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ラーディオヌの秘宝  作者: 一桃 亜季
10/39

クリスタルドール

「封じられた魂」後編で続いています。

お付き合いよろしくお願いします。


 2作で文庫本一冊くらいになる分量で書いています。

        ※



「どうしてあの者を処分してくださらないのです?」

 非難めいた視線を向けて来る女性に、アセスは殊更優しそうな作り笑いをした。


「まだ子供ですから、作法が出来ていないのも私の責任です」

「アセス様は優しすぎますわ」

 フェリシアのくだらない話に付き合いながら、既にアセスの堪忍袋の緒はぶっちりと切れてしまっている。


 ある意味、その危機を察知して、素早く退出したナンスは賢明だった。

 母に似ているというだけで辟易しているのに、こう煩くては、迷惑なだけである。


「許せませんわ。婚約者より、使用人を庇うなんて」

 頭の中でアセスが、この女をどう始末するかと物騒なことを考えていると知らず、フェリシアはアセスとの距離を縮めた。


 接近する豊満な体は、胸の豊かさを強調するドレスで覆われ、アセスの身体に押し付けられる。

「美しいお顔」

 嫌な思いをさせられたのだから、機嫌をとれとでも言いたげな態度は、彼女の体の艶かしさから伝えられてくる。


「わたくし、初めてお目通りしたときから、お慕いしておりましたの」

 そう言って彼女は、アセスの手を握る。そしてアセスの髪をなでる。

 そのとき走馬灯のように、母との苦い思い出が甦ってきた。



「ラーディオヌの秘宝10」:2020年10月25日

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