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一級珈琲師神谷の最高傑作  作者: みたらし男子
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血塗られた始まり(ブラッディ・ゼロ):怪しげな男4

どーも、たまには映画館で映画が見たいと密かに思っている。

みたらしです。


今回でこの改編回も4回目ですね。

いいことではないから何とも言えない。


そう言うこともありまして、最近は物書きって大変なんだなと実感させられていますね。

隠しきれない今更感には目を瞑ってくれ………。


まぁ、その話はこの辺にして。

続きをどうぞ。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇


几帳面そうな顔に似合わず笑う男は、さも当たり前の様にその名を口にした。


あたかも自分の名前の様に。



ーーーーー”赤坂 勇”。



それは日本で2番目の一級珈琲師の名前。


それはあらゆる単独作戦に置ける稀代の天才の名前。


そして、今は亡き日本最強の英雄であった男の名前でもある。


現代の英雄、革命の使徒、最後の忍者ラスト・ニンジャ……数々の異名を持ち、今や世界中で尊敬され語られている一人の兵士の名前。


それが”赤坂 勇”であった。


現在の特殊衛生兵の前身に名前は無いが、その組織は一昔前の日本で秘密裏に対スパイの秘密兵器として警察や自衛隊とは別に結成され共産党を始めとする数多くある左翼団体と戦っていた。


当時はこの様な一昔前の秘密警察まがいの役職が存在している事自体公には伏せられていたが、赤坂 勇はその時期からこの組織に所属していた所謂創立メンバーの一人であった。


彼は未成年であったが射撃、体術、話術、語学力、連携力、等々の技術を駆使して潜入工作を繰り返し、着実に左翼団体を瓦解させていった。


そんなある日、隣国”北朝鮮”に青森県、秋田県、山形県の港町で暮らしていた日本人総勢312名を拉致されると言う許しがたい事件が発生した。


これは2017年に起こったミサイル発射実験以来の大事件であった。


結局”誠に遺憾である”と表明して経済制裁を断行、止めて欲しければ国民を解放しなさいと通達すると言う結論に落ち着いた。


だが、日本人達は事態を甘く見ていた。



―――――第二次日本人拉致事件が起こったのだ。



場所は新潟県、富山県、石川県、福井県と一次とは違った四県に跨り、その被害者は540名にも上る。


青森、秋田、山形の事件から一ヶ月と二十四日後の事だった。


北朝鮮にとって経済制裁など無駄だったのだ。


この二つの事件の衝撃は大きく、今まで国防に全く興味関心の無かった日本人達が忘れて久しい”悪とは戦わねばならない”と言う正義感に目覚めた。


大手テレビ局などと協力し、国会議事堂近辺に車が入れなくなる程押し寄せて講義デモを開始。


それに押される形で漸く政府も動き出した。


迅速な解決が求められるこの事件について話される国会での議論が連日テレビで中継された。


しかし当時の日本には大きな問題があった。



―――――左翼団体が崇め奉っているところの”日本国憲法第九条”である。



この自らを縛り付けている鎖によって自衛隊ではこちらから攻撃する事が出来ないままであったのだ。


GHQに押し付けられた植民地の様な法規を抱きかかえて、改正や廃止を先送りにしてきたツケである。


仮に憲法の網を掻い潜り攻撃出来たとしても、相手は国力の殆どを軍事力に割いている独裁国家だ。一筋縄にはいかない。


そんな状態の日本に更に追い討ちを掛けてくるものがあった。



―――――この頃の国会議員の殆どが”非戦論者”であったのだ。



それが一体何を意味するか。


詰まる所、”戦う事の必要性が分からない者達が政治を行っている”と言う事であった。


故に彼らの論点と言えば立場や責任の事ばかり。


内部での派閥争いや責任の擦り付け合い、救い用の無い足の引っ張り合いがそこにあった。


これでは拉致被害者の救出はおろか国民を守る事すら叶う筈もない。


戦争をすると言う事は”国民の生命や危険を脅かす敵国と戦う”と言う国家が有する最終にして最大の権力行使の一つであると言うのに………。


何事も決まらずに三日が過ぎたそんな時、誰の責任にもならないとして挙げられたのが”極秘に結成された特殊衛生兵の派遣”であった。


極秘裏に結成された諜報工作部隊からの派遣ならば作戦失敗の責任は防衛大臣以外誰にも降り掛からない。


議員が自分達の保身を第一に考えた、実に性根の腐った狡賢い議決である。


結局この作戦の全責任は防衛大臣一人に押し付けられた。


そしてこの作戦に誰が適任かと言う話になった時、何人かの優秀な特殊衛生兵が推薦された。


その中に一人の男の名前があった。


当時19歳の一級珈琲師、赤坂 勇である。


十数名推薦された特殊衛生兵の中で、彼は多数決の結果満場一致で選ばれた。


当時の記録を見せてもらったから言える事ではあるが、彼は日本の特殊衛生兵としてトップの実績を上げていた。


大規模団体を四つ、それ以外なら三桁に届きそうな程潰していたらしい。


彼が推薦されるのは当然だった。


俺もこれならば彼が選ばれるのも無理はないと思った。


だが選ばれた理由は他にあるらしかった。


特殊衛生兵の正式な入隊以前の話になるが、新入り隊員の教育を任された教官でもあった綾女に暇人扱いされた俺は人員不足がどうとかと言う理由で国会での会議の内容を記録や資料の整理を任された事があった。


