第四章 大地の声 1
六月一七日。
早朝から、一行は氷雪地帯を探索して回った。が、もはや何も見つかりそうにない、というわけで、別のエリアを目指して進む。
その果てに、五人は第三の探索地へと足を踏み入れた。
当然、環境は全く違う。なんと表現すればいいのだろう。中途半端な砂漠地帯、とでも言えばいいのだろうか。
黄土色の大地と、点在する草、岩。それ以外には何もなく、だだっ広い道のみが広がっている。
どことなく、西部劇の舞台、といった風情。そんな第三のエリアにて、ナンシーが真っ先に口を開いた。
「おいおい、こりゃネバタの風景そのものじゃねぇか」
その言葉に、他の少女達が同意する。
「そうだね。昔一度来たことがあるけれど、本当によく似てる」
「わたしは二度行きましたけどぉ、とってもいいところでしたねぇ。ただ広いだけの空間って本当に癒されますぅ」
「……肯定」
懐かしそうな顔をする面々。そんな彼女達から、義人は視線を周辺環境に移すと。
「確かに、いいところだね。バイクで一人旅がしたくなる」
『は、は、は、は、は。一人旅、というところがあなたらしいですねぇ。この天然ボッチ野郎。とはいえ、どう足掻いたってあなたはぼっちになりませんけど。宇宙一可愛いパートナーがいつだって傍に――』
「ここが怪獣の上でなければ、と、そう思わざるを得ないねぇ。いや、本当にいいところだ。開放感が半端ない。この一件が終わったらネバタ州を旅してみようかな、うん」
『景色と同じぐらいに清々しいスルーっぷりですね』
やり取りを終えると、一行は進行を始めた。
三六〇度、道しか存在しない。これはもう、徒歩でなくてもいいのではなかろうか。
そういうわけで。
「ねぇ、君達さ、バイクの運転はできる?」
「あたしはできるぜ。日頃から乗ってるからな。ちなみに、愛車はハーレーダビッドソンXL九五三! あのフォルムと鼓動感がたまんねーぜ」
「ぼくも運転はできるよ。けど、普段は専ら車だなぁ。バイクよりも乗用車と戦車の方が乗り慣れてる」
「い、一応できますけど、スピードが出せませぇん……四〇キロが限界ですぅ……」
「バイクはホンダ製が至高。異論は認めない」
「……どうやら、皆乗れるみたいだね。それじゃあ」
白髪の少年は創造を使用し、バイクを創り出した。
以降、各々搭乗してエリア内を探索する。その果てに、一行は不可思議なところへと到達した。
バイクを停めて、降りる。それから、義人は怪訝な顔をしながら呟いた。
「これも、既視感があるな……」
それに対し、他の面々が反応を示す。
「あぁ、あたしも見覚えがあるぜ。でも、なんだろうな、ここまで来てっけど、出てこねぇっつーか」
「確か、映画じゃなかったかな? 多分西部劇、だったと思うんだけど」
「い、いえ、西部劇じゃありませんよぉ。なんだか、こう、おっきいモンスターが出て来たような……」
「……度忘れ」
首をひねる一行。その眼前に在るのは、こじんまりとした、複数の建物の密集地である。
雑貨屋らしきものが一軒。民家らしきものが数軒。他には、高台の上にある貯水タンク程度しか特筆するものはない。
少し離れた場所にある丘の上にも民家らしきものが一軒あるが、人が住んでいるような感じはここと同様皆無である。
「これは、一体なんなんだろうねぇ……怪獣の上に民家とか、もう意味がわからない……」
氷雪地帯にあった基地はまだ説明ができないこともないが、これについては不可能だ。まさに意味不明である。
とはいえ考えても詮無いこと、として、義人は一行を伴いながら不可思議な空間内を行く。
外にはこれといったものは何もない。では、建物の内部はどうか。
まず、雑貨屋へと入る。
その矢先、石版と対面した。
今回は何も言わず、白髪の少年は店内の石版へと近寄り、触れる。
すると。
◆第五問
Q、
1+1→2
2+2→2
3+3→2
4+4→4
5+5→4
6+6→2
7+7→4
8+8→2
9+9→?
A、?に入る数字を求めよ。
という問題が提示された。




