老騎士の過去、そして錬金術師との出会い
悲しき過去と、新たな希望
東の国エトヴェズスで、ようやく見つけ出した伝説の薬の本。しかし、そのレシピはあまりにも難解で、アリアたちだけでは解読することすら叶わなかった。絶望が再びアリアたちの心を覆い始めたその時、老騎士オリビエの言葉が、一筋の光を差し込む。
「私には、知り合いの錬金術師がいる」
この言葉を頼りに、アリアたちは森の奥深くへと足を踏み入れた。道中、オリビエが語る、裏切りの過去。それは、かつて彼が愛した弟子であり、今は敵となった男、ワーテルとの悲しい物語だった。
これは、失われた絆の物語であり、新たな出会いと希望に満ちた物語。アリアたちの旅は、今、新たな局面へと向かう。
本に書かれていたレシピは、アリアが想像していた以上に、複雑で難解なものだった。
「…これ…どうやって作るんだろう…?」
アリアは、本を手に、頭を抱えた。
その時、オリビエが、アリアに、にこにこと微笑んだ。
「…アリア、心配ない。私には、知り合いの錬金術師がいる。彼女なら…この薬を、作ってくれるだろう」
オリビエの言葉に、アリアたちは、希望を見出した。
オリビエの知り合いの錬金術師、イザベラは、この街から、少し離れた場所に住んでいるという。
アリアたちは、イザベラの元へと向かうことにした。
ヨーデル、リマ、マキシ、カテリーナも、アリアたちに同行してくれた。
道中、アリアは、オリビエに、彼の過去を、尋ねることにした。
「…オリビエさん…ワーテルは…どうして、あなたを裏切ったんですか?」
アリアの問いに、オリビエは、遠い目をした。
「…ワーテルは…かつて、私の弟子だった。彼は…才能があり、将来を嘱望されていた…」
オリビエは、語り始めた。
オリビエは、この国で、一番の騎士だった。しかし、邪悪な神が、この国を支配するようになった時、オリビエは、神に、従うことを拒んだ。
その結果、オリビエは、騎士の地位を追われ、この街の片隅に、一人で住むことになった。
「…ワーテルは…邪悪な神に…忠誠を誓った。彼には…才能があった。だが…その才能を…私利私欲のために…使ってしまった…」
オリビエの言葉に、アリアは、心が痛んだ。
「…ワーテルは…私を…裏切った。しかし…私には…彼を…憎むことはできない…」
オリビエは、そう言って、悲しそうな顔をした。
「…彼は…私にとって…息子のような存在だったから…」
オリビエの言葉に、アリアは、言葉を失った。
オリビエの過去は、アリアが想像していた以上に、悲しいものだった。
その時、ヨーデルが、オリビエの服の袖を、そっと引っ張った。
「…オリビエさん…大丈夫…? 俺たちが…いるから…」
ヨーデルの言葉に、オリビエは、にこにこと微笑んだ。
「…ああ…ありがとう…ヨーデル」
アリアたちは、オリビエの過去を聞きながら、イザベラの家へと、向かった。
イザベラの家は、森の中に、ひっそりと建っていた。
家からは、煙突から煙が出ており、中からは、何かが、爆発するような音が、聞こえてくる。
「…うひょー! 今の…最高の爆発だぁ!」
女性の奇声が、家の中から、聞こえてきた。
アリアたちは、顔を見合わせた。
「…あの…大丈夫かな…?」
ヨーデルが、不安そうな顔で、そう言った。
アリアは、勇気を出して、家の扉を叩いた。
扉が、乱暴に開けられた。
そこに立っていたのは、ぼさぼさの髪に、白衣を着た、一人の女性だった。
彼女の顔には、煤がついており、まるで、実験に失敗した科学者のようだ。
「…なんだ…!? 客か!? 今…最高の実験中なんだ! 後でにしてくれ!」
女性は、そう言って、扉を閉めようとした。
その時、オリビエが、女性に、声をかけた。
「…イザベラ! 私だ! オリビエだ!」
女性は、オリビエの声に、動きを止めた。
「…え…? オリビエさん…!?」
女性は、オリビエの顔を見て、目を丸くした。
そして、女性は、オリビエに、抱きついた。
