顕現(ミス)
グォァァアアアアアrrrrr!!!
獣の雄たけびが聞こえる
ウォォオオオオオオオーーー!!!
部下達の雄たけびが聞こえる
雨あられと飛び交う矢
次から次へとかけられる梯子とそれを斧でうち割り引き倒す兵士
ばたばたと倒れる敵、味方
砦の戦いは佳境に差し掛かっていた。
数多の敵兵、獣魔を射殺しながらも
自軍に蓄積する損害は満足に戦える兵士が半分を割るかと言うレベルまでであった。
火矢でハリネズミになりながらも、燃えにくい獣魔の毛皮で覆われた攻城塔はにじり寄り、今まさに城壁へと手をかけようとしていた。
「アレを近付けさせるな!」
声を枯らして兵を鼓舞し、丸太や石までも持ち出して妨害する。
しかし見回せば追従する兵の数が足りぬ。
良くぞここまで城壁上を死守していると言える。
かすかに巡礼団と村民の歌が聞こえる
あれは女神アリアを称える賛美歌だったか
神よ、女神アリアよ、願わくば……願わくば!
信仰心薄きこの身この魂を捧げる!
せめて部下らと村民、御身に傅く者達に!救いの手を!!
賛美歌のサビが終わり御名を呼ぶ声は叫びとなり唱和される。
女神!アリア!!
思わず合わせて叫んだのはパウロのみならず城壁上の兵士にまで及んでいた。
そして
女神アリアの奇跡は光となって請願に応えた
カッ!!
突然敵戦列の只中に青白い光が立ち上る
複雑な文様を描きながら変形していきそれは…
「あ、あれは!」
「あの光は!!」
「あれは……聖印!!!」
「まさか、女神アリアが!」
「聖印が顕現したぞ!!!」
にわかに沸き立つ兵
そしてその声は神官ら村民らにも瞬く間に伝播する。
そして聖印を突き破るように何かが飛び出してきた
そう、大きな四角い……
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ぽちっとな、と
よしこれで
え、あれ、ちょ、ちょっとちょっとまってまってまって
ええええええええ!?
何で!?
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飛び出してきたそれは
側面にでかでかとこう書かれていた
旭日冷蔵運輸 と