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暗黒騎士の伝説 ――成り上がった僕が、世界を支配するまで――(旧題:僕は主人公になりたい ――最強の歯車・只野義人――)  作者: 下等妙人
【第二部前編:最強VS最狂 ――THE MONSTER PANICK――】
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第六章 エンドロール 9

 何もかも吐かせたなら、こいつは深海の奥深くに封印しよう。そう決めながら、義人は作業を続けるのだが、


「あひゃひゃひゃひゃひゃ。容赦ないねぇ。そういうところはボク好みだけどさぁ」


 この期に及んで、余裕を感じさせる声を出すクリス。

 それを無視しながら、もう何度目かもわからぬ斬撃をぶつける。

 その直後。


「ところでよっちゃん。君さぁ――“あの二人”のこと、気にならない?」


 少年の動きが、ピタリと停止する。


「……今、なんて言った?」

「おやおやぁ? 難聴かな? 難聴主人公かなぁ? さすが主人公志望。抜け目なくネタを仕込んでくるねぇ」


 再び切りかかろうとする義人。


「タンマタンマ! 君ってば怒りん坊だねぇ。カルシウム不足なんじゃないの?」

「質問に答えろ。それとも、再生するための時間稼ぎって解釈をしてもいいのかなぁ?」

「時間稼ぎと言えば時間稼ぎだねぇ。この怪獣大パニックは、君とあの二人を遠ざけるための時間稼ぎって側面もあったのさ。んで、もうそろそろ向こうでも決着がつきそうなんだよね」


 一拍の間を空けて、クリスは続きを語る。


「向こうの様子、見ることもできるけど、どうする? ぶっちゃけもう戦う必要なんかないんだよね。こっちとしては。このバトル展開を終わりにするって言うなら、君と僕であっちのシナリオを鑑賞できるけど」

「……あの二人っていうのは」

「そう。天ちゃんとかーちゃんだよ。君の大切な大切なお友達。それが今どんなザマになってるか、知りたくない?」


 それを受けて、義人は第一形態へと戻り、


「……見せてもらおうか」

「様子次第じゃルールを破ってでもボクを殺す。みたいな意図が透けて見えるねぇ。あひゃひゃひゃひゃひゃ! いやーん、よっちゃんこわーい!」


 狂ったように笑うクリス。その体はもう八割方回復しており、義人と共に怪獣の体表へと着地したと同時に全快となった。

 しかし襲ってくる気配はなく、それどころか変身を解いてみせた。

 どうやら本当に戦意はないらしい。


 そして、クリスは異能を使用したのだろう。六〇インチ程度のモニターが召喚され、宙に浮かぶ。


「さぁ、それじゃ現場に繋ごうか。カメラさーん! 現場のカメラさーん!」


 次の瞬間、画面に映像が映った。

 二分割されていて、それぞれが天馬と香澄の現状を中継している。

 それを見て、義人は愕然となった。

 モニターに映るモノ。それは――


 絶体絶命となった、友人達の姿。


 道化は笑う。客の前で、笑い転げる。だが、

 それを目前にした客は、微塵も笑うことができなかった。



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