発見
「ごめんなさい!!開けてー!!」
泣きながら叫び、家のチャイムを鳴らすが
母は開けてくれない。
しばらく泣き開けてと懇願し続けていたが、
初めて家を追い出されて余程ショックだったのか
私はフラフラと夜道を歩き出していた。
私の住んでいた団地は村から少し離れていて
小学校の登校は集団登校だったため
村の中心にある神社が集合場所だった。
さすが田舎、と言えるくらい
19時以降になると人は全然歩いていない。
家から追い出されたときの母の顔が怖くて
夜の静けさや暗さでの恐怖なんて微塵もなかった。
そして私は普段集合場所である神社に辿り着き
ぼーっとしていた。
どれくらい経ったのか
しばらくすると懐中電灯を照らす人影が見え
私の名前を呼ぶ声も聞こえる。
咄嗟に私は身を隠す場所を探し
神社の本殿の下に逃げ込んだのだった。
パトカーも見えて、何人もの大人たちが私を探している。
私は何故か見付かったら怒られると思い
見つかりませんようにと願いながら身を潜めていた。
たが神社の周りにも人が来ている気がした私は
別のところに移動しようと動き出したときに
近くの家の犬に吠えられてしまった。
その犬は家族以外の人には吠えることを
村の人たちは知っていたので
懐中電灯の明かりが私を照らす。
私を見付けたのは警察官だった。
(あぁ、見付かってしまった…怒られる...)
そう思った時には
私はパトカーに乗せられていた。