全ての始まり
人生初の執筆です。
思いつきでの書きなぐりですのでおかしな面が多々あると思われますがご容赦を。
ルール違反等もしあればご指導下されば幸いです。
アクセルを捻る
両の膝に挟まれたエンジンがうなりを高め、我が愛車はさらに加速する。
夜の高速は車もまばらで気持ちよく風になれるから好きだ。
たまに居る大型車は長距離運送のトラックか
こんな時間までご苦労さん、
と聞こえぬ声をかけながら右に左にかわしながら次々とパスしていく。
別にレーサーを気取るわけではないが、大学二年の男子としてはこれくらいの小さな冒険はよくある話だろう。
三台連なるトラックを右から抜き、ゆるい左カーブを超えてその先には追い越し車線の大型トラック。
すかさず走行車線にもどろ う と
ガグン!
いきなりハンドルがぶれた
何だ?
何が?
車線に何か落ち ?
踏んだ?
にーぐりpp
後ろにとらっく
ぶれーき? だめだ転ぶ
なんとか安定させ
おちつけ
おちつけ
ほら安定してきた
まっすぐに
まっすぐ・・?
前方に注意を戻すと
ガードレールと反射鏡
そしてけたたましく鳴るトラックのクラクション
ブツン
TVの電源を切った様に、視界は黒く塗りつぶされた。
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「パウロ大隊長、やつらが動き出しました!」
伝令が飛び込み、終わりの始まりを告げる。
ご苦労、の一言も言えずに軍議の場は重苦しい沈黙に沈む。
もはやこれまでか
魔国軍に包囲されてもう一月、城とも呼べぬ国境の砦は陥落寸前であった。
自らが手塩にかけた部隊はなおも士気と秩序を保っていたが、
補給を断たれた上に近隣住民の避難を受け入れたこともあり糧食は払底していた。
砦内の井戸は無事なため水だけでも確保できたのは行幸だったが。
「せめて他の支城や砦から援軍があれば……」
「それを言うな。本攻勢は多方面同時と聞く。どこも手一杯であろうよ。」
部下達が悲壮な顔でうめくがそれで好転するような目は無い。
であれば動くしかあるまい。
「全部隊に迎撃の準備を」
定数で言えば普段は100名も詰めていないこの砦にパウロ大隊長率いる精兵500が居合わせたのは幸いであった。
そうでなければ魔国の獣魔混成軍の攻撃にこの砦は2日と保ちはしなかっただろう。
しかしそれも糧食の消耗を早めたと言ってしまえばそれまでだが。
「返す返すも文官どものアホウめが……」
つい口にに出るのは隣国であるシャイセ王国が魔国の侵攻を受けた時、積極的な関与に待ったをかけた官僚どもへの愚痴である。
もともと自国ファルン王国と長年小競り合いをしてきたシャイセ王国だけに、魔国に侵攻されたと聞いても逆に喜ぶような輩も居たと聞く。
パウロのようにシャイセへの援軍を上申するのは軍部でも2/3程度、魔国の脅威を深刻に受け止めている者だけであった。
最終的に援軍に関しては文官ほぼ全員の反対もあり国境警備に注力するという実質無策対応となった。
それに業を煮やしたパウロが隷下大隊のみを率いて国境砦と連絡網の視察、ついでに機動防御訓練と言い張っての出陣であった。
案の定と言うか予想以上に魔国の侵攻は苛烈であった
北より侵攻した魔国軍はシャイセ王国主力を中央平原で打ち破り、その後あろうことか王都を無視してそのまま南下。
シャイセ王国を縦断してファルン王国にまで侵攻してきたのだ。
砦に到着したパウロ大隊は今まさに国境を破らんと攻め寄る魔国軍と鉢合わせしたのである。
追われるように逃げてきた周辺の村民を誘導しつつ砦に入ったパウロは指揮権を発揮しつつ防衛戦闘を行う。
同時に各方面へ発した斥候や伝令は1割程度しか生還できず、少ない情報でも他地域での悲観的な状況を伝えるばかり。
様々な策を考え実行してきたが結局脱出もできず今日の日を迎えてしまった。
「カインツ、ブラン、状況は」
指揮所に到着して各中隊長に確認する。
「はっ 北壁正面に歩兵約千、東西及び南壁に歩兵各六百、別に騎獣兵が二百、獣魔百が予備として控えているようです」
「その上で、あれか」
「はい… 攻城塔です」
通常大規模な城攻めでもなければそうそう用意しないであろう大型建造物がヨタヨタと頼りなさ気にゆれながら近付いてくる。
即興で作ったそれは不恰好ではあるが砦守備隊としては絶望的な光景である。
予算の問題もあり空堀も備えられ無かったのは痛恨ではあるが、それでも城壁だけはそれなりの物を用意した砦は現在まで敵に多大な出血を強いてきた。
自軍に数倍する損害を相手に与えてきたが日々援軍が到着する敵に対してこちらは消耗するばかり。
神頼みでもしたくなるところだ。
「村民の状況はどうだ?」
「女子供は怯えております。男手は戦えるものは参加すると言っておりますが正直立っていてもふらつくほどで。」
砦ではなくさらに後方へ無理矢理にでも逃がすべきだったかとは思うが騎兵以上に足の速い獣魔が相手ではそれも絶望的だっただろう。
悲観して泣き叫んだりはしていないかと目をやる、と
「ん?何だあれは?」
白いローブを着た数名を村民達が囲んで頭を下げて…あれは祈っているのか?
「ああ、あれですか。教会の巡礼隊がたまたま来ておりまして。村民の支えになっているようです」
なるほど。神にすがりたいのは私だけではなかったようだ。
普段はお布施ばかり要求する高位司祭どもの腐敗っぷりを目にしているだけに原点に返ったかのような清廉さは確かに神々しくさえ見えた。
白いローブの神官が掲げる聖印を模した杖に目を数秒だけ目をやる。
だが自分は大隊長でありこの場の全員の命に責任を持つ。
脇に抱えたかぶとを被り、姿勢を正して北面、攻め手である魔国軍を睨みつける。
「弓隊!構え!撃て!!」
ここにファルム王国史に残る歴史的な戦いが始まる。
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あら、信仰厚い者からの祈りが届いてるわね。
それもかなりまとまって具体的な救いの嘆願か。
ふんふん、魔の者ども相手に戦ってるようだし今回は神の奇跡要件満たしてるわねえ。
よっし、ここは一発救国の勇者召還発動しちゃおうかな!
対象は…お勧め世界の…ここからいこうか。
事故で死亡するような案件から引っ張ってくれば安価だし…
ああ、このバイクの男性にしよう。
乗ってるバイクもカッコイイし、そうだこれも一緒に転生させちゃおう。
新しいスタイルの騎士様とかかっこ良いよねー。
ん?でもこれって向こうでも動くのかな?
壊れたりしたら治せないだろうし、そもそも何で動いてるんだっけ?
魔石とか?
んーよく分からないからこちらにも勇者ポイント振って強化しちゃおう。
小さいからこれ一つくらい大丈夫だよね。
えーっと、えい!
次はいつ、とは決まっておりませんができるだけ早めにと思っております。