表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/41

第十三話 焼き肉最高!

「大物ね。これならしばらく食料には困らない。更に皮は高く売れる」


「そろそろお金を稼がないといけないかなって思ってたところだ。いい臨時収入になるな」


「旅もお金がかかるからね」


「うむ」


「じゃあ解体を始めましょ」


 数が多い上に大物一体。半日が過ぎ、夜になっても解体が終わらなかった。


「後はコイツの肉か」


「流石に多すぎね。ただコイツは美味しいのよ。できるだけ売りたくないくらい」


 エマがそこまで言うのなら余程のことなのだろう。


「解体は明日にしてご飯にしましょ」


「はーい」


「さっきの魔獣のお肉よ」


 焼き肉にスープ。芳ばしい香りが俺の鼻を誘惑する。


「(NEW WORLD RECORD!)こいつはうまい!」


「美味しい!」


「でしょ?」


「生肉で食べられない分は干し肉、燻製肉にしましょうか。それでも食べ切れない分は売りましょう」


「はーい」


「それにしても強かったな、ミラ」


「……タイカンさんもかなりの強さなのでは?」


「ふむ?」


「ここしばらく一緒に暮らして、身のこなしを見せていただきました。察するに只者ではないかと」


「へぇ、そんなことがわかるの?」


「はい。武術等を習った者は自然と、気づかないうちにその武術の動きをしていたりするものです」


「よろしければお手合わせを」


「そうだね、落ち着いたらやろうか」


「お願いします」


 次の日。朝食を終え今後のミーティングを。


「この後の予定だけど、干し肉、燻製作りのための道具、調味料を街へ行って購入してもらいたいの。ついでに魔獣の皮、食べきれないお肉等を売ってきて」


「うむ」


「解体が大変そうだし俺一人で街へ行ってくるよ」


「頼むわね。はい、これが必要なものね」


 エマからメモを受け取る。


「ではいってくる」


 荷車を引き街へ。道具屋と看板が出ているお店に。


「おー、立派な毛皮だな。ってコイツはランページジェネラルじゃねえか!」


「街道を走ってくるコイツに出くわしてね。退治ついでに皮をいただいた」


「ってことは肉もあるのか!?」


「ああ、あるとも」


「他のヤツラ、街のヤツラ、誰にも言ってないよな!?」


「ああ、言ってはない」


「俺が買う! 全部買う!」


 ものっ凄い勢いだ。えーっと。エマのメモに値段も書いてあった。メモを見ながら値段を言う。


「その値段でOKだ!」


「まいどあり!」


 全部売れた。それにしても人が変わるほどとは。やはり食ってのはどの世界でも重要なんだな。

 次は必要品の購入だな。


「今度は買い物をしたいんだが」


 店の人にメモを渡す。


「ほとんどうちにあるな。持ってくるから待っててくれ」


 程なくして店の人が帰ってくる。


「おまたせ、後コレとソレは他の店だ」


 お金を渡し店を出る。

 街の中を歩いていたら声をかけられた。


「ああ、あなたは昨日の冒険者さん」


「おや、馬車に乗っていた」


 昨日魔獣に襲われていた人だ。


「はい。大丈夫だったんですね。よかった」


「仲間に腕に覚えがある者がいましてね」


「まさか、やつらを?」


「ええ、全滅させました」


「凄い! となると国に相談した話は無しにしないとな」


「国に?」


「ええ、あのレベルだと大量の兵士、強力な冒険者が必要なんですよ。ってのを気にしないほどの強さなんですか? いやいや、ますます凄い」


 そう言えばエマも兵を出して退治するレベルって言ってたな。


「いえいえ」


「では失礼しますね」


「はい。それでは」


 残りの買い物を済ませてエマたちの元へ。


「おかえりなさい」


「ただいま。ものすごい勢いで売れたよ、お肉」


「でしょ」


「皮等も売れたしお金はしばらく大丈夫そうかな」


「こっちも解体が終わったわ。ただ、明日から干し肉作りがあるからもう少し時間をとられるけど」


 次の日。朝食後皆で干し肉づくり。


「それじゃ干し肉は薄く、燻製にするものは大きめに」


 指示された通りの大きさに切っていく。


「燻製用の肉を調味料の入った樽に」


 厚切りの肉を樽にぶち込んでいく。


「これで半日待つ」


 夕飯前くらいに作業再開。


「厚切り肉を乾燥させる。今度は薄切り肉を調味料の入った樽へ」


 次の日。


「薄切り肉は後乾燥させて終わり。燻製の方はこれからね。燻製窯に入れていくわ」


 いつの間にか作ってあった土製の燻製窯に肉を吊り下げ燻製。適度な時間燻製したら次の肉を。これを3日間繰り返し燻製肉は完成。

 それから更に4日後。


「干し肉もできたわね。これは荷車に詰みましょ」


 干し肉と燻製肉で荷車が山盛り状態になった。


「はっはっは、まあこれでしばらく食料のことは気にしなくていいな」


「ですね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