言葉に、エリオットは涙を流した。
「…うん！ アリアさん…！ 僕…頑張るよ！」
エリオットは、そう言って、アリアににこにこと微笑んだ。
アリアは、仲間たちに別れを告げ、街の門へと向かった。
ゴウ、リュウ、アキ、そしてエミリアも、アリアを見送りに来てくれていた。
「アリアちゃん！ また、どこかで会おうぜ！」
ゴウは、そう言って、手を振った。
「アリアさん、お元気で」
リュウは、そう言って、深く頭を下げた。
「アリアさん、あなたの旅が、素晴らしいものになりますように」
アキは、そう言って、優しく微笑んだ。
エミリアは、アリアの前に、立ちふさがった。
「アリアちゃん…！ あなたの旅は…まだ…始まったばかり。この街で得た経験を…胸に…これからも…頑張ってね」
エミリアの言葉に、アリアは、涙を流した。
「…エミリアさん…！ ありがとうございます！」
アリアは、みんなに深々と頭を下げた。
「みんな…！ みんなと出会えて、私は本当に幸せだった！ みんながいてくれたから、私は強くなれた！ 本当に…ありがとう！」
アリアは、そう叫び、街の門をくぐった。
アリアの独り旅が、再び始まった。
彼女の心の中には、たくさんの仲間たちの顔と、温かい思い出が、鮮明に残っていた。
「また会おうね、みんな…！」
アリアは、そう呟き、新たな旅路へと、歩み出した。
彼女の旅は、妹の病気を治すという目的から、いつしか、この世界の闇を晴らすという、大きな使命へと変わっていた。
アリアは、この世界のどこかで、また、新たな仲間たちと出会い、そして、新たな冒険を、繰り広げていくのだろう。
彼女の物語は、これからも、未来へと語り継がれていくだろう。
