浅はかな考え
しばらく怒られることも無く平凡に暮らしていたが
ちょくちょく出る私の手癖の悪さ。
相変わらずのお菓子好きで隠れて食べる所は変わらなくて
今日も学校から帰ると用意されている分じゃ足りない私は
少し高そうな缶に入ったクッキーを見付ける。
何種類ものクッキーがあり
1枚ずつならバレないだろうと思い
そのクッキーを私は食べた。
しかしそんな幼稚な考えはすぐに母にバレてしまい
怒られてしまった。
お客さん様に買っていた物らしく
今回はかなり怒っている母。
「なんでお前はいつもいつも!!!!」
そう怒鳴りながら頬を叩かれた。
そしてその直後に仕事でパートさんに呼ばれた母は
仕事場の方へ向かったのを見て
私は今回は自ら家を飛び出したのだった。
団地のある一軒家にあまり使われていない倉庫があり
そこに身を潜めていた。
前回の事もあり、家出しても心配して
また許してくれるだろうと思っていた。
その日は団地だけで私の捜索が始まったのだが
私は見付かることなく一晩を倉庫で過ごした。
両親は朝起きていることが無く
学校に行く時も菓子パンが用意されていて
自分で起きて1人でパンを食べ
団地組と一緒に集合場所に向かっていたのだが
一晩帰らなかった私は学校の用意を取りに家に行くと
鍵が開いていた。
恐らく私が帰ってくると思って
開けといてくれたのだろう。
ホッとしてそーっと家に入りリビングに行くと
父が起きて待っていたのだった。