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異世界トラック野郎  作者: 大浜屋
3/5

動揺と困惑(そりゃそうだ)

そりゃあ困惑するよね

旭日冷蔵運輸の鳥羽啓一はいつもの運行をいつもどおりに、いやちょっと急ぎ気味に消化していた。

積み地においてフォークリフトの故障があって積み込みに時間がかかってしまったのだ。


幸い鳥羽の会社、旭日冷蔵運輸は業界でも中堅より下程度だが例外的に良い会社で、所謂ブラック運行とは無縁であった。

多少の遅延はあるものとして運行計画を立てているためこのペースなら問題無く到着できるだろう。

夜の高速は他の車両も少なく、同業者のトラックが多いためストレス無く走行できる。


今回の積荷はチルド冷蔵の肉類他食料品、13t箱車はほぼ満載である。


経済走行中のトラック三台をゆっくりとパスし、走行車線に戻るべく左を確認したその時


一台のオートバイが後方から高速で接近し、車線変更して三台の前に躍り出た。


そう、まさに踊る様にガクガクとふらつきながら


肝が冷えた


長年ハンドルを握る仕事をしている鳥羽は、当然の様に他者の乱暴な運転、事故等目撃してきた。

幸いな事に自分自身は安全を重視した運転を心がけているため事故とは無縁である。


その鳥羽からして、腹の中がきゅうっと冷え、続く凄惨な事故を瞬時に予想させた


転倒したら後続の三台に轢かれる!


何とか持ち直したバイクは、ただ、しかし

左カーブを忘れたかの様に直進し


鳥羽のトラックの前に割り込んでそのままガードレールに

思わずクラクションを叩き押し、ブレーキに足をかけr



カッ!



いきなりの強い光に堪らず目を細める


そして



かつて体験したこともない衝撃と音の奔流が鳥羽を襲った。




ドゴゴゴゴゴガガガガガギギガガガガガガ!!!!!!

バキンカリンバカンドキャンズゴゴバリン!!!!

ウゴロャアァア!!フゴグファ!!!!グワっナニゴトブフルァ!!!


何が

何を

昼間の様に明るい車外

黒いもの

青いもの

フロントガラスにぶち当たり飛んでいく


バイクを轢いたのか

人を轢いたのか


そうか人を殺しちまったのか


ガン!ゴン!グシャ!ドガガガガ!!

ズン!ドバン!ガシャっドガ!!!

ギャアアア!!ナンダコレハブっ!!

トメロォォグブォ!!!


何だ

何を轢いてるんだ

トラックまだ止まらないのか


この高速山間部だっけ

ガードレール抜いたら崖か?


そうか

人殺しちまったから

俺も死ぬのか


やだなあ

死にたくなかったなあ


社長すんません、おれ死亡事故を



ようやく前が見えるようになった鳥羽は

それでも尚止まらないトラックのすぐ前に

不恰好なビルが建ってるのに気がついた


あ避けなきゃ



避けられない



ドガーーーーーン!!!


鳥羽のトラックは

まっすぐにその建物へ突っ込んで行った。



*****************************************



「「「おおおおおおお!?」」」

パウロと、その部下達の声は全く同じだった


聖印の光の中から飛び出したそれは

目の前に迫り来る攻城塔をそのまま横にしたかと思えるほど大きく

百のラッパに勝る轟音を響かせながら

騎兵の全力突撃に勝る速さで敵陣中央を蹂躙し

そのまま攻城塔に突っ込んで

木っ端微塵に粉砕したのだ



「えっ」「やっ」「あれは」


「「「………」」」


「「「いぃいいいいやったぞぉおおおおおおおおお!!!!」」」


はじける怒号、歓声

女神アリアを称える声

息を吹き返し猛然と弓を引く兵士


それに対して


うろたえ、怯え、腰が引ける魔国兵


トラックが飛び出て轢き潰したのが攻め手である魔国軍部隊の指揮官が居た辺りだったのがさらに悪かった。

重騎兵の突撃以上の強力な攻撃を100mにもわたり繰り出し、

虎の子の強固な攻城塔をいともあっさりと粉砕したその敵は

未だ朗々と鳴り響く雄たけびを上げてそこに居る


恐怖と混乱が伝播して

指揮系統をも失った魔国軍部隊は雪崩を打って北方に逃げ帰るのであった。


その只中で

鳥羽はハンドルにしがみついて震えていた


「やばいやばいどうしようこんな事故起こしたらもうだめだせっかくゴールド免許にまでなったのに仕事も順調だったのに何人か死んじゃったかな殺しちゃったかなおれまだ生きてるのかな借金すごいかなやばいどうしよう……」



その時


鳥羽の世界が純白に染まった


シートに座りハンドルを枕に突っ伏していたはずなのに


気がつけば直立していた


混乱を極めて極めてぶちっと何かが切れてしまった鳥羽は

存外に冷静に「床も天井もないんだな」などと考え始めてしまった。


そして数秒後


金髪の美人が現れて


「すみませんでしたぁあああああああ!」


いきなり謝罪された。

今日中にまだ書けるようでしたら書いてみます。

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