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暗黒騎士の伝説 ――成り上がった僕が、世界を支配するまで――(旧題:僕は主人公になりたい ――最強の歯車・只野義人――)  作者: 下等妙人
【第二部前編:最強VS最狂 ――THE MONSTER PANICK――】
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第五章 クライマックス 2

 ――下にある文章が、なんらかのヒントだと思うんだけど……ダメだ、なんにも出てこない。マカロンは嘘をついてるって部分が気になるけど、全然意味がわからない。


 考えれば考えるほどにイライラする。

 気づけば、思い切り歯ぎしりをしていた。そんな彼を相棒が嘲笑うもんだから、ことさら不快感が募る。

 で、結局。


『タイムアウト。第八問目、不正解となります。よって、リーパー・アドヴェント。このセリフ、もう飽きました』


 知るか、そんなこと。

 と、心中にてツッコミを入れた少年の脳内に、イヴの声が響く。


『この問題、正解はモナカです。あなた、必死こいて下の文章を解読していましたが、その時点で製作者の術中にハマっていたのですよ。正解は一番上の文章にあります。もう一度読んで御覧なさい』

 ――今日はスイーツの国の舞踏会。その途中、アップルパイ君は踊っている最中…………まさか、この最中をさいちゅうと読まず、もなかって読む、なんて言うんじゃないだろうね?

『その通りですが、何か?』

「何かじゃねええええええええええええええええええええええ! クソ下らねぇ問題作りやがってボケナスがああああああああああああああああああああ!」


 溜まりに溜まったストレスが、ここに来て大爆発を起こした。

 地団太を踏み、絶叫を吐き出す。

 彼の乱心に同行者達は皆あわあわとしたが、相棒は楽しそうに嘲笑を送ってくる。それが火に油を注ぎ、結果、まるまる一〇分、義人はキレっぱなしだった。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………ごめん、皆、みっともないところを見せたね。それじゃ、探索を続行しようか」

「お、おう」

「そ、そうだね」


 引き気味に答えるソフィアとナンシー。イリアは震えまくって何も答えず、セシリーについては首を縦に振るのみであった。

 かくして、進行を再開。

 道路を回るのみならず、建造物の中に入ってみるなど、エリア内を隅々まで調べていく。

 そんなこんなで数時間が経過し、空が茜色に染まり始めた。

 そうしたタイミングで、一行は九枚目の石版を発見する。

 道路の真ん中にあったそれに、義人は触れた。


 ◆第九問(不正解)


 Q,しんぶんし

   後ろから読んだら

   ○○○○○


 問題が表記されてから数秒後、白髪の少年は答えを口にしていた。


「テレビ欄」


 結果は。


『コングラッチュレーション。正解です。……今回は随分とお早い回答でしたね』

「難易度が低いし、これまでの問題から解き方のパターンみたいなのが掴めた。さすがに学習するよ、八回も繰り返したら」

『それは重畳でございます。今後もその調子で頑張ってくださいませ。……では、正解を確認いたしましたので、ヒントを提示いたします。“私は武器を持っていない”。以上です』


 代理人が沈黙するのと入れ替わる形で、ナンシーが声を上げた。


「なぁ、ちょっといいか?」


 全員の視線が、彼女に集まる。

 それから、ナンシーは躊躇いがちに言葉を紡ぎ始めた。


「こういうことは、あんま言うべきじゃねぇってのはわかってる。どうやっても混乱を招くからな。けど……言わざるを得ねぇ。確信の持てる黒幕が見つかったんだからな」


 その発言に、イリアとソフィアは驚きを示した。


「く、黒幕が見つかったってぇ……ほ、本当なんですかぁ?」

「絶対的な証拠はあるんだろうね? もしなかったなら、空気を悪くするだけだよ?」


 二人の問いかけに対し、ナンシーは静かにうなずいた。


「あたしの中じゃ、まず間違いねぇ。黒幕は――」


 そこまで言うと、彼女は相手に目を向ける。

 果たして、ナンシーが導き出した黒幕とは、


「セシリー。お前だろ、この一件を仕組んだのは」


 セシリー・クーパーその人であった。

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