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冬の涙、春の恋  作者: 赤良狐 詠
現代B(夢の奥、記憶の欠片)

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6/24

また夢を見た

 春は帰宅してからすぐに薄化粧を流してリラックスタイムに突入するための装備を身に着けてソファーに腰を下ろした。


 最近は帰宅してからはもっぱらサブスクで昔のアニメ作品を視聴している。話数も多く見ていて懐かしく楽しい気持ちになる。


 講義中に感じていた物悲しさは美幸とのランチのおかげで何処かに消え去っていた。部屋を見渡して本棚のところで目が留まった。


 春はそのまま中学の卒業アルバムを手に取って、ソファーに腰かけて思い出の扉を開いた。各クラスの写真を見て懐かしい顔ぶれに懐かしい地元の光景や思い出が再生された。


 ページをめくっていると美幸を見つけた。あどけないアンニュイな表情でこちらを見つめている彼女と現在の彼女が重なり時間の経過を感じた。


 アルバムを見て思い出に浸っていたら、やるせなさと虚しさが襲ってきたが、すぐに昔見ていたアニメを見て気を紛らわせた。冷凍パスタで夕食を済ませて、シャワーで暖まってからベッドへ入って夢の中へ漕ぎ出した。


 夢はいつも不安定だ。自分の意志ではどうしようもない展開になる。どうして望まぬ状況になってしまうのか不思議でならない。


 新緑が芽生え始めた並木道を美幸と手を繋いで歩いている。しかし、美幸だったはずの手はいつの間にか他の人の手に変わっていた。


 美幸よりも大きな掌が右手を覆っていた。その手に安心感はなく溜まらなく虫唾が走って来た。


 その人は笑顔を作りながら自分へ語りかけているけれども声は聞こえない。並木道だった光景は唐突に部屋の中へと移った。


 何度か行ったことがある部屋だと思った。春には興味のないヒーローのフィギュアや変身道具が飾れた棚が目に入った。


 大きな手が伸びてきて、こちらへ来いと誘っている。そこに行ってはいけないということは分かっているのに、誘われるがままにその人の元へ引き寄せられた。


 この後何をされるのか、知っている気がした。


 それは嫌なことだったのに、抗えない気がした。


 自分の意志と関係なく、隣に座って彼へ顔を近づけた。


 そこで春は夢から現実に戻った。目を覚ました瞬間、眠りながら泣いていたことに気がついた。

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