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女騎士の独り旅!  作者: 和泉發仙


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城壁を越える者たち


孤独な旅路の果て、廃墟の街で集結した仲間たちと、ついに革命の火を灯したアリア。それぞれの役割を胸に、彼らの想いは一つとなり、邪悪な王が支配する城へと向かいます。

この物語は、城壁を越え、幾多の強敵と戦う者たちの激闘を描きます。情報屋、商人、魔術師、そして元兵士。過去にこの国を守ろうとした英雄たちが、アリアという希望の光に導かれ、再び立ち上がるのです。

仲間たちの得意な戦術と、子供たちの秘めた力、そしてかつての友情が交錯する壮絶な戦い。これは、革命の象徴として覚醒したアリアが、自らの手で運命を切り開いていく、最終決戦への序章です。


エトヴェズスの王城を遠くに望む丘の上に、アリアたちは集結していた。


隣国の領主から派遣された軍勢、マリーヌが雇い入れた傭兵隊、そしてオリビエの古き戦友たちが、静かに、しかし、確固たる決意を胸に、時を待っている。


「…いよいよだな…」


オリビエが、アリアの隣で、静かに言った。アリアは、大きく頷いた。


「…はい。みんな…この時のために…」


アリアの言葉に、オリビエは、にこにこと微笑んだ。

「…さあ、アリア。君の…出番だ」


アリアは、一歩前へと、踏み出した。そして、傭兵隊の前に立ち、剣を天高く掲げた。


「…みんな! 私は…サンマルノ王国の騎士団長の娘、アリアです! この国の…闇を…晴らすために…戦います!」

アリアの言葉に、傭兵隊は、歓声を上げた。

「…さあ…行くぞ…! 城を…攻めるぞ!」

アリアは、そう叫び、城へと、向かって走り出した。アリアの後に続き、傭兵隊、そしてオリビエたちが、一斉に、走り出した。


城攻めは、まず、マリーヌと傭兵隊が、城壁を突破することから始まった。


マリーヌは、傭兵隊を率い、城壁に取り付いた。


「…ふふふ…さあ…お仕事の時間だねぇ…」


マリーヌは、不気味な笑みを浮かべ、傭兵隊に、指示を出した。傭兵隊は、マリーヌの指示に従い、城壁を登り始めた。しかし、城壁の上からは、弓矢が、雨のように、降り注いでくる。傭兵隊は、次々と倒れていった。

「…くそっ…! 弓兵が…多すぎる…!」


傭兵隊のリーダーが、そう叫んだ。

その時、アリアの心に、シャルルの声が、響いてきた。


「…アリア! 私が…援護する!」


シャルルは、遠くから、城壁の上にいる弓兵たちに、ファイアボールを放った。ファイアボールは、弓兵たちに、見事に命中し、弓兵たちは、次々と倒れていった。


「…うひょー! シャルル! ナイスだぁ!」


イザベラが、遠くから、シャルルに、叫んだ。その隙に、マリーヌと傭兵隊は、城壁を突破し、城の中へと、侵入した。


しかし、城の中には、新たな敵が、待ち構えていた。鎧を身につけた、屈強な兵士たちが、マリーヌたちの前に、立ちふさがった。


「…ふふふ…騎士団長直属の…重装歩兵隊か…」


マリーヌは、そう言って、ニヤリと笑った。重装歩兵隊のリーダーは、アドッペルゲンガー。彼は、見るからに、屈強な男で、巨大な両手剣を、持っている。彼の顔には、たくさんの傷跡があり、彼の過去を物語っている。

アドッペルゲンガーは、マリーヌたちを、じっと見つめ、こう言った。


「…マリーヌ…裏切者め…! お前を…許さん!」


アドッペルゲンガーは、そう叫び、マリーヌに、襲いかかった。マリーヌは、アドッペルゲンガーの攻撃を、ひらりと、かわした。


「…ふふふ…アドッペルゲンガー。相変わらず…単純だねぇ…」


マリーヌは、そう言って、アドッペルゲンガーに、何かを投げつけた。アドッペルゲンガーは、マリーヌが投げたものを、素手で受け止めた。それは、ただの石ころだった。


「…ふん…こんなもので…俺を…倒せるものか!」


アドッペルゲンガーは、そう言って、石ころを、地面に投げ捨てた。しかし、その時、石ころが、突然、爆発した。


「…な…なんだ…!?」


アドッペルゲンガーは、爆発に巻き込まれ、地面に倒れ込んだ。


「…ふふふ…それは…イザベラの特製爆弾だよ…」


マリーヌは、そう言って、嘲笑った。その隙に、傭兵隊が、重装歩兵隊に、襲いかかった。重装歩兵隊は、傭兵隊の奇襲攻撃に、次々と倒れていった。


その頃、アリアたちは、別の場所で、敵と戦っていた。アリアたちの前に、新たな敵が、姿を現した。それは、魔法を操る、魔術師たちだ。


魔術師たちのリーダーは、メフィスト。彼は、見るからに、高慢な男で、顔には、奇妙な模様が描かれている。彼の階級は、宮廷魔術師。彼は、邪悪な王に、忠誠を誓っている。


「…ふん…子供たちが…王城に、何の用だ…?」


メフィストは、そう言って、アリアたちを、見下した。アリアは、メフィストの言葉に、怒りを露わにした。


「…あなたたちを…倒しに、来た!」


アリアは、メフィストに向かって、走り出した。しかし、メフィストは、アリアに、魔法を放った。


「…ファイアーボール!」


ファイアボールは、アリアに向かって、飛んできた。その時、アリアの背後から、ヨーデルが、叫んだ。


「…アリアさん危ない! ウォーターボール!!」


ヨーデルは、そう叫び、アリアに、水をかけた。水は、ファイアボールに、見事に命中し、ファイアボールは、消滅した。


「…な…なんだ…!?」


メフィストは、驚きを隠せない。ヨーデルは、そう言って、にこにこと微笑んだ。


「…僕…水の魔法が、使えるんだ!」


ヨーデルは、元々、水の精霊に、愛された子供だった。その力は、この城に来てから、さらに強くなっていた。ヨーデルは、水の魔法を使って、メフィストの魔法を、次々と、打ち消していった。その隙に、アリアは、メフィストの懐に、飛び込んだ。

