表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/112

プロローグ二 オレがヒーローを目指す理由(わけ)

“あんな経験”をすれば、誰だって理解する。

 この世界にヒーローなんか存在しないんだ、って。


 何が正しいのかわからない世の中だけど、オレ達が出した結論は間違いなく真実だ。そうでなければ――


 オレ達だけが生き残るなんて結末は、ありえない。


 あれからもう一〇年以上過ぎた。でも、オレは昨日のことのように思い出せる。


 あの日は幸せな一日だった。

 オレの母、あいつの父が再婚して、オレ達が名実共に家族になった日。

 さらに、オレ達が“選ばれし者”になった日。


 全てがオレ達を祝福していた。

 この幸福は永遠に続くものだと、そう思っていた。


 それを、“あいつ”が破壊したんだ。


 あいつは街を壊し、人を殺し、オレ達から全てを奪っていった。

 オレ達も殺される。その直前で“あの人”がオレ達を救ってくれた。


 そしてあの人が新しい親になってから、オレ達はこれからの生き方を決めたんだ。


 オレが出した答えは、“ヒーローになる”、というもの。


 この世界にヒーローはいない。都合のいい時に助けてくれる奴なんかいない。

 だったら、オレがそうなってやる。

 オレがこの世界のヒーローになって、オレ達みたいな人間がもう二度と生まれないようにしてやる。

 そのために、オレは自分の力を使う。自分の命を使う。


 親の墓前で誓ったその決意を、オレは今まで精いっぱい守ってきた。

 けど――


 いつしか、オレは気づいちまった。自分が“ただの人間”でしかないってことに。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