ブラコン
1991年の春、私は産まれた。
その4年後に弟が産まれた。
名前は大我【タイガ】
私の家系はずっと野球好きで父が好きな
阪神タイガースから名前を取ったそう。
最初は寅吉【トラキチ】とか虎太【トラタ】とか
そんな名前を考えていたらしいが、母が気に入らず
大きい我と書いて
寛大で自分をしっかり持っている人になってほしいという
そんな意味を込めて付けた名前になった。
自営業で共働きだった父と母は弟が産まれて1歳になる前には
私たち2人を保育園に預けた。
私は弟が大好きだった。
保育園でもすぐに赤ちゃん組に行っては
危なっかしい手つきで抱っこをしたりして心底可愛がった。
父と母は仕事で迎えが遅くなる事もあったが
弟と一緒にいる時間が楽しくて寂しいという気持ちはなかった。
そして私が年長組になり、同じ年の子たちは卒園していった。
幼稚園は午前中までで終わりのため父と母の都合で
私だけ夕方まで預かってくれる保育園に残ることになったのだ。
周りは年下。
背丈も私が1番大きくて浮いた存在。
そんなこともあり私はより一層、弟にベッタリだった。
私の保育園生活は弟が中心と言ってもいいくらい
何をするのも弟と一緒だったため、その頃の写真には
どれを見ても2人が一緒に写っていた。
そして私が保育園を卒園し、小学生の入学式。
懐かしい顔ぶれが沢山いて小学校生活が楽しみになった。
母はエプロンや体操着袋、シューズ入れなどを
私の好きなキャラクターの柄で全て手作りで作ってくれた。
私が住んでいたのは団地で7軒程の家族が居たため
団地組の子供たちは常に一緒に遊び
家族ぐるみでBBQをしたり子供たちのお泊まり会など
大家族のような関係だった。
そして私が小学三年生になった頃に事件は起きた。