「人員が足りないなら自分も手伝えばいいのに………」とも思ったが、教官鷹見の命令には従う他無かったので適当に資料を片付けていた。


整理を始めてから4時間程経った時、冊子の間に挟まっていた一枚の文書が目に止まった。


その文書を読んでしまった俺は目眩がした。


それは”赤坂くんには向こうで消えてもらわんと私達が危ないからねぇ””もし向こうから帰ってこれたらパスポートを無効にしなきゃね。まぁ、生きて帰ってこられたらだけども”等と書かれている当時の国会での会議の発言がまとめられた機密文書であったのだ。


あの英雄は消される筈の人間だったとそこには書いてあった。


そんな腐りきった内容の機密文書を俺は偶然にも見付けてしまった事がある。



―――――彼は優秀過ぎるが故に邪魔者でもあったのだ。



そんなやり取りがあった事など知る由もない赤坂は北朝鮮への出動命令が伝えられるや否や、翌々日にはロシアから陸路で密入国する事となった。


持ち込めそうな武器や防弾装備品各種、戦闘糧食レーションなどは自分で取り揃えたそうだ。


その時に支給された装備品は基本的には無かったらしい。


……………皮肉を言うならば片道切符だろうか。


これが”赤坂 勇”…後に英雄と呼ばれる男が作戦の地に拳銃一丁とその身一つで派遣された経緯である。


彼に与えられた任務は三つ。


一つは北朝鮮に拉致された日本人の奪還。


一つは北朝鮮の軍部が持っているであろう機密情報の奪取。


もう一つが北朝鮮の国家に何らかのダメージを与える事。


常識的に考えてどれか一つでも完遂するのは極めて困難だった。


いくら工作活動のプロフェッショナルであったとしてもたった一人その場に送り込まれるだけで何が出来ると言うのか。


機密情報くらいならばいくつか持って帰れるかもしれないが、拉致被害者の奪還や現政権へのダメージを与える事等殆ど不可能に近い。


だが彼はその不可能な仕事をやってのけた。


それも一つだけではなく依頼された三つの任務の内三つとも完遂したのだ。


その結果赤坂投入から僅か三年と十ヶ月で北朝鮮と言う国は地図上からも歴史からも消える事となった。


表向きにはその土地は日本とロシアの共同統治領となっているが、彼が現地で組織した抵抗軍レジスタンスが治安の維持の殆どをやっているので実質新しく独立国が建国されたのとほぼ同義と言っていいだろう。


しかし赤坂が自分の仕事の成果を見る事は無かった。


理由は彼は英雄として語られる事となるこの秘密工作作戦の最中に起こった生物実験の研究所の爆発に巻き込まれ、行方不明もとい死んだからだ。


最近の自衛隊や俺達の様な新人の特殊衛生兵は皆彼の事を、日本の為に最後まで敵地で戦いそして散って逝った愛国者と教えられる。


あの文書を読んでしまってからの俺からすれば議員に対する猜疑心が芽生えただけだったが。


「……成る程………。あー……これは参ったな……。完全に僕は死んだ事にされているのか……」


………死んだ事に…されている……?


あの文書が過ぎる。


可能性は十分に有り得る事だった。


俺の拒絶反応を見て男は困った様に口をへの字に曲げて暫し黙り込んだ。


考え始めるのと共に、右手の拳銃を慣れた手つきでクルクルと指で回す眼鏡の男。


その行動を見てもやはり俺は黙り込むしかない。


このガンアクションをすると言う考え事の時の行動も、生前”赤坂 勇”と言う男がよくしていたと言われる癖のそれに似ていたからだ。


そして俺の頭に一つの疑問が湧いた。



もし仮に俺が見つけたあの文書の通りに事が運んでいなかったとしたら、本当は英雄”赤坂”は死んではいないのではないだろうか?



”赤坂 勇”を名乗る男は寂しげに拳銃の回転を止め、申し訳なさそうな苦笑いで口を開いた。


「……仕方ない…。今の僕に名前は無いらしいから、次会う時迄に新しく呼びやすい名前を考えておくよ」


「………赤坂……お前は……………何をしにここにきた………?」


名前を呼んでもらえた事に男は少し嬉しそうに笑ったが直ぐに苦笑いになり、先ほど俺を牽制するのに用いていた銃を回しながらスムーズに腰のホルスターに戻した。


ちらりと垣間見えたそれは、最近ではそれ程珍しくもなくなったロシア軍の正式採用拳銃MP-443グラッチ。


その銃の使い込まれた様子を見るに、明らかに何らかの戦闘に用いられた事は間違いないだろう。



ーーーーー例えば、件の北での一件で金正音第一書記の心臓を背後から貫いた英雄の愛銃として。



…………くっ……。


行き過ぎた妄想だと頭では分かっていてもそれを止めることが俺には出来なかった。


俺にそんなことを妄想されているとも知らない男は銃を握っていた手で頭を掻いて清々しく笑う。


「ごめんね。まだ言えないんだ」


駄々を捏ねる子供に優しく言って聞かせる親の様な声音で”赤坂”は言った。


いかがでしたでしょうか。


改編はまだまだ続く。

こちらとしても………先に進みたい。

もう少し(投稿の)スピードあげられるかな………(希望)。


まぁそれはそうと、よく考えて見たらもう七月になりましたね。


なんか、今年の夏は全国的に暑いらしいので熱中症には注意してくださいね。

私は対策にソルティライチを飲んでます。

あれ結構美味しいので。


それでは次回に会いましょう。

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