第四十話 移住
「それじゃ要望を聞いとこうか」
エマ達がいる広場へ。
「――が欲しいわね」
「――があるといいなぁ」
皆思い思いに欲しい物を告げる。
「ほいほい、それじゃ探してくるよ。ただ、流石に今日中は無理だな」
「じゃあ一旦外でキャンプするか」
聖獣達がいるから宿屋は無理だな。
「街に一人残しておいてくれ」
「じゃあ俺が」
「了解」
宿で部屋をとる。
翌日の昼。
「おう。何件買えそうな家を見つけてきたぜ」
「はやいな」
早速皆と相談。
「これかな」
「これですかね」
「いいね」
「実際見にいってみよう」
庭付き一戸建て。そこそこ広い庭に家は2階建て、風呂もついている。
「比較的新しいわね」
「仕事の都合で他の街へ引っ越したらしい」
内部を見てまわる。
「ここで!」
購入決定。
「決まりだな。じゃあ後はギルドを通して購入だ」
それから一週間後、手続きが全て終わり購入した家に住めるようになった。
「遂に移住できたな」
「結構歩いたわね」
「フォスフォス」
「おっとフォース達のエサを確保しないとな」
「ここは牧畜が盛んだから牧草は色々あるみたいだよ」
何種類か牧草を購入してフォース達に食べさせてみる。満場一致で同じ草を指差した。
「ジェムは虫なんかも食べったけな。たまに近くの森へ連れて行ったりすればいいか」
「キュイ!」
皆居間へ移動。
「あー、地に足がつく生活っていいな」
「ハハハ、ただこれからここで生活していくとなると、お金稼ぎを考えていかないとな」
「そうだね、私は鍛冶関係で仕事探してこようかな。そうそうオヌバルトが刃部分くらい溜まったからそれでタイカンの武器作ってみる? まだ施設がなくてすぐには作れないけど」
「頼むよ。先に日本刀の作り方を教えておかないとな」
「うんー」
「私はギルドで仕事をもらう感じかなぁ」
「私もギルドで」
「俺もかな」
「冒険者ランク上げを頑張るといい。高ランクほどいい仕事が貰える。ちなみに私は高ランク冒険者だから~」
ちらっとギルドカードを見せるファーン。
「えーっと、9! 高っ」
「確か最高で10でしたよね」
「破獣や強い魔獣を狩りまくっていたからね」
「そいや忙しそうにしてたな」
「そそ」
「さて、私はお晩ごはんを」
「手伝います」
「私は、お湯張ってこよう」
「フォース達とたわむれてくる」
フォース達は芝生の上で気持ちよさそうに眠っていた。ジェムはフォースのボディから顔だけ出していて、ポウにいたっては埋まっていた。俺もここへそっと顔を埋める。幸せ。
「タイカン、ご飯よ」
ん? おっといけない。少々寝すぎたようだ。
「顔が埋まってたからちょっと驚いたけど」
皆と夕ご飯。
「この街には大きな闘技場があるんですよ。運動するには丁度いいですね」
「もう何度か行ってます」
「へぇ、後で行ってみようかな」
食後、お客さんが。
「ん? ブラッドか。どうした?」
「移住祝だ。これ、つまらないものだが」
「ありがとう」
「いやぁ、俺もまだまだだな。ブラッド20歳、この仕事極めたかと思ってたけど」
「いよいよどうした?」
「ハハ、アンタラの正体に気づけなかったってことさ」
「それか」
「ゴッドハンドに元アルティメット候補者、それからチンピラ屋」
「まあ伝わっているだろうなとは思っていた」
(それにアンタが王役をやったことも知ってるぜ)
(おおう? それまずくないか)
(さすがにS級、最高ランクの情報だ。簡単には話さないがな)
「ところでどうやって俺達の正体? に気付いたんだ?」
「ゴッドハンドが闘技場で訓練したときさ」
そう言えば何度か行ったって言ってたな。
「そうそう、本題はそれよ。どうせいつかはバレるんだから、今のうちにドカッと皆に力を見せつけたほうがおいたほうがいいんじゃないかと思ってな」
「一理あるな。しかし、それをわざわざ言いにここへ?」
「ああ、今後よろしくおねがいしますの挨拶と一発で気づけなかった俺に対する戒めでもある、かな」
「はは、なるほど。そんな情報でもいつものアンタラは金とるもんな」
「おうよ」
なかなかプライドが高いだな。だがそういうヤツ、キライじゃない。
「じゃあな」
家を去るブラッド。
「かくかくしかじか」
皆に説明した。
「じゃあ闘技場で暴れればいいってことか」
「まあそういうことだ」
「ジェム達も連れて行こう」
「今日はもう夜だし明日だけどね」
「さーて、お風呂にはいろっか!」
その後順番にお風呂へ。
「タイカンいいよ~」
俺の番。
「ハ~、お風呂はいいね。これは日本人のソウルがそう思わせるのかねぇ」




