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第十二話 魔獣強襲

 服を脱ぎ魔法陣の中に入る。今度は問題なく通れた。となると俺だけ、しかも服もダメってことか。さらに通り抜けたら魔法陣がなくなってしまった。

 もう一回出そうと想ったが出なかった。服を着てミラに説明した。


「ユニーク魔法は強力なかわりに制限も多かったりします。もう一回やって出ないってことは一日に一回とかの制限に引っかかていることが考えられますね」


「なるほど」


 それから一週間、この魔法について調べてみた。

 ・通れるのは俺だけ。他の人、動物、物体は通れない。

 ・使用は回数は一日一回、通り抜けると終了。通り抜けない場合は10分ほど残る。これを利用して色々できそうだ。

 ・入り口と出口のサイズ変更が可能。入り口出口の魔法陣は軽く念じるだけで自由に動かせる。ただし距離に制限がある。最初に発生させた場所から10メートル以上離れると強制排出後、強制消失。


「結構制限が多いな」


「強力な魔法ほど制限がキツイ気がしますね」


「まあ、使い方によってはかなり強力な魔法ではあるか」


「ちなみにミラは何の魔法を使えるんだ」


「私は複数持っています。元素魔法全部にユニーク2つです。ユニークは身体能力が1秒間1.1倍になる『ビルドアップ』、魔力を全回復させる『エリクサー』を使えます」


「へえ、複数持つこともあるのか。ってことは俺も他の魔法を持っている可能性が?」


「逆さ吊りの儀式で他の魔法名は出てました?」


「いや」


「なら一つだと思います。後手持ちの魔法が増えるという話は聞いたことがありません。多分魔法の増減はないと思われます」


「なるほどね。しかし凄いね、合計6つも持っているのか。しかも全部戦闘向きだな」


「いやハハハ」


 照れくさそうに笑っている。

 食後移動。街道を歩いていると馬車が猛スピードでこちらに向かってきた。


「どうしたんだろう? ああ、後ろに魔獣の大群が」


 様々な魔獣が50匹ほど、馬車を追っていた。


「あのくらいなら私が片付けますよ」


「ほぉ、自信ありか。お手並み拝見といこうか。もしやばくなったら俺も加勢するよ」


「任せてください」


「おーい、アンタら! 魔獣の群れだ、乗ってくか!?」


 こちらに向かって走ってくる馬車から声が。


「大丈夫でーす。そのまま逃げてくださいー」


「わ、わかった」


 馬車はそのまま走り去り、入れ違いでミラが魔獣の群れに立ちふさがった。


「まずはヤツラの勢いを止めるところからかな」


「魔法拳、道路返し」


 ミラは手を地面に突っ込んだ。そして10メートル立方ほどの土を掘り起こし、魔獣の群れにぶつける。


「グギャー!」


「ヴァーー!」


「魔法拳、道路返し、乱れ打ち」


 先程の技を連続で。魔物の群れは止まり、数も半分ほどになった。


「よし、予定通り次はと」


「魔法拳、真空手剣斬り」


 ミラの手から風が発生しているように見えた。その状態から魔獣に向かって突進、手を振り抜くと数匹の魔獣が真っ二つになった。

 その後も次々と魔獣を倒すミラ。これは強いな。


「あっと、2匹ほどそちらへ」


「構わないよ」


 鉄の剣でたたっ切る。


「お見事」


「これで全部かな? いや大物がいるようだ」


「はい」


 魔獣の群れから遅れて、一匹の魔獣がゆっくりとこちらへ。


「ブゴーー!」


 イノシシのような見た目の魔獣。毛の色が金色と随分派手なやつだ。そして5メートル位ある。デカイ。


「ランページジェネラル、ヤバい魔獣ね。本来なら大量に兵を出すレベルだわ」


「相当だな。ミラいけるか?」


「やらせてください!」


「ブロー!」


 ミラに向かって突進。その速度は先程の魔獣たちよりも早い。


「うわっと!」


 不意打ち気味の突進で態勢を崩したミラ。

 ランページジェネラルは軽く身をひるがえし再びミラに突進。


「バゴン!」


「ウグ!」


 みらは10メートルほど吹き飛ばされた。


「厳しいかな?」


「いや、ガードしている。当たる前に固めた土を使ってガードした」


「その図体でそんなに早く走るとは思いませんでした。見た目に騙されるなとはよく言われていましたが、これでは父に叱られてしまいます」


 まだ余裕がありそうだ。


「ブヴォーーー!」


 またもや突進、ミラは動かない。


「ガシーーン!」


 突進を受け止め、そのまま後退、20メートルほど下がったところで動きが止まった。


「ブゴブゴ!」


 左手で上顎、右手でした顎を掴んでいる。


「魔法拳、ぶっ千切り」


 それぞれ掴んだまま、勢いよく左手を上へ、右手を下へ。


「ザバーーー!」


 そうしてランページジェネラルの体は引き裂かれた。なんちゅう荒業だ。


「ふぅ、強い魔獣でした」


 巨体の魔獣の突進を受けたのもそうだが、豪快に引き裂いたこの力、フィジカルが凄まじいな。


「なるほど。ゴッドハンドの名は伊達ではないな」


「いやいや」


 恥ずかしそうに照れていた。

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