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第三十九話 旅の終着点

 それから約1ヶ月。ついに俺達は獣人領にたどり着いた。


「ようやく着いたな」


「長旅だったわね。楽しかったけど」


「ハハ、そうだな」


「最後の検問所は妙に厳重というか厳しかったですね」


「人の流出を防ぐためじゃないかな。冒険者はほぼいつもどおりだけど、一般人は滅茶苦茶厳しい審査があるらしい」


「なるほど」


「さーて、早速街が見えてきた」


 そこまで大きな街ではないが非常に豪華な装飾が施された壁等が目に入る。


「なんかすごそうなところですね」


「お金かけてるな」


 街の入口に到着。


「皆で街に入るのは初めてですね」


「おーし、いくか!」


 街の衛兵に話しかけた。


「済まないがここは選ばれた人間しか入れないんだ」


「おおー?」


「まあ、選ばれたってのは大げさか。早い話お金持ちや権力者等、おえらいさんが住んでいる街なのさ」


「妙に豪華な雰囲気があったのはそのせいですか」


「そんなところだ」


 入り口から少し離れる。


「ん~、まさかの門前払いとか」


 ふーむ、ゴッドハンドの名を使えば入れるだろうか。いや、無理矢理入ってもここで生活は難しそうだな。やめとこ。


「他にも街があるって話だから、そちらを探そうか」


 地図を取り出す。


「今ここ。となると北か南だな」


「位置的には獣人領線の真ん中へんだね」


「ん~、そうだな。とりあえずここらでキャンプできそうな場所を探してそこで相談しようか」


「はーい」


 キャンプにはいい場所を見つけテントを張る。


「まずは皆の、今後の身の振り方からだな」


「いい場所があればそこで暮らしたいわね」


「俺もエマと一緒に暮らす」


「私も一緒に暮らす~」


「ミラはどうする?」


「一応旅が目的ではあるんですが、世界の大半をもう周りましたからね。それともっと強くなるために体を鍛えたいんでとりあえず一旦旅をやめて修行しようかと。なので皆さんと一緒に」


「じゃ全員一緒に暮らすってことで」


「ほい、次はその場所だな」


「各人の要望を聞いてそれが全部あるところがまあ理想的か」


「そうね」


 皆要望を聞いた。


「後は手分けして探そう」


「キャンプ場はエマに任せて他三人は街探しかな。エマ、最後のお留守番頼むよ」


「わかったわ」


 微笑むエマ。

 翌日。


「よし! 各自出発!」


 こうして移住先を探すことになった。ただ全員の要望を叶える場所というのはなかなか無く。

 一ヶ月後。


「全員の要望を叶える街はありませんね」


「んだなぁ」


「んじゃ、それに近いところか」


 とりあえず情報をまとめる。


「人魔獣皆が暮らしている街は全部で6つ。結構あるな」


「うち二つはほぼ村ですね」


「多少大きいほうがいいか。となると残りの4つかな」


「後はと。この街は大きな闘技場があって鍛冶もなかなか盛ん、と」


「おお、ここがいいね」


「いいですね」


「決まりかな?」


「じゃあここだな。まあまだ住めると決まったわけではないが」


 翌日出発。それから一ヶ月後、街に着いた。


「ここね」


 衛兵にカードを見せ街に入る。


「皆で街に入るのは、今度こそ初めてですね」


「そうだな」


 周りを見渡す。人、魔、獣が一緒に混じり合って暮らしていた。獣人領ってことで獣人のほうが少し多いが。


「ようやくこの光景に出会えたか」


「そうね」


「おーっと、まだまだここで暮らせると決まったわけじゃない。湿っぽい話は無事移住できてからにしよう」


「とりあえ、荷物は一旦広場に」


 広場にエマとファーンを残して情報屋を探す。


「ん? ここで暮らしたい?」


「ああ」


「無理かなぁ。市民権得るのはとんでもなく大変だ」


「そうなのか」


 両肩をこれでもかと落とす。ガッカリ。


「話はまだ終わってねーよ。ただし冒険者なら「ここを拠点に活動する」ってことにすればここで暮らすことが出来る」


「それをはやく言おーぜ」


「はは、悪い。住みたいところを見つけたら、ギルドで簡単な手続きをするだけでもうそこ住むことが出来る」


「そんなに簡単なのか」


「さらにその間に街や国に貢献すれば市民権を得られる場合もある。そろそろ冒険者をやめるって時はこのへんを考えて行動したほうがいいぞ」


「なるほどな」


「後は住む家探しか」


「何人いるの?」


「男一人の女三人。動物大型一匹の小型二匹だ」


「なかなか大所帯だな。結構金もかかるか」


「いくらくらい?」


「そうだな――」


「それなら買えるな」


「おほ、金持ってんね。よーし、サービスだ。俺が家を探してきてやろう。もしかしたら長い付き合いになるかもしれないからな」


「そいつはありがたい」


「あ、俺はブラッドてんだ、よろしくな」

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