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暗黒騎士の伝説 ――成り上がった僕が、世界を支配するまで――(旧題:僕は主人公になりたい ――最強の歯車・只野義人――)  作者: 下等妙人
【第二部前編:最強VS最狂 ――THE MONSTER PANICK――】
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第四章 大地の声 3

 問題文に対し、義人は眉根を寄せる。


「前回と同じで、複雑性がほとんどないな。というか、微妙にこれまでの問題と性質が違うというか……」

「なんにしても、正解を考えよう」

「単純に考えたら、二杯食った、が正解になるんだろうがよー。まぁ、そんなわけがねぇよなー」

「……肯定」


 各々、思考を開始する。


 ――この問題、ひっかけ問題の類だな。二杯食べたっていうのは、多分間違いない。けど、単純に二杯食べたってわけじゃなく、何かこう、捻くれた感じ、というか……。


 問題文を何度も何度も反芻する。

 そして。


「……そうか、そういうことか」


 正解を、閃いた。


「答えは、二人で一〇〇〇円のラーメンを食べたから。太郎と“いう子”の二人がラーメンを食べた。だから、お釣りはもらえなかった」


 結果は――


『正解。コングラッチュレーション。おめでとうございます』


 安堵の息を吐く少年。直後、代理人の言葉が続けられる。


『正解を確認しましたので、ヒントを提示いたします。“私には重要な任務がある”。以上でございます』


 第三のヒントを伝えると、代理人は沈黙した。

 与えられたそれについて、皆は何も言わず、


「さ、次行こうぜ次。あの丘の上にある民家な。次はあそこに行ってみようぜ」


 ナンシーに全員頷き、動き出す。

 そうしながた、義人は思う。

 第三のヒントは、黒幕を確定させるような内容ではないか、と。


 ――私には重要な任務がある……似たようなことを、少し前に言ってたな……。


 義人はチラと彼女を見やる。

 セシリー・クーパー。彼女はあの南極に似たエリアにて負傷した際、任務が云々と言っていた。とはいえ。


 ――だからと言って、セシリー=黒幕と決めつけるのは、あまりに早計、か。けれど……容疑者扱いは、させてもらう。


 セシリーへの警戒心が芽生えるのを感じる。そんな彼に、イヴが無機質な声を送ってきた。


『あーもう、めんどくさいですねぇ。いっそこいつら全員黒幕ってことにしましょうよ。で、全員ブッ殺してこの怪獣も抹消して帰りましょう。もう飽きました、この環境』


 ガン無視を決めこむ義人。しかし――

 相棒の言葉に妙な引っ掛かりを感じたので、思考を止めることはしなかった。


 ――全員……全員……か……。


 何かが閃きそうで閃かない。非常にもどかしい気分となりながら、少年は同行者達と共に進み、丘の上にある家屋へと到着。

 されど、内部に入る前に、やるべきことがある。

 民家近くに、モノリスがあった。

 だから、義人はそれに触れる。その矢先。


 ◆第七問


 Q、八の台所に四匹のサンマを置いていたところ、窓からノラ猫が入ってきて、一匹くわえ   ていきました。

   さて、台所のサンマは今何匹?


 提示された問題に対して、一行は何も言うことなく思考する。


 ――普通に考えれば、三匹ってことになるけど……これはひっかけ問題なわけだし、答えは絶対に違う。


 そう考え、頭を捻る。

 しかし、何も浮かんでは来ない。答えはずっと三匹のまま。

 そうこうしているうちに時間が過ぎ去り――


『タイムアップ。第七問目は不正解となります。よって、リーパー・アドヴェント。本当にご愁傷様です』


 結果が、残酷にも宣言された。

 それからすぐ、イヴが正解を教えてくる。


『五匹。この問題、答えは五匹です。問題文をよく御覧なさい。くわえていった、とありますが、これ、漢字で書かれてませんよね? 咥える、と書いてあったなら三匹で間違いありませんが、別の漢字ですと、意味合いが真逆となります。加える、というものに置き換えれば、あら不思議、減るどころか増えちゃいました。くわえていったのが猫、というのもこの問題のいやらしいところですねぇ。無意識的に魚が減るものと思い込ませてしまう。こんな問題を作るような人間は、よっぽど性格がねじくれているのでしょうねぇ。いやらしいことこのうえがない』

 ――君に比べれば全然マシだと思うよ、僕は。

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