アリアは、メフィストに、剣を突きつけた。


「…もう…終わりだ…!」


アリアの言葉に、メフィストは、恐怖に顔を引きつらせた。メフィストは、アリアの剣の前に、ひざまずいた。


その頃、城の奥では、オリビエとヨハネスが、将軍級の敵と戦っていた。


オリビエの前に、立ちふさがったのは、ナイトメア。彼は、見るからに、冷酷な男で、顔には、仮面をつけている。彼の階級は、王城騎士団長。彼は、かつて、オリビエの親友だった。


「…オリビエ…なぜ…お前が…ここに…


ナイトメアは、そう言って、悲しそうな顔をした。オリビエは、ナイトメアの言葉に、心が痛んだ。


「…ナイトメア…私は…この国の…闇を…晴らしに、来た…」


オリビエの言葉に、ナイトメアは、首を横に振った。

「…オリビエ…お前は…変わってしまったな…」


ナイトメアは、そう言って、オリビエに、剣を構えた。オリビエは、ナイトメアの剣の動きに、驚きを隠せない。ナイトメアの剣は、オリビエの剣よりも、速く、重い。オリビエは、ナイトメアの攻撃を、必死にいなした。


「…くっ…強い…!」


オリビエは、ナイトメアの力に、絶望した。しかし、その時、オリビエの心に、アリアの声が、響いてきた。


「…オリビエさん! 諦めないで!」


アリアの声に、オリビエは、はっと我に返った。そうだ…自分は…一人ではない。アリアたちがいる。オリビエは、ナイトメアに向かって、剣を振るった。


一方、ヨハネスの前に、立ちふさがったのは、アバドン。彼は、見るからに、巨大な男で、顔には、大きな傷跡がある。彼の階級は、王城親衛隊隊長。彼は、かつて、ヨハネスの部下だった。


「…ヨハネス…なぜ…お前が…ここに…」


アバドンは、そう言って、ヨハネスを、睨みつけた。ヨハネスは、アバドンの言葉に、悲しそうな顔をした。


「…ヒソヒソ…アバドン…お前は…変わってしまったな…ヒソヒソ…」


ヨハネスの言葉に、アバドンは、怒りを露わにした。


「…うるさい! 俺は…この国を…守るんだ!

アバドンは、そう叫び、ヨハネスに、巨大な斧を、振り下ろした。ヨハネスは、アバドンの攻撃を、ひらりと、かわした。


「…ヒソヒソ…アバドン…お前の…動きは…読める…ヒソヒソ…」


ヨハネスは、そう言って、アバドンの懐に、飛び込んだ。そして、ヨハネスは、アバドンの腹部に、剣を突き刺した。


アバドンは、悲鳴を上げ、地面に倒れ込んだ。ヨハネスは、アバドンの遺体を見て、涙を流した。


「…ヒソヒソ…アバドン…すまない…ヒソヒソ…」


ヨハネスは、そう言って、アバドンの遺体を、優しく撫でた。そして、ヨハネスは、オリビエの元へと、向かった。


オリビエは、ナイトメアとの、激しい戦いを繰り広げている。ヨハネスは、ナイトメアの背後から、そっと、近づいた。そして、ヨハネスは、ナイトメアの背中に、剣を突き刺した。


ナイトメアは、悲鳴を上げ、地面に倒れ込んだ。


「…オリビエ…すまない…」


ナイトメアは、そう言って、息を引き取った。オリビエは、ナイトメアの遺体を抱きしめ、涙を流した。


「…ナイトメア…君を…忘れない…」


アリアたちの活躍と、オリビエたちの犠牲により、城攻めは、成功へと向かっていた。残るは、王城の最上階にいる、邪悪な王だけだ。


アリアの旅は、東の国で、激しい戦いを経て、最終決戦へと、向かうのだった。彼女の物語は、未来へと語り継がれていくだろう。



ついに始まった革命の城攻め。

この戦いは、単なる武力衝突ではありませんでした。マリーヌとアドッペルゲンガーの因縁、ヨーデルの秘められた力、そしてオリビエとヨハネス、それぞれの過去の親友や部下との悲しい対決。彼らは、王の支配に屈した者たちと、自分たちの信じる正義のために、悲痛な戦いを繰り広げたのです。


仲間たちの得意な戦術が連携し、子供たちの秘めた力が覚醒する。そして、アリアという希望の光が、すべての仲間たちを奮い立たせ、戦いを勝利へと導きました。しかし、その代償として、かつての友情や絆が断ち切られてしまった場面もありました。


残るは、城の最上階にいる邪悪な王。アリアたちは、すべての想いと犠牲を胸に、最後の決戦へと向かいます。妹の病を治すという個人的な願いと、この国の闇を晴らすという大きな使命。アリアの物語は、この戦いで一つの結末を迎えることになるでしょう。


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