「…うひょー! オリビエさん! 久しぶりだぁ!」
オリビエは、イザベラの抱擁に、戸惑いながらも、嬉しそうな顔をした。
アリアたちは、イザベラの家兼作業場へと、招き入れられた。
家の中は、たくさんのフラスコや、ビーカーが置かれており、まるで、研究所のようだ。
イザベラは、アリアたちに、お茶を淹れてくれた。
お茶を飲みながら、アリアは、イザベラに、自分たちの目的を伝えた。
「…イザベラさん。実は…妹の病気を治すための…薬を作ってほしいんです」
アリアは、そう言って、図書館で見つけた、伝説の薬の本を、イザベラに見せた。
イザベラは、アリアから本を受け取ると、目を丸くした。
「…うひょー! これは…伝説の薬の本じゃないかぁ!」
イザベラは、そう叫び、本を、食い入るように見つめた。
「…このレシピ…すごい! こんな組み合わせ…考えたこともなかった! うひょー! 最高だぁ!」
イザベラは、興奮のあまり、本を抱きしめ、ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
アリアは、イザベラのハイテンションに、戸惑いながらも、嬉しかった。
この薬を、作ってくれる人が、見つかったのだから。
「…イザベラさん…この薬を…作ってくれますか…?」
アリアの問いに、イザベラは、真剣な表情を浮かべた。
「…もちろん! 作るさ! うひょー! こんなに素晴らしい薬…作らないわけにはいかないだろう!」
イザベラの言葉に、アリアたちは、安堵の表情を浮かべた。
そして、アリアたちは、今後のことを、話し合うことにした。
「…この薬を作るには…いくつかの…珍しい材料が必要だ。それに…かなり時間がかかる…」
イザベラは、そう言って、本に書かれている、材料を指差した。
「…この材料…どこにあるか…?」
マキシは、そう尋ねた。
イザベラは、首を横に振った。
「…わからない。この街には…ないものばかりだ…」
イザベラの言葉に、アリアたちは、再び、絶望しかけた。
しかし、その時、オリビエが、アリアたちに、にこにこと微笑んだ。
「…心配ない。私には…この国の…地理に詳しい…仲間がいる…」
オリビエの言葉に、アリアたちは、目を輝かせた。
オリビエは、昔の仲間たちに、協力を求めてくれるという。
そして、イザベラもまた、アリアたちに、こう告げた。
「…うひょー! みんな! 旅の準備だぁ! 私は…この薬を作るために…最高の実験室と…材料を…用意する! うひょー!」
イザベラのハイテンションに、アリアたちは、笑顔になった。
そして、アリアたちは、イザベラの家で、しばらく、過ごすことにした。
アリアは、イザベラのハイテンションな性格に、少し戸惑いながらも、彼女の錬金術に対する情熱に、心を打たれた。
イザベラなら、きっと、この薬を、作ってくれる。
アリアは、そう信じていた。
アリアの旅は、東の国で、新たな仲間たちと、希望の光を見出すのだった。
彼女の物語は、未来へと語り継がれていくだろう。
受け継がれる心、紡がれる希望
東の国の廃墟と化した街で、アリアはまたしても新たな仲間と出会いました。
厳格な騎士のオリビエと、破天荒な錬金術師のイザベラ。対照的な二人ですが、彼らの心には、弱き者を守りたいという共通の想いが宿っています。そして、オリビエの口から語られた悲しい過去は、アリアの心に深い影を落としながらも、彼女の決意をより一層固いものにしました。
妹の病を治す薬のレシピは手に入れたものの、その材料は未知の場所にあるようです。しかし、この困難な状況も、新たな仲間たちとの絆を深めるための、重要な旅の始まりに過ぎません。
アリアは、それぞれの得意分野を活かした仲間たちと共に、この街の、そして妹の病の闇を晴らすことができるのでしょうか。新たな旅の行方は、まだ誰にもわかりません。
アリアの物語は、これからも、未来へと語り継がれていくでしょう。




