第三十六話 色々知ってるファーン
確かかなりレアな鉱石って話だな。
「へぇ、宝石かと思ってたけど鉱石のオヌバルトだったのか」
鉱石館で見たものは適当な鉱石に「?」マークを貼ってあっただけだったな。まあ一般で流通してないって話だからしょうがないけど。
「そうなんだ。宝石のように美しい鉱石、それがオヌバルト」
「アルティメットマスターの武器にも使われているって話だったね」
「一部にね」
「ただこれだけの量じゃ短剣にすらできないなぁ。当然刃物部分だけで計算したとして」
「ジェム、もしかしたら俺達が欲しくなっちゃうかもしれないけどその時は貰っていい?」
「キュキュ!」
(いいぜ、持ってけよブラザー)そう言っているように聞こえた。カワイイ。
「あっ」
「ん?」
「ジェム、それが落ちていたところへ連れてってもらえるか」
「キュ!」
「おお。もしかしたらいっぱいあるかも!?」
「ちょっと行ってくるよ」
ジェムの後を追いその場所へ。結果は。
「付近を調べてみたけど影も形もなかった」
「残念」
「あっ」
今度はエマがなにか思いついたようだ。
「ジェムが今まで居た巣にならたくさんあったかも?」
「それだ!」
ジェムがここへ来た時は口に入る程度持ってきただけだった。となると元の巣には大量に宝石が残っている可能性がある。もちろんオヌバルトも。
「ジェム、元の巣にはいっぱい宝石が残ってた?」
「キュ! (コクリ)
「残ってそうだな、それならぜひ取りに戻るか」
「ここは私がひとっ走り行ってきますよ」
「私もついてく」
「そうか、それなら二人にお願いしよう。ジェムもよろしくな」
こうしてジェムの巣捜索班が結成された。
「結構距離があるからジェムはこのバックパックに入っているといい。二人で交代しながら背負ってやってくれ」
簡易ではあるがプラネットの布でバックパックを作成した。
「わかりました」
「ではいってきます」
二人は土煙をまき上げながら西へ走っていった。
「元気ね」
「ははは、いいことだ」
一週間後、彼女達が帰ってきた。
「ただいま戻りました」
「はー、すんごい体力だねミラ」
「おかえり、どうだった?」
「残念ながら何もありませんでした。どうも持っていかれてしまったようですね」
「宝石が落ちてたら確かに拾われちゃうよな。しょーがないね。二人共お疲れさん」
「はーい」
「まあ、ジェムがまた拾ってきてくれるさ」
「キュ!」
翌日、出発。
「出発しようか」
「おー」
荷車をひくファーン。
「結構量があるな、交代で引く?」
「いや、いいよ。個人の荷物だからね」
「うーむ」
「フォス!」
フォースが力強い鳴き声を上げる。なるほど俺に任せろってことか。
「ちょい貸して」
「んー」
「ここをこーしてっと」
荷車連結完了。フォースは問題なく連結荷車を引いて歩いている。
「さすがフォースだ、よしよし」
「フォスフォス!」
「ありがとね、フォース」
「フォース!」
それから一週間後、情報収集のためエマが街へ。
「さーてミラ、対戦お願いしようかな」
「わかりました」
「面白そうだ見学する」
それから一時間後。結果から言うと、状況次第といったところだった。接近戦はミラ、中間距離は五分、遠距離からならファーンといったところか。
「どの距離でも戦えるのが強みでね」
「対遠距離をもっとしっかり考えないとなー」
その後エマが帰宅、夕食前。
「バーン!」
爆発音が聞こえた。
「バーン」
ファーンが銃のようなものも持っていた。木に書いた的に向かって構え、引き金を引くと先程の音がした。
「これは魔砲と言ってね。弓よりは威力が落ちるけどコンパクト、連射可能といくつか利点もある武器だよ」
「へー、それは珍しい武器ね。お手軽そうだし欲しいかも」
「いいよー。エマに一つあげる」
「ありがと」
「この引き金を引くだけでいい。玉は6つ。玉が減ったら言ってね」
「わかった」
食後。本を見ながらファーンは地面に何やら絵を書いていた。
「これはなんだい?」
「『P.A.N.J.A.N.』、と言ってね。かなり強力な武器だよ」
本を見せてもらう。こいつは武器というか兵器。
「凄まじい武器だな」
「そそ。ただこのままじゃ使えないんだよね。問題が多すぎる」
「ハハハ、さすがアルティメットマスター候補。武器について色々とあかるいな」
「もう一般人だけどね」
「それならこの武器走ってる?」
日本刀を見せる。
「んー、見たこと無いな。そいやコレを使ってたよね」
彼女が知らないのなら日本刀作れる人はいなさそうだな。
「面白い作りだね。片刃か」
「今度作り方教えるよ」
「OK」




