第二十一話 空中戦
「ん?」
「何者かか来ているな、しかも複数。兵士たちの中に入って魔獣と戦ってくれているようだ」
「父上たちですね」
「そうか、噂を聞きつけて応援に来たのかな」
「たぶんそうでしょう」
「我々は破獣を探しましょう」
探し始めてから5分ほど。
「いました、破獣ゴールデンゲートです」
ここは平原、似つかわしくないその場所に金属でできた彫像が。
俺達が近づくと像が動き出した。いわゆるガーゴイルだな。
「ギィァーーー!」
奇声上げこちらに電撃を飛ばしてきた。
「おっと」
翼を羽ばたかせ空へ。うーむ、飛ぶのは厄介だな。
「ここは私が」
「まかせた」
「ズビシュ!」
高速の雷撃がミラを襲う。
「おっと」
難なくかわした。
その後しばらく戦闘、ゴールデンゲートは地上に降りては来ず、空中でずっと電撃を放ってきている。
「参りました。今までの、空中の敵との戦い方はこちらへ接近攻撃をしてきたときに色々と仕掛けるようにしていたのですが、あそこまで徹底されて空中に居られると手が出せません」
ふむ、正直強さだけならミラが圧倒している感じだが非常に時間がかかりそうな状況になってしまっている。今回はあまり時間をかけたくないので手を貸すことにした。
「了解、空中の敵の対処法は宿題ということで。手を貸そう」
「おねがいします」
「前に俺が壁走りをしたって話はしたよな」
「はい」
「ミラはできる?」
「やろうと思えば多分」
「OK、じゃあここに壁があると想定して壁走りをやってみてくれ。後は俺があわせる」
「? わかりました、やってみます」
精神を集中させるミラ。
「ハァ!」
空中へ一歩目を踏み出す。そこへ俺も足裏をあわせる。
「気にせず次の足を」
「はい!}
次の足、踏み出した足に俺は足裏を合わせていく。
「空走り、と言う」
壁走りの応用版、空走り。相手の一歩にこちらもあわせることで空を駆けることが出来るようになる技。
「クッ」
上空へ40メートルくらいまで走ったところでミラが辛そうな声を漏らした。しかし初めてにしては結構走った。さすがゴッドハンド。
「後は打ち上げる、次は思いっきりジャンプするんだ」
「はい」
「ギ、ギギィ?」
空中を走ってくる俺達を見て動きが止まってしまっているゴールデンゲート。
ほらほら、手元がお留守だぞ。
頭を下にし、体を縮めバネを作る。俺の足にミラが乗ったら敵に向かって打ち上げた。
「空中逆星流れ」
「ズワッ」
凄まじい勢いでゴールデンゲートに突っ込むミラ。
「ギ、ギィァー!」
「バカーン!」
そのまま拳で貫き破壊した。勝負ありだな。
程なくして地上に降りた。
「空中戦か、考えないと」
はー、終わったと思ったら、土台にゴールデンゲートがまた座っていた。
「ギィーー!」
「あー、土台を破壊しないとダメとかかな」
「うん、俺が片付けるよ」
高速で近づき刀をふるう。とにかく縦横縦横、とにかく斬りまくる。
「必暴流、積み木崩し」
刀を振り終わり、鞘に入れる俺。
「ギァィ!」
「あ、動くと」
また空を飛ぼうとした瞬間、積み木が崩れるようにゴールデンゲートの体が崩れ始めた。当然土台も一緒に。
「今度こそ終わりかな」
小さく斬られた一片一片が動く様子はない。
「向こうを見にいこうか」
兵士たちのところへ向かう。途中一人の男が立っていた。
「父上!」
ミラの父さんが来たってことは向こうは終わったかな。
「久しぶりだな、ミラよ。隣の方は?」
「タイカンさんです。色々お世話になっている方です」
「はじめまして、タイカンです」
「これはこれは、父のポラッドです。愚娘がご迷惑を」
「いえいえ」
「もしかしたらまた破獣が現れる可能性があるがその時は我々で対処する。旅を続けるのだ、ミラよ」
「わかりました」
「タイカンさん、よろしくおねがいします」
深々と頭を下げる。礼儀正しい人だな。
「では、これで。父上、お元気で」
「ああ、行ってこい」
「失礼します」
俺達は兵士たちのところへ。
(あの身のこなし、一体彼は何者だ?)
「ミラ様ー!」
「うおー! ゴッドハンド・ミラ様!」
兵士たちは非常に盛り上がっていた。
さっきのはちょっとやりすぎたかな?
「おう、タイカン。さっきの口上は見事だった。もっかい閉めに似たようなのをやってくれよ」
うーむ、そう言われると。元来のヤラレ役、盛り上げ役の血が騒いでしまう。
とは言えちょっとやりすぎたかなとは思っている。
いやいやしかしもう一回、もう一回だけなら。




