第2話 ドッペルゲンガー
この物語は、様々な現象を独自の考えで説明します。
でもそれはフィクションです。でも真実も書きます。
一応です。
目覚めたら、天井は真っ白だった。
暫く考える。何故なら僕の部屋の天井は灰色ぽい白だからだ。
「あぁ~、病院か」
少し考えてやっと理解する。
「何か・・・変な夢を見た気がする」
夢と言うのは、僕の頭の中で響く声の事だ。
訳の解らない夢だった。何かの暗示だったのか?いや、もう過ぎた事だ。気にする事はないだろう。
『そうだなぁ~、気にしなくて良いから身体よこせよ?』
早く退院したいなぁ~。
『あれ?シカト?』
病院のご飯は不味いって言うしな。
『シカトは立派な苛めだぞ?』
病院独特の匂いも嫌いなんだよな。
『苛めカッコ悪いぜ?』
もうひと眠りしようかな・・・。
『・・・・高1の時、小学校高学年の女の子の―――』
「おおおおおおおおおおおおおい!!!!」
思わず声に出して叫んでしまった。
『いやいや、ここまで来ると変態以上だよな?もう死んじゃえよ?』
そんな軽く言うな。てか、喋るな。頭に響く。
『響くのは仕方が無い事だ。むしろ痛みを感じる事に有難味を感じろ。生きているって実感できるだろ?』
知らないね。俺は死にたかったんだ。
『なら死ねよ?』
死んだら君が僕の身体を使うんだろ?
『そうだよ?』
それならそんな簡単に死ねないね。僕の身体で何されるか解らないから。
『ロリコンの変態に言われたくないな』
僕はロリコンじゃない!
『アブノーマルなお前が何言っても・・・』
・・・・・もう良い。何言っても信じてくれないなから。
『おいおい。何言ってるの?お前の事は俺全部知ってるぞ?』
君こそ何を言っている?
『お前が寝ている間に、お前過去とか色々読んだ』
は?どうやって?しかも読んだ?
『説明するの面倒だなぁ~。まぁ、お前の脳から読み取ったって事だ。うん。面倒だからそれでいっか』
適当過ぎないか?てか、僕のプライバシーは?
『そんなのねぇーよ。諦めな!』
最悪だよ・・・。
『お前が生き返るからだろ?』
気付いたら生き返っていたんだよ。
『一体お前にどんな奇跡が起こったんだろうな』
知らない。それに奇跡なんて信じないよ。そんな訳の解らないモノ。
『それは俺も同意見だ。俺は見て、聞いて、感じたモノしか信じない』
それにも僕は同意見だ。天才は見えないモノは信じない。
『自分の事天才って言ってるよ・・・・痛いな』
事実だからね。
『そこまで来ると、逆に清々しいな』
どうも・・・。
『別に褒めてないけど』
まぁ、多少この感じに慣れてきたから、色々説明してくれないか?
『ん?昨日はかなり否定的だったのに』
僕の事は何でも解っているなら聞かなくても良いだろ?
『いや、記憶を読んだり、思考を読んだり出来るのはお前が気絶してるか、寝ている時かのどっちかなんだよ』
つまりは意識が無い時か?
『そうだ。だからそれ以外はお前が直接教えてくれないと俺は解らない』
便利の様で不便だな。
『ここは前向きに、便利だと思う事にしている。で、聞きたい事は?』
まずは君の名前。
『色々事情があって名前しか教えられないが、マコトだ』
事情って何だ?
『俺の事がバレる可能性が有るって事だ』
どう言う意味?
『長くなるが良いか?』
それで僕が納得出来るなら。
『ヨシ。じゃぁー暫く喋らせてもらう』
どうぞ。
『俺は実は一度死んでいるんだ。交通事故でな。それ程外傷は無かった筈なんだが、死んだ。打ちどころが悪かったらしい。それでな、俺はお前と同じ体験をしたんだ。誰かに話しかけられた。「身体をくれ」ってな。俺は抵抗する暇なく、身体を取られた。つまりは、外見は俺だが、中身は俺じゃない誰かがこの世に存在しているって事だ』
成程・・・。
『それでだ。俺はそいつと同じ方法でお前の身体を取ろうとした。目的は自分の身体始末する事だ』
何故?
『これは俺の推測だが、俺は多分自分の身体には戻れない』
何故その考えに至ったんだ?
『色々無理やりな所はあるが、俺の身体を取った奴が言ったんだ』
何て?
『「自分の身体に拒絶された事があるか?」ってな。何でそんな事を言ったかは解らないが、多分興奮して思わず口走ったと思うんだ』
成程ね。拒絶って事は入れなかったって事か。
『俺はこの現象の事を【ドッペルゲンガー】って呼んでいる』
自己像幻視?何故だ?自己像幻視は第三者、又は自分が、自分と瓜二つの自分を見る事を指している。でも君は自分を見ていないだろ?
『これは俺の憶測って言うか、考えだが。初めてドッペルゲンガーを体験した奴って、俺と同じ体験をして、身体を取られ、他人の身体を奪って自分を見たからだと思うんだよ。そいつが、多分「アレは俺なんだ」とか他人に言って、それが広まったんじゃないのか?』
無理矢理だが、間違いとも言えないな。では、死期が近い人間が見るって言う伝承は?
『多分身体を取った奴が、殺したんじゃないか?中身が違うってバレたら面倒だから』
成程。それで自己像幻視は他人に中身がバレないように話さないのか。多少のズレは有るが、それも一つの考えだな。
『それでだ。俺は自分を探したい。俺は存在してはダメだからな』
ダメとは?
『それは秘密だ。俺は、嘘は吐かないが、秘密主義だ』
秘密主義なら僕の事も黙っていろよ?
『お前の秘密はお前を脅す時に使う』
あっ・・・そう言えば君は他人と喋れないんだよな?身体無いし。なら心配する事はないか。
『いや、俺お前の身体の主導権は奪える』
は?
『これは二重人格って感じかな。人格が切り替わるってあるだろ?それと同じで俺とお前の人格をチェンジする事も出来る』
なっ!?
『でもある一定の時間が過ぎたら、強制的に人格が主人格のお前に切り替わる』
その一定の時間とは?
『教えない』
変な所で秘密主義だな。
『まぁ、大丈夫だ。切り替わっても変な事はしない。お前のイメージが壊れたら俺も色々と動きづらいからな』
・・・・解った。でも勝手に替わるなよ。一言言え。
『あぁ。約束する。それと、俺は人格を替えられるが、お前は無理だから』
何?
『もし、俺がお前と人格を切り替えても、お前が自分で切り替える事は出来ない』
不公平だろ!?何で君に出来て僕に出来ない!?
『知らね。嫌われてんじゃね?』
誰に!?
『知らね』
・・・・しょうがないと腹を括るしかないな。
『思った以上に理解するのが早いね。普通なら混乱するが?』
天才は一味も二味も違うんだよ。
『自分で言ったよ』
まぁ、君を探すのは手伝うが、それは退院してからで良いだろ?
『あぁ。ワザワザ病院抜け出す事もないからな』
それじゃ・・・もうひと眠りしようかな。
えぇー彗も言っていましたが、マコトの自論は結構無理やりです。
少し意味が解らないところもあったと思いましたが、それは作者の力不足です。
あれ、てかミミ出てないな。今度いつ出せるか・・・。
次も読んでください